ファクトシート
IMFの概要
2013年3月
国際通貨基金(IMF)は、国際的通貨協力の推進、金融の安定確保、国際貿易の促進、高い雇用水準と持続的経済成長の促進、そして貧困削減の実現に向け尽力しています。1945年に設立されたIMFは、世界の大半にあたる188カ国で構成され加盟国政府に対して責任を負っています。
IMF設立の背景と活動内容
「IMF」または「ファンド(Fund)」として知られる国際通貨基金は、1944年7月にニューハンプシャー州ブレトンウッズで開催された国際連合の会議にてその設立が提案されました。会議に出席した44カ国の政府代表は、1930年代の世界恐慌の原因となった通貨切り下げ競争による悪循環を繰り返さないよう、経済協力の枠組みの構築を目指しました。
IMFの責務: IMFが担う第一の責務は国際通貨制度の安定性の確保です。国際通貨制度とは、世界の国々(そして国民)が相互に取引を行なう上で不可欠な、為替レート制度、及び多国間決済制度を指します。安定した国際通貨制度は、生活水準を向上させ貧困削減に寄与するなど、持続的経済成長の促進には必須です。先日IMFの責務と権限が、世界の安定性に影響するマクロ経済及び金融部門の課題等が網羅されるよう明確化され刷新されました。
IMFに関する基本情報
- 現在の加盟国数: 188カ国
- 本部: ワシントンD.C.
- 理事会: 国もしくは国のグループを代表する理事24名
- スタッフ: 144カ国より約2,503名
- 出資割当額(クォータ)総計: 3,600億米ドル(2013年3月14日現在)
- 公約・合意済み追加財源: 1兆米ドル
- 合意済み融資 (2013年3月7日現在): 2,260億米ドル、うち融資未実行残高1,660億米ドル(表を参照のこと)
- 最大借入国(2013年3月7日現在での合意額): ギリシャ、ポルトガル、アイルランド
- 予防的融資(2013年3月7日現在での合意額を基準とした上位3カ国): メキシコ、ポーランド、コロンビア
- サーベイランス協議: 2011年:122協議、2012年:123協議
- 技術支援: 2012年度に現地で行われた技術支援-246人年
- 透明性: 2012年は、4条協議、プログラム関連のスタッフレポート、及び政策ペーパーの約91%を公表(2013年3月20日現在)。
- 主要責務: IMF協定* 第1条に明記されているIMFの主要責務は次の通り:
- 国際的通貨協力の推進
- 国際貿易の拡大とバランスの取れた成長の促進
- 為替安定の促進
- 多国間決済システム確立の支援
- 国際収支上の困難に陥っている加盟国への (適切なセーフガードを伴う) 財源提供
サーベイランス: 国際通貨制度の安定の維持及び危機の防止に向け、IMFは各国の政策、並びに国・地域・そして世界的な経済・金融の状況を、サーベイランス(政策監視)と呼ばれる正規のシステムを活用しレビューしています。このサーベイランスの枠組みの下、IMFは188の加盟国に対し政策助言を行い、経済の安定の促進、経済・金融危機に対する脆弱性の軽減、さらには生活水準の向上の実現に向けた政策を推奨します。またIMFは、世界的見通しについては世界経済見通し(World Economic Outlook)のなかで、金融市場に関しては国際金融安定性報告書(Global Financial Stability Report)のなかで、そして国家財政の動向は財政モニター(Fiscal Monitor)で定期的に分析を行っており、また一連の地域経済見通しも発表しています。
様々な多国間に関する報告書の主な分析結果や政策助言、そして専務理事の優先課題は、「世界の政策議題(the Global Policy Agenda)」にまとめられています。IMFの理事会は「統合されたサーベイランス決定」として知られる「国別サーベイランスおよびマルチラテラル(多国間)サーベイランスに関する新たな決定」を承認しました。この決定は、サーベイランスに関するIMFと加盟国の役割と責任の指針となるもので、2013年1月18日に施行となりました。より広くは、2011年10月に終了した3年毎のサーベイランスレビューを受け、マルチラテラル、金融部門、及び国別のサーベイランスのより良い統合に向けた作業が進められています。これは、相互連関性と波及効果へのさらなる取り組み、詳細なリスク評価の一層の利用、対外安定性に再び目を向ける「対外部門の安定性に関するパイロット報告書」(同報告書は、他のサーベイランスを補完する機能を果たします)、さらにはIMFの政策助言の牽引力の強化などを通して行われています。
金融支援: 加盟国が国際収支上の問題を是正するための余地を持つことができるよう、IMFは加盟国に対し金融支援を行います。IMFが支援する政策プログラムの計画立案は、IMFとの密接な協力の下、当該国の当局が行います。プログラムの効果的な実施に基づき金融支援の継続の可否が判断されます。今般の世界危機に迅速に対応し各国を支援するために、IMFは融資能力を強化し、2009年4月に金融支援の実施メカニズムの大幅な見直しを承認し、2010年8月と2011年12月に更なる改革を採択しました。
また、直近の改革では、健全なファンダメンタルズ、政策、及び政策枠組みを有する加盟国に幅広く柔軟な危機防止手段を提供するために、IMFの融資制度の更なる改善が行なわれました。低所得国に対しては、IMFは金の売却に伴う想定外の利益を活用し、融資利用限度を2倍とすると共に、世界の貧困国についてはその融資を拡充しており、さらに2014年末までゼロ金利としています。
SDRs: IMFは加盟国の準備資産を補完する手段として、特別引出権(SDRs) と呼ばれる国際準備資産を配分します。2009年の8月と9月に行われた2度の配分により、SDR配分の累積総額は、これまでの約10倍増の合計約2,040億SDR(約3,110億米ドル)となりました。SDRsは加盟国間で任意で通貨と交換することも可能です。また、2011年に発表したペーパーでは、国際レベルで通貨の安定を促進するため、SDRの役割の強化について検証しています。
技術支援*: IMFが行う技術支援や研修は、加盟国による効果的な政策の立案と政策実施能力の強化を支援します。技術支援は、税制及び運営管理、支出管理、金融・為替政策、銀行・金融システムの監督と規制、法的な枠組みや統計といった分野で実施しています。
財源: IMFの財源は主としてクォータ(出資割当額)の支払いを通し加盟国から提供されます。割当額は各加盟国の経済規模を概ね反映しています。2009年4月のG20サミットにおいて世界各国の指導者は、IMFの融資財源を約2,500億米ドルから7,500億米ドルへと3倍増とするために支援することを誓約しました。これを実現するために、新規借入取極(NAB)参加国及び潜在的参加国は、NABを約5,700億米ドル規模まで拡大することで合意し、NAB参加国による批准プロセスが完了した後、2011年3月11日に発効となりました。2010年12月に第14次クォータ一般見直しを完了するにあたり、IMF総務会はIMFのクォータを倍増し、約7,300億米ドルとするとともに、加盟国のクォータのシェアの大幅な再調整を行うことで合意しました。なお、クォータの増額が施行になると、NABはクォータの増加に伴い縮小される予定です。2012年中ごろに、加盟国は世界経済の強化と金融の安定のために、IMFの財源を4,600億ドルへ拡充するとの新たな誓約を明らかにしました。
IMFの年間経費は、主にこれまで融資残高の利息により賄われてきましたが、2012年、加盟国は、IMFの多様な活動にふさわしい、より広範な歳入源に基づいた新規歳入モデルの採用に合意しました。
ガバナンス及び組織: IMF は各加盟国政府に対して責任を担っています。IMF組織の頂点には、各加盟国を代表する総務1名・総務代理1名から構成される総務会があります。総務会は年に1度開催されるIMF・世界銀行の年次総会の際に開かれます。さらにそのうち24名は、通常年2回開かれる国際通貨金融委員会(IMFC)に出席します。
IMFの日常業務は、24カ国により構成され全加盟国を代表する理事会の指揮の下行われます。IMFCは日常業務への指針を与え、IMFのスタッフがサポートしています。2010年12月に総務会が承認した改革パッケージによりIMF協定の改正を行い、一段と加盟国を代表する全選任理事による理事会の実現に向けた取り組みを促進します。IMF専務理事は、IMFスタッフの統括、及び理事会の議長を兼任し、4人の副専務理事が補佐をしています。
