ファクトシート
IMFの意思決定
2012年9月27日
世界経済の根本的な変化を反映するために、IMFはガバナンス構造の抜本的な改革に取り組んでいます。IMFは、その67年の歴史の中で世界経済とともに変化を遂げてきたことで、国際金融制度における中核的な役割を維持してきました。加盟各国が一票を有する国際連合の総会と異なり、IMFでは世界経済での各国の相対的なポジションを反映した意思決定が行われるようになっています。現在行われている改革は、新興市場及び途上国の、世界経済における一段と大きな役割を反映することを目的としています。
以下の略図は、IMFの現在のガバナンス構造を示したものです。

ガバナンス改革
IMFが実効性及び正当性を維持するためには、188の加盟国全ての利益を代表していると認識される必要があります。IMFが現在行っているガバナンス構造の改革は、新興市場大国が一段と重要な役割を担う世界経済の急激な変化に対応したものです。
クォータ(出資割当額)及び議決権の再調整に対する加盟国の支持が得られた2006年に、IMFのガバナンス改革は本格的に開始されました。ダイナミックな活動を見せる新興市場国を対象としたクォータの特別増資を行い、低所得国のボイス(投票権)の向上を図る2008年のクォータ及びボイスの改革が、2011年3月3日に施行になりました。
2009年10月に、IMFの政策諮問機関である国際通貨金融委員会は、G20 の最貧国の議決権を保護する一方で、一段と野心的な改革* を目指すとした要請を承認しました。2010年12月15日、IMF総務会は第14次クォータ一般見直しを承認しました。同見直しでは、加盟国のクォータを倍増するとともに、そのシェアを、ダイナミックな新興市場及び途上国へさらに6%ポイント以上移行させることになります。これは、IMFCが求めていた数字を上回っています。さらに、2008年の改革で拡大された最も貧しい加盟国の議決権を保護することでも合意しています。発効に伴い、中国とロシアとともに、インドとブラジルがIMFのシェア上位10カ国に加わることになります。
また24名の理事も理事会の再編成に合意したことで、IMFの通常の意思決定における、ダイナミックな新興市場及び途上国の代表権の向上への道が開かれることになりました。このクォータおよびガバナンスの改革が施行されると、欧州先進国の理事会での議席が2議席減少になります。また、現在、一部理事が任命方式で選出されていますが、すべての理事が選任方式で選出されることになります。理事会の規模は現状維持の24名となります。その構成は8年ごとに見直されます。
加盟各国はこれらの改革の2012年の年次総会までの批准を目指し最大限の努力をすることにコミットしています。また総務会は、理事会に対し、2013年1月までにクォータ計算式の包括的な見直しを完了するよう要請しました。
総務会
IMFの最高意思決定機関は総務会* です。総務会は各加盟国により任命された、総務及び総務代理それぞれ1名が構成しています。総務は通常、加盟国の財務相または中央銀行総裁がつとめます。
総務会は、その権限の大半をIMF理事会に委譲していますが、クォータ* の増額、SDR(特別引出権)の配分、新規加盟国の承認、加盟国の強制離脱、さらにはIMF協定* 及び内規* の改正については権限を維持しています。
また総務会は理事を選任もしくは任命するとともに、IMF協定の解釈の判断の最終的な権限を有しています。総務会の投票は、会合の開催あるいは遠隔方式により(クーリエサービス、Eメール、ファックス、あるいはIMFの安全なオンラインの投票システム)行うことができます。
通常、IMF及び世界銀行グループの総務会は、年に一度、IMF・世界銀行の年次総会の際に会合を開き、両機関の活動・業務について意見を交わします。9月あるいは10月に行われる年次総会は、2年間ワシントンDCで開催されたのち、3年目は加盟国で開かれるのが通例になっています。
大臣級委員会
国際通貨金融委員会(IMFC)と合同開発委員会という大臣級の2委員会が、IMFの総務会に助言を行います。
188名の総務のうちの24名がIMFCを構成しており、すべての加盟国を代表しています。その構造は、24の選出母体を代表する理事会の構造を反映しています。
IMFCは年に2回、IMF・世界銀行の春季会合及び年次総会の際、会合を開きます。同委員会は、世界経済に影響する共通の懸念事項について協議を行うとともに、IMFの活動の方向性について助言を行います。各会合の後に委員会は、見解をまとめた声明を発表します。 これら声明が、次回の春季会合あるいは年次総会までの6ヶ月間のIMFのワークプログラムの指針となります。IMFCは、コンセンサス方式を採っており、公式な投票は行いません。
合同開発委員会は、IMFと世界銀行の総務会に対し、新興市場及び途上国の経済発展について助言を行う合同委員会です。委員会は25名(通常は、財務あるいは開発担当大臣)で構成されています。IMFと世界銀行の全加盟国を代表しており、主に開発に関する重要事項についての政府間合意を構築するための協議の場としての役割を担っています。
理事会
理事会は、IMFスタッフによる加盟国経済の年次健全性調査から、世界経済政策を巡る事項まで、IMFの業務のあらゆる面について協議* を行います。理事会の決定は、通常コンセンサス方式が採られますが、公式な投票* が行われる場合もあります。最終協議の終了の際には「要約」と呼ばれる、理事会の見解をまとめたものを発表します。また、政策をめぐる複雑な事項については、予備段階として非公式協議が開催されることもあります。
IMFマネジメント
IMFの専務理事は、IMF理事会の議長であり、IMFスタッフの長でもあります。4人の副専務理事が専務理事をサポートします。
IMF理事会が選出* した専務理事が新たに5年の任期をつとめます。IMFの総務と理事は、全IMF加盟国のなかからノミネート* することができます。理事会は、多数決で専務理事を任命することもできますが、これまでコンセンサス方式でおこなってきました。
* 英語
