IMF に つ い て




貧困国に対する債務救済(HIPC):
2003年3月までの成果
(ファクトシート)

2003年4月

IMFと世界銀行は、拡大重債務貧困国(HIPC)イニシアチブのもとで、アフリカ22カ国を含む26カ国の債務削減のための包括的措置を承認しました。これらの措置によって約410億ドル(正味現在価値で250億ドル)の名目債務救済がなされます。他の従来からの債務救済手段や追加の自発的二国間債務免除を合わせると、これらの国々の債務は、正味現在価値で平均約3分の2減少します。

国際社会は貧困国の債務を削減するために、資金提供はもとより実質的な取組みを行っています。重債務貧困国(HIPC)の債務救済対策の多くは承認されて2年も経っていませんが、HIPCイニシアチブの効果は既に貧困国にとって現実的なものとなっています。恩恵を受けた26ヵ国の債務返済額は今後以下のような減少傾向を見せることになるでしょう。

• 1998−99年から2001−2005年までに対輸出比率、対GDP比率が半分に減少。

• 2005年までに対政府歳入比が24%から約11%に減少。

債務の削減が貧困に対して目に見える影響をもたらすためには、追加資金が貧困層を対象として提供される必要があります。HIPCイニシアチブの導入以前は対象適格国は概して保健および教育費の合計を若干上回る額を債務返済に充てていました。HIPC救済に認定された当初の26ヵ国においてはもはやそのようなことはありません。これらすべての国で今や債務返済額よりも多い、平均ではその4倍近くもの額を社会福祉に充てています。また、最近のIMFの支援プログラムによりすべての適格国で予算に占める保健、教育支出の比率が著しく増加しています。

これらの国々は明白な改善が得られたことを認識しており、IMFも債務返済額と社会支出に関する国別データを公表しました。これらの改善は自動的に得られたものではありません。資金が貧困削減に最も効果的な方法で貧困国に確実に振り向けられるようにするために、多くの時間と努力が費やされた結果なのです。重債務貧困国の中には、特にガバナンスの質に関して過去の政策にばらつきが見られるものもあります。多くの場合、その原因は国内紛争など政府が直面する深刻な問題からHIPCイニシアチブの適用を受けることがより困難になっていることにあります。債務救済を通じた貧困削減をこれらの国々で確実に達成するためには、資金を可能な限り効果的に活用するための、創造的なソリューションと揺るぎない努力が必要になります。

これらの国々は困難な問題に直面しています。戦争で荒廃したルワンダやエチオピアでは再建が急務であることから、旧来の債務を削減しつつ多額の新規借入を要することとなります。国内紛争に悩まされているリベリアやスーダン両国は延滞債務を抱えていますが、たとえ平和を取り戻し再建に向かうことになったとしても、その額はHIPCイニシアチブに現在ある資金を使って帳消しにするには多すぎるものです。また、すべての重債務貧困国が貧困削減戦略の成果を上げ債務が再び社会的進歩の妨げとならないようにする課題と直面しています。これらは容易な問題ではありませんが、IMFと世界銀行は貧困の削減に焦点を絞り解決策を追求しています。

貧困国のために出来ることが他にもあるでしょうか。HIPCイニシアチブのもとでの債務救済は、貧困国の進路から、貧困削減と成長に対する決定的な阻害要因を取り除きますが、万能薬ではありません。成長を回復できなければ、これの国々は再び債務の罠に落ちてしまいます。我々は良い政策を通じて持続的な成長への基礎を築くために、これらの国々と力を合わせています。多くの貧困国を苦しめているHIV・エイズ危機によって、膨大な数の人命が失われています。貧困国社会の仕組みを切り苛むこの病気があるために、成長の達成は、その必要性が増しているのに関わらず、ますます困難な課題になっています。

より多くの支援を外部から得ることも欠かせません。ホルスト・ケーラーIMF専務理事とジェームズ・ウォルフェンソン世銀総裁は、富裕国がGNPの0.7%という開発援助の国連目標を達成するよう、明確な要請を行いました。それにも増して重要なことは、通商上の障壁を撤廃すれば、富裕国は最貧国何百万人もの人々の生計の手助けができ、自らも恩恵を受けられるということです。

表1 「決定時点」に達した重債務貧困国26ヵ国の債務返済額と社会支出

(単位: 特記のない限り100万米ドル)

 

1999

2000

2001

2002

2003

債務返済実績1

3,118

3,009

2,225

2,251

 

HIPC救済後の期日到来済債務返済額

       

2,297

社会支出

5,825

5,777

6,970

8,437

9,317

債務返済額/輸出比率(%)

15

14

10

10

9

債務返済額/歳入比率(%)

21

21

15

15

13

社会支出/債務返済額比率(%)

187

192

313

374

406

出典:"Heavily Indebted Poor Countries (HIPC) Initiative - Status of Implementation" (2002年9月)、重債務貧困国 (HIPC) イニシアチプ 統計の更新

1. 2000年度の債務返済額は主に2000年末以降に決定時点に達した国々の返済額を反映しているため、2001年までの間においては債務救済の効果は顕著に現れていません。