IMF に つ い て

IMFの貧困削減・成長ファシリティー(PRGF)
(ファクトシート)



2002年9月

1999年9月、IMFは「貧困削減・成長ファシリティー(PRGF)」を創設しました。この結果、IMFの譲許的融資の目的が拡大され、成長戦略の枠組みの中で、貧困削減にのみ焦点を当てたものも譲許的融資の対象となりました。2002年3月に行われたPGRFのレビューにおいても、こうした目的の拡大が再確認されました。IMFはPRGFを通じて、各加盟国が自ら行う包括的な貧困削減戦略を支援します。

貧困削減・成長ファシリティーとは

1999年に創設された貧困削減・成長ファシリティー(PRGF)は、IMFが貧困国に対して行う低利子融資ファシリティーです。IMFはPRGFを通じて、貧困の度合いの高い加盟国の活動に、貧困削減と成長という目標をさらに深く組み込んで行くことを目指しています。最近のPRGFレビューにおいても(3月15日付、Public Information Notice 02/30参照)、PRGF融資に支えられたプログラムの策定が、貧困削減と成長をより強力に支持していることが確認されています。

PRGFプログラムは加盟国が自ら作成する包括的な「貧困削減戦略ペーパー(PRSP)」に基づいて作成されます。PRSPは貧困層を含む市民社会やその他の開発協力者からの積極的参加を得ながら加盟国政府によって作成された後、IMFと世界銀行の理事会において重債務貧困国(HIPC)イニシアチブの下で、譲許的融資と債務救済を行うための基準として審議されます。PRGFプログラムの目的や政策条件は各国のPRSPから直接入手できます。PRSPに関する詳細情報は下記URLをご参照下さい。

http://www.img.org/external/np/prsp/prsp.asp

PRGFの特色

PRGFの活動実績からは、その独自の機能を知ることができます。 (詳細情報はIMFウェブサイトKey Features of IMF-PRGF-Supported Programs参照)

PRGFの核は、広い範囲での一般国民の参加と当事国のより強い自主性という点にあります。この意味で、PRGFプログラムの基礎となるマクロ経済の枠組みと政策に関する議論は、これまで以上にオープンなものであり、かつ、直接的な形でPRSPの作成と実施に根ざしています。当事国の自主性が増すことにより、PRGFの制限条件)はより厳格になるとともに、IMFの中心的な専門領域に焦点が当てられ、プログラムのマクロ経済的な目標に対し直接的で決定的な影響を及ぼすものに限られてきました。

貧困削減と成長を意図した主要政策と構造改革は、PRSPのプロセスの中で決められ、優先順位をつけられ、予算が建てられます。従って、当事国の予算およびPRGFに支えられたプログラムは、その国の貧困削減と成長における優先課題を最も的確に反映したものになります。さらに、PRGFプログラムにおける財政上の目標は、その国の状況や貧困支援政策の変化に柔軟に呼応すると同時に、貧困削減戦略のための資金調達がインフレ懸念のない持続可能な方法で行えるよう配慮しています。

当事国が明確な目的と優先順位に基づいた支出計画を立てられるように、PRGFプログラムは、とりわけ公的資源の管理、透明性、説明責任の改善に着目した、ガバナンスの強化に力を注いでいます。PRGFプログラムはまた、貧困および主要なマクロ経済政策の社会的影響に一層注目をしています。

IMFの貧困対策能力

PRGFプログラムは主としてIMFの責任領域のみを対象としますが、ある特定の施策がマクロ経済に直接的かつ重要な影響を与えると判断される場合はその限りではありません。IMFが対象とする領域の主なものとしては、健全なマクロ経済政策や為替レート・税制等関連分野での構造改革、財政運営の改善、予算の実行、財政の透明性、租税・関税の管理などに対するアドバイスがあります。必要に応じ、PRGFプログラムの策定にあたって、世界銀行の有する専門的知見を借りることもあり、IMFと世界銀行のスタッフはコンディショナリティ―について緊密に協力しています。世界銀行のスタッフは貧困の評価、モニタリング、構造的・セクター別問題、社会的問題、貧困削減のための優先的支出項目の見積もりなど、貧困削減戦略の策定に関し当局者へのアドバイスを行います。

PRGFの資金調達

現行のPRGFの下での譲許的融資は、PRGFとPRGF―HIPCトラストを通じてIMFが行います。PRGFトラストの財源は各国の中央銀行、政府、公的機関から、通常は市場金利で借り入れられ、そこから同金利のままPRGF支援対象国に貸し出されます。PRGFトラストの貸付国に支払われる市場金利と借入国が支払う0.5%の年利との差額は、二国間ドナーとIMFの資金源からの資金提供でまかなわれます。また、PRGFトラストはリザーブアカウントを設け、借入国の支払いの遅延や不払い、あるいは支払いと返済の一時的な不均衡などに対し、貸付国の債権を保証しています。

PRGFの条件

· 2002年9月現在、77の低所得国がPRGFによる支援対象国となっています。

· PRGFの支援を受ける基準は基本的にはIMFによる国民一人当たりの所得水準の評価に基づきますが、世界銀行の譲許的融資の条件水準を採用します(現在、2001年の一人当たり国民総所得875ドル未満)

· PRGFによる融資は年利0.5%で、償還期間は10年です。また、返済は5年半の措置期間後、半年毎に行うことになっています。

· 支援対象国は通常、IMF出資割当額の最高140%までの融資を3年間にわたり受けることができます。この上限は例外的な状況下において185%まで増やすことが可能です。融資額は当該国の国際収支上の必要、調整プログラムの内容、過去および現在のIMF融資の利用状況によって決められます。

IMFの貧困削減・成長ファシリティー
(PRGF)適用適格国

2002年9月現在

1 アフガニスタン

40 レソト

2 アルバニア

41 リベリア

3 アンゴラ

42 マケドニア=旧ユーゴスラビア共和国

4 アルメニア

43 マダガスカル

5 アゼルバイジャン

44 マラウイ

6 バングラデシュ

45 モルジブ 1

7 ベナン

46 マリ

8 ブータン

47 モーリタニア

9 ボリビア

48 モルドバ

10 ボスニア・ヘルツェゴビナ

49 モンゴル

11 ブルキナファソ

50 モザンビーク

12 ブルンジ

51 ミャンマー

13 カンボジア

52 ネパール

14 カメルーン

53 ニカラグア1

15 カーボベルデ1

54 ニジェール

16 中央アフリカ共和国

55 ナイジェリア1

17 チャド

56 ルワンダ

18 コモロ

57 パキスタン

19 コンゴ民主共和国

58 サモア1

20 コンゴ共和国

59 サントメ・プリンシぺ

21 コートジボアール

60 セネガル

22 ジブチ

61 シエラレオネ

23 ドミニカ1

62 ソロモン諸島

24 エリトリア

63 ソマリア

25 エチオピア

64 スリランカ

26 ガンビア

65 セントルシア1

27 グルジア

66 セントビンセント=グレナディーン

28 ガーナ

67 スーダン

29 グレナダ1

68 タジキスタン1

30 ギニア

69 タンザニア

31 ギニアビサオ

70 トーゴ

32 ガイアナ

71 トンガ1

33 ハイチ

72 ウガンダ

34 ホンジュラス

73 バヌアツ1

35 インド

74 ベトナム

36 ケニア

75 イエメン 

37 キリバス

76 ザンビア

38 キルギス

77 ジンバブエ

39 ラオス

 

1 一部の小規模島嶼経済には、IDAの支援対象となる国民一人当たりのGNP水準(2002年度は$875未満)に例外が適用されます。これらの国々は所得水準に関わらず、継続的にPRGF、IDAの支援対象国としてみなされます。