| IMF に つ い て |
国際基準及び規範: IMFの役割 2002年8月 国際社会は金融危機の防止に役立つ手段として基準や規範をますます重要視するようになってきています。その理由は良い慣行のベンチマークを提供すること、そしてこれらのベンチマークに照らして各国の評価をすることであり、政策立案と投資決定の質を改善します。IMFと世界銀行はこのような取り組みにおいて重要な役割を果たしてきました。両機関はそれぞれが責任を有する中心分野において基準設定機関としての役割を果たし、11の異なる分野における国際的に認められた基準と規範の加盟国における遵守状況を評価し、必要に応じて改革の実施に手を貸しています。その(自主的な)評価は国際基準の遵守状況に関する報告書(ROSC)に要約されています。金融セクターに適用される基準は金融セクター評価プログラム(FSAP)の枠組みの中で評価されます。 基準と規範の枠組み 基準と規範に関わる作業は政府、金融セクター、企業セクターを扱う3つの大きなグループに分けられます。IMFと世界銀行はこれら3つのグループの中で11の分野とそれらに関連する基準が業務上役立つことを認めました。それらはデータ普及、金融政策の透明性、財政の透明性、銀行監督、証券規制、保険監督、支払・決済システム、コーポレート・ガバナンス会計制度、監査制度、ならびに破産法制及び債権者の権利を含んでいます。IMFと世界銀行はそれぞれの責任の中心分野での基準設定機関として機能するだけではなく、11の分野における他の基準設定機関とも協力します。 政府の政策立案と実行に関連する基準 最初に作成されたのは政府の政策立案とその実施をカバーする国際的に認められた基準と規範でした。IMFはこの分野における基準設定機関として中心的な役割を果たしています。 データの質と適時性を改善するため、IMFは加盟国に特別データ公表基準(SDDS)を購読するか、または一般データ公表システム(GDDS)への参加を勧めています。SDDSは国際資本市場を利用している、あるいはその利用を求めている国の手引きとなるよう作られています。SDDSに参加するにあたり、各国は標準の様式に従ってデータを公表しそのデータ公表方法を説明することを約束します。GDDSはマクロ経済や財務のデータに加えて(人口、健康、教育、貧困に関連する)社会人口統計データを扱っており、すべての加盟国に公開されています。GDDSへの参加に同意するにあたり、各国は自国の統計方法とその改善計画を公表することを約束します。 IMFはまた財政の透明性に関する良い慣行の原則を公表しています。この規範は、財政政策の企画と結果に関する公共の議論が十分に情報を与えられた上でなされるよう促し、政府により一層の説明責任を持たせることを目的としています。IMFの金融政策及び金融規制・監督政策当の透明性に関する良い慣行の原則は金融・財政政策の分野で同様の目的に役立つものです。 金融セクター 統制と監督がよく行き届いた金融セクターの創設を目的とした基準や規範は危機を防止するためには必須です。この分野における国際基準を更に改善するため、IMFと世界銀行はバーゼル銀行監督委員会、証券監督者国際機構、保険監督者国際協会ならびにG10中銀支払・決済システム委員会と協力しています。 企業セクター ごく最近になってコーポレート・ガバナンス(企業統治)、破産法制、会計制度および監査制度を対象とする基準が策定されました。IMFも関与していますが、この分野では世界銀行が経済協力開発機構(OECD)、国際会計基準委員会および国際会計士連盟と協力しながら主導しています。世界銀行は破産手続等の原則及びガイドラインを作成しています。 基準と規範の遵守の評価 国際的に認められた基準および規範の遵守状況はIMFと世界銀行により調査され、ROSCに要約されます。金融セクターのROSCは通常、金融セクター評価プログラムの枠内で準備されます。これはIMFと世界銀行とのもう1つの共同イニシアチブで金融セクターの安定性を評価するために専門的に考案されたものです。 評価とその公表は加盟国の任意によるものであり、各国の発展段階や制度面の能力などを含む各国に特有な状況を反映します。格付けや合否の評価は行いません。2002年6月末現在、80ヵ国について264のROSCが完成し、そのうち193が公表されています。 ROSC やFSAPに盛られた勧告を実施するのは各国自身の責任です。しかしながら、多くの発展途上国はその過程でIMFや他の国際機関の技術援助を要請しています。 新しい動き IMFと世界銀行はマネーロンダリングやテロリズムへの資金供与と戦うために、金融活動作業部会が作成した勧告を、特定の条件が充足されることを前提として、ROSCの枠組みの下で評価される分野に加えることを決定いたしました。2002年の後半にパイロットとして利用される予定です。 昨今のコーポレート・ガバナンスに関わるスキャンダルが現行の会計基準や監査方式の改革の必要性をクローズアップしました。IMFは世界銀行と共に、より強力な規制の枠組みを作成するよう基準設定機関に促しています。 |