G20相互評価プロセス(MAP)

2017年4月20日

先進ならびに新興市場20カ国・地域グループ(G20)は、 2009年に、世界経済危機からの永続的な回復に向け協働することにコミットしました。この目的の達成に向け、G20は「強固で持続可能かつ均衡ある成長のための枠組み」を立ち上げました。この枠組みの基盤であるG20の「相互評価プロセス」を通し、G20 各加盟国・地域が、世界経済の様々な目標とその達成において不可欠な政策を特定するとともに、これらの目標の達成度を評価します。一方、G20から要請を受けたIMFは、主な不均衡、各国の政策の整合性、そして集合的にG20の目標を達成することができるかを評価する技術的な分析を提供します。このファクトシートでは、MAPの主なステップを紹介します。MAP及びIMFのスタッフ分析の要点及び提言については、 http://www.g20.org/pub_index.aspx を参照ください。

世界経済の回復を導く指針

MAPは、2009年のピッツバーグ・サミットにおいてG20加盟国・地域が策定した政策協調へのアプローチです。G20各国首脳は、同イニシアチブの方向性と内容を打ち出しました。その目標は、全ての人のプラスになる連携の実現です。G20はIMFに対し、MAPの一環として技術的な分析を提供するよう要請しました。

IMFスタッフは、他の国際機関と連携して、G20の各加盟国・地域が追求している政策とG20の強固で持続可能かつ均衡ある成長という目標が集合的に整合的であるかを評価する課題に取り組みました。その一環として、IMFスタッフは参考指標の作成でG20を支援するよう要請を受けました。この指標を用いて加盟国・地域間の大幅な不均衡を特定して評価します。

2013年のサンクトペテルブルクサミット でG20は、各国が世界の経済成長、雇用、金融の安定性の促進という課題に対処するなか、協力が重要であると強調しました。当面の経済情勢と予算状況を考慮しながら、先進国において持続可能な財政を確保することに改めてコミットしました。また、G20は、世界的な不均衡を持続的に軽減していくために、各国・地域が協調することを改めて約束しました。2014年11月のブリスベンサミットで、G20はGDPをサンクトペテルブルク前に実施された政策を基にした軌道から2018年までに2%以上引き上げることを目指した、包括的な成長戦略にコミットしました。マクロ経済政策に加え、投資の増大や雇用と参加の拡大、貿易と競争の強化に重点を置いた成長戦略が、「ブリスベン行動計画」の基盤となっています。2015年11月のアンタルヤ・サミットで、G20は成長戦略コミットメントへの進捗状況を見直し、各国は更なる包摂性の促進と不平等の削減に改めて重点を置くことでその成長戦略を強化しました。2016年9月の杭州サミットでは、強化された構造改革アジェンダを基礎とし、また一連の優先事項や指針を策定、および進捗状況をモニタリングするための新たな指標体系を構築するなど成長戦略がさらに強化されました。議長国ドイツの下、現在G20は頑健な指針の作成に取り組んでおり現行の成長戦略の改訂が図られることになります。経済成長の包摂性を高めていくことに重点を置いた更なる取り組みも行われます。

G20の最新情報については、こちらのリンクを参照下さい。http://www.g20.org.

枠組みの構成要素

サミット

主な措置

詳細

ピッツバーグ
2009年9月

政策およびマクロ 経済の枠組み

全 G20加盟国・地域は、今後3~5年間の政策プランとパフォーマンス予測を各国・地域およびIMFと共有。IMFは、世界に及ぼす影響を検証。

トロント
2010年6月

加盟国・地域の政策の評価

IMFは、G20メンバーの政策の成長目標との一貫性を評価した。さらに「上方シナリオ」 を分析・構想した。このシナリオは、協調行動はが、全ての国や地域、そして世界的なリバランス(再調整)でより良い結果をもたらすことに貢献するとしているをもたらすとしている。

ソウル
2010年11月

参考指針によりMAPを強化

G20メンバーの首脳は、不均衡を特定し評価する参考指針を活用し、枠組みの目標到達に向けた進捗状況を評価。IMFに対し、大幅な不均衡を抱えた加盟国・地域には評価を実施するよう求めた。

政策コミットメント .

全G20メンバーは、共通の成長目標を達成するための政策措置を明確にした。

カンヌ
2011年11月

成長と雇用のためのカンヌ行動計画

G20リーダーはより安定し頑強な国際金融システムの構築に向け大きく前進することにコミットした。

G20首脳は、中期的に不均衡を是正し、強固で持続可能かつ均衡ある成長のための枠組みの進展を確保する政策措置を承認した。失業、ソーシャル・セーフティネットといった社会的課題でより断固たる決意で臨むこと、そして国際通貨制度のより一層の安定化とその耐性の強化にコミットした。

大規模な不均衡が特定された7ヶ国については、IMFスタッフが持続可能性報告書で不均衡の性質、根本的な原因、および調整の障害に関する分析内容を報告した。

ロスカボス
2012年6月

成長と雇用のためのロスカボス行動計画

G20首脳は、需要の強化、世界経済の成長支援、信認の回復、短・中期リスクへの取り組み、雇用創出の強化、及び失業率の低減のための政策措置をとることにコミットした。

G20首脳は、強固で持続可能かつ均衡ある成長という共通の目標に向けたコミットメントを果たすにあたっての進捗状況を評価する、説明責任の評価枠組みの強化に合意、この枠組みの下で第1回目の評価を実施した。

サンクトペテルブルク
2013年9月

サンクトペテルブルク行動計画

G20首脳は、世界の成長、雇用、金融の安定性を連携して引き上げるとした行動計画で合意。また経済状況を加味した財政健全化の必要性を確認。またG20は世界的不均衡を是正するという公約を改めて確認。

ブリスベン
2014年11月

ブリスベン行動計画

G20首脳は、2018年までにグループ全体のGDPを、2018年までに2013年10月のIMFのWEOベースラインで示された軌道発表時の政策との水準から2%以上引き上げることを目指した包括的な成長戦略にコミット。

アンタルヤ
2015年1月

アンタルヤ行動計画

G20首脳は、成長戦略の実施に向けた進捗状況を見直し、同戦略の完全かつタイムリーな実施へのコミットメントを強調した。また行動計画は、投資と包摂性の促進を強調している。

杭州
2016年9月

杭州行動計画

G20首脳は、9つの優先分野、指針、および説明責任に必要な指標体系など構造改革のための新たな枠組みに基づいて成長戦略を強化した。