## 債務の網目

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**Canonical URL:** [債務の網目](https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2018/march/zh/debroeck.pdf)

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### 概要と主要結論
- 戦間期（第一次世界大戦と第二次世界大戦の間）の研究により、「複雑に繋がりあった政府債務のネットワーク」が金融危機を悪化・長期化させうることが示される。
- IMFが構築した政府債務の個別債権データベース（対象期間：1913年から45年）を用いた分析は、債務の大半が第一次世界大戦に起因することを示す。
- 分析は、投資家の信頼喪失や流動性枯渇、政府による金融セクター介入が対外債務の重荷を増幅させ、世界恐慌時の金融混乱の深刻化・長期化に寄与したことを示している。
- 戦間期の経験は、2008年の世界金融危機や2010年の欧州債務危機と重要な類似点を持つと指摘される。

### 複雑なネットワークの構成要素（観察された連関）
- 戦中・戦後の同盟国政府間や中央銀行間の融資。ドイツに科された賠償金が債務関係に新たな層を付加し、勝戦国間の債務返済をドイツ賠償金の受取にリンクさせた点が複雑化を促進。
- 外国市場での政府債務の民間投資家への販売が1920年代に拡大。引受証券会社や銀行が宣伝販売とリスク引受で重要な役割を果たした（例：米国市場への供給でJPモルガンが主導的役割）。
- 国債以外の債券（民間借り手や州・地方自治体による対外借入）の海外発行が拡大し、賠償金支払いのための外貨確保が動機となった。
- 偶発債務の拡大：地方自治体や州の対外借入が返済不能になった際に国家政府がその債務を引き継ぐケースが発生（例：オーストリア政府が1931年にクレディット・アンシュタルトの対外債務の一部を引き継いだ）。

### 波及経路と民間部門への影響
- 多国間・二国間交渉を通じた新たな融資が民間投資家を債務国支援の貸し手にしたため、民間投資家を債務不履行から守ることが各国の国益となった。
- 引受証券会社（JPモルガン、ロスチャイルド等）による債券募集・販売の中心的役割がリスクの集中・伝播を助長。中央銀行や政府支配下の銀行が引受会社として機能した例もある。
- 多国が単独の大規模債務者（当時はドイツ）への債権を共有していたことにより、複数経路で民間部門へ悪影響が波及した。

### システミックなリスクの形成
- ドイツは当時ネットワーク内で最大かつほぼ唯一の純債務国であり、「ドイツが大きすぎて破綻させられない」状況となった。ドイツ賠償金に伴うリスクが国際金融ネットワーク全体を揺るがすシステミックなものとなった。
- 1931年に国際的な資本の流れが急停止し、新たな借入が不可能になったとき、政府債務の脆弱性は頂点に達し、1933年までに多くの政府が対外債務の大半の支払いを停止し、国内銀行への国債販売に依存するようになった。
- グローバルな金融システムにおいて、債務がネットワークの中核を占める場合、ショックは広がり増幅される可能性が高い。

### 制度的脆弱性と国際協力の欠如
- 効果的な多国間プラットフォームが存在しなかったことが政府債務問題の解決を困難にした。国際連盟は真に世界的な機関として機能せず、アメリカは国際連盟に加盟していなかった。
- 国際的な「最後の貸し手」が存在しなかった。国際決済銀行（BIS）は1930年に設置され、1931年中頃には緊急融資を提供したが、長期融資を行う仕組みは持たなかった。
- 国際連盟にはIMFが今日果たすような融資機能がなく、その役割の空白を埋めるために著名銀行家（例：トーマス・ラモント、ジョン・ピアポント・モルガン）が非公式に介入した。「マネー・ドクター」と呼ばれた民間の国際的銀行家や金融アドバイザーが政府を支援する事例もあった。
- 1930年代前半にこうした枠組みが崩壊した混乱は、国際協力の重要性と、大国が国際機関から離脱することの危険性を明確に示している。

### 歴史的類似と政策含意
- 戦間期の経験と2008年以降の事象（2008年世界金融危機、2010年欧州債務危機）との類似点：
  - 投資家の信頼喪失、流動性の枯渇による国債市場の混乱、金融セクターへの政府介入が債務負担を増幅。
  - ホームバイアス（銀行が自国国債の保有を急速に増やす行動）が見られ、ストレス下で財政に猶予を与える一方で、リスク価格付けを不透明にした。
  - 新興市場国が外貨建て債務を抱え、通貨下落で債務額が上昇するリスクは、1980年代・1990年代のアルゼンチン、ブラジル、メキシコの事例と類似。
- 戦後の対応としてIMFやマーシャルプランなどの新たな国際機関・財政支援プログラムが設立され、制度や規制システムの強化が進んだことが言及されるが、こうした仕組みをより強固にする努力は継続されるべきである。

*マーク・デ・ブルック、エラ・ダブラ=ノリス、ニコラス・エンド、マリナ・マリンコフ（IMF財政局）*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2018/march/zh/debroeck.pdf_
