## アジアの働く女性たち

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### 要旨・全体観
- アジアでは女性の労働参加率が上昇傾向にあり、多くの国が追随している。
- 女性労働参加率が高まると、労働力のプールが拡大し、経済成長力が向上し、高齢化による成長低下の負の影響を和らげられる。
- マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの報告書「The Power of Parity: Advancing Women’s Equality in Asia Pacific」によれば、アジア太平洋地域で女性のための平等が実現されれば、2025年までに地域全体のGDPを12%（4兆5000億ドル）押し上げる可能性がある。

### 上昇傾向と主要統計
- アジアにおける女性労働参加率は1990年から約6%ポイント増加している。
- ベトナムの生産年齢の女性の労働参加率は過去20年以上にわたり75%近くで推移してきた。
- ベトナムでは70%台の女性労働参加率が20年以上にわたり維持されている。
- 1996年から2016年の間に、女性労働参加率が低かった複数の国々で平均12%ポイント台の伸びが達成されている。
- オーストラリア、香港、マレーシア、ニュージーランド、シンガポールはこの10年間に10%ポイントを超える伸びを記録した。
- 働き盛りの壮年層を指す年齢区分は25～54歳。

### 地域間・国別の差異と要因
- アジア内で女性労働参加率の国際的な格差は拡大している。影響要因の一部：
  - インド、インドネシア、フィリピン、スリランカなどで女性労働参加率が低下または低迷。
  - 中国やタイも比較的高い水準から低下。
- 女性労働参加を促す主要な要因：
  - サービス部門（公共部門を含む）の相対的な大きさと教育水準の高さ。
  - 経済の開放度（輸出入額の対GDP比）や都市化の速度は平均的にプラスの影響だが、影響度は相対的に低い。
  - インフラ整備、労働者の権利の平等化、思春期の出産率の低下。
  - 育児支援制度が手頃な価格で提供され、利用可能であること。
  - 文化的環境や家族支援政策の実施状況。
- 自動化（定型化）の影響は国によって異なる。農業の比重が高い国では自動化影響が小さい場合がある。

### 景気循環・構造変化の影響
- 景気後退や成長減速は失業率上昇や求職意欲の低下を通じて女性の労働参加を抑制し得る。
- アジアの近年の堅調な経済成長は女性の労働参加を支え、高齢化の影響を緩和してきた点は、欧米先進国の状況と対照的である（IMF，2018）。
- 労働市場の硬直性（従業員解雇が困難）やインフォーマルセクターの大きさは、家族支援政策や女性の採用に対する政策効果を制限する。

### ベトナムの特殊事例：高参加率の持続メカニズム
- ベトナム戦争の影響で、特に壮年層における男性人口の急減があり（1986年のドイモイ改革着手時に供給可能な労働力の大半が女性であった）、女性の就業率上昇が促された。
- ドイモイ改革（民間事業の推進、価格統制の廃止、官営事業の段階的撤退等）により急速な経済成長と都市化、対外経済開放が進行。
- ベトナムでは農業従事の女性が多数を占める一方で、サービス産業や外資誘致部門の賃金労働者としての女性比率も増加。
- 教育面では「万民のための教育（EFA）」を掲げた教育制度整備が進められ、初のEFA計画は1993～2000に実施され、全教育段階で男女平等が強調された。
- ベトナムでは男女がほぼ同じ割合で高等教育を修了しており、学歴格差の解消が労働参加率の男女平等に結びついている。
- 法制度面では、育児支援や出産育児休暇など手厚い家族支援策と、平等・性差別禁止を保障する法的枠組みが強化されている。

### 政策含意と今後の課題
- 成果をさらに高め、広く普及させるための重点分野：
  - 質の高い教育を受ける機会の確保。
  - 家族を支援する法律の効果的な実施（育児支援、母性保護、時短勤務等）。
  - 力強い経済成長を持続させる政策。
- 政策の具体的内容は各国の経済発展度、制度的基盤、文化・社会的規範によって異なる可能性があるが、上記は共通して重要。
- 女性労働参加率の向上だけでなく、賃金格差、役職者に占める男女比率、有償の雇用機会の改善といった男女平等の他側面にも注力する必要がある。
- 景気循環、高齢化、デジタル化の進行が今後の女性労働参加の持続に対するリスクとなる可能性がある。

*出典: アンガナ・バナージ、アルブ・ヨンバラジ、サンディル・フラチュワヨ、アン・バン・レ「アジアの働く女性たち」, Finance & Development, 2018年9月号 (PDF: banerji).*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2018/september/jp/banerji.pdf_
