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### 概要
- 自然災害の規模と頻度が増加する中、災害多発国が災害強靭性（レジリエンス）への投資を強化している。
- 国際機関（アフリカ開発銀行、国際通貨基金（IMF）、世界銀行など）は、事後救済よりも事前の強靭性投資を推奨している。

### 事例と取り組み
- バハマ：ハリケーン「ドリアン」後に沿岸部強靭化計画を作成。海岸林、マングローブ、岩礁、海草への投資が護岸や防波堤に比べ低コストで効果的。
- マラウイ、モザンビーク、ジンバブエ：熱帯サイクロン「イダイ」「ケネス」による大規模洪水後、道路・鉄道・港湾の「より良い復興（ビルド・バック・ベター）」、農業生産復旧、国土強靭化を推進。
- マラウイ：災害管理予防局が災害リスク管理プログラムの実施を調整・指揮。携帯電話を通じた早期警報や農業・融資情報の提供がレジリエンス構築で重要。
- アフリカ開発銀行：熱帯サイクロン被災の3か国向けに4年間で1億ドルの補助金プログラムを承認。農業の灌漑・畜産改善、道路・配電網・上水道・下水設備の強化、早期警報システムや組織・コミュニティの災害対応能力の拡充を含む。
- ドミニカ（人口74,000人）：2015年と2017年の被害はそれぞれ同国GDP相当、GDPの2倍。IMFは2030年までのインフラ強靭化に総額2億ドルの資金援助が必要と試算。
- ジャマイカ：300年近い記録の中で多数のハリケーン被害。財政面のレジリエンスとして、緊急時対応基金約20億ジャマイカドル（米ドルで1,500万ドル）を積み立て、米州開発銀行からの2億8,500万ドルの信用枠を準備。リスク移転メカニズム（カリブ海諸国災害リスク保険ファシリティ、キャットボンド等）を採用。

### 被害規模と経済的影響（主要数値）
- 2019年3月の熱帯サイクロン「イダイ」とその1か月後の「ケネス」により、被害総額は40億ドル。
- これらのサイクロンにより約300万人が家を失い、80万ヘクタール以上の土地で作物が流された。
- IMFの研究（2004年ハリケーン「アイバン」）：グレナダ被害額は同国GDPの148%。
- 2017年ハリケーン「マリア」：ドミニカ被害額は同国GDPの260%。
- 研究で特定された最も災害が起こりやすい34か国の大半は太平洋やカリブ海の小国または低所得国。上位にはマーシャル諸島、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、ツバル、ミクロネシア、セントルシアが含まれる。
- 災害被害が国のGDPの50%に及ぶことがあるとの示唆。
- 災害多発国の成長率は非災害多発国に比べて毎年、平均で1%低いという研究結果。
- カリブ海諸国でのIMFの取り組みでは、構造的レジリエンスへの投資によって潜在成長率が3%から11%向上し、1年あたりの成長ボーナスは0.1%から0.4%となる可能性。

### コストと資金需要
- 国連環境計画（UNEP）の試算：発展途上国における気候変動への適応コストは、各国それぞれ2030年までに560億ドルから3,000億ドルとなる可能性があり、これは現在の資金供給可能額の2倍から3倍。
- IMFエコノミストらの研究：災害強靭性への投資は災害発生後の介入コストを半減しうる可能性。強靭インフラ構築のための追加費用を援助で賄えば、自然災害による福利の損失をなくすために支出すべき金額は、災害発生後の介入コストの半分にも満たないだろうと示唆。

### IMFの方針と勧告（3本柱アプローチ）
- 総論：財政持続可能性と矛盾しない形で、災害強靭性を強化する三本柱のアプローチを推奨。多くの支援は国際社会による資金協力を得つつ進める必要がある。
- 第1の柱（構造的適応）
  - 道路、橋、通信、上水道、衛生設備の強化などの構造的適応。
- 第2の柱（回復力と社会的災害対応力）
  - 緊急時対応計画と関連投資により、公的サービスの断絶を最小限にし効率的な災害対応を確保。例：モザンビークの住民登録作成、頑丈な学校校舎への投資（避難所として機能）。
- 第3の柱（災害発生前の財政強靭化）
  - 災害前に財政面から強靭化（緊急時対応基金、スタンドバイ融資、リスク移転メカニズムの整備等）。例：ジャマイカの緊急時対応基金約20億ジャマイカドル（米ドルで1,500万ドル）、米州開発銀行からの2億8,500万ドルの信用枠。

### 研究上の重要な示唆
- 災害多発国が自己資金で高額な適応コストを賄った場合、利益はわずかとなる可能性があるため、国際援助が極めて重要。
- 災害の頻度・規模の増加は、成長率格差を拡大させ、経済停滞と歳入減を通じて災害多発国の公的債務を著しく高める恐れがある。
- 災害は貧しく脆弱な世帯に最も大きな影響を与え、気候変動は既存の格差をさらに拡大する一因となる。

*出典：simison*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2019/december/jp/simison.pdf_
