## ギリシャ徴税当局のトップが納税コンプライアンスの向上に乗り出す

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### 概要
- 観光はギリシャ経済に重要で、今年も昨年並みだとすると約3,000万人の観光客が訪れ、160億ユーロを消費する見込み。
- ギリシャは高い付加価値税率（24%）と脱税問題に直面しており、観光客向けの現金取引からも税を確実に徴収するための施策が展開されている。
- 独立歳入庁（IAPR）長官ゲオルギオス・ピツィリスが、領収書発行の徹底とカード決済普及を軸に徴税強化を推進。

### 背景と課題
- 2009年に財政赤字が対GDP比15%超に急拡大した経緯。
- 危機前の構造:
  - 地下経済はGDPの27%に相当すると推定され、欧州で最も高い水準。
  - IMFの調査では、自営業者のうち約75%の申告所得が課税最低限未満と推定。
- 制度的問題:
  - 徴税制度は旧式で政治的干渉に脆弱、汚職が蔓延、租税法改正が頻繁、税務紛争に時間がかかる。
- 危機中の対応:
  - 2010年に財政赤字削減を約束。2015年に銀行システム崩壊防止のため資本規制を導入（ATMからの現金引き出し額に1日当たりの上限を設ける措置を含む）。
- 財政回復の重要性:
  - 税率引下げ、社会的セーフティネット強化と公共投資拡大の財源確保には納税義務の遵守が重要。
  - 「GDPを25%減少させ2,890億ユーロに上る国際的な金融支援を必要とした8年間の経済危機からの復興」を支えるための徴税強化の必要性。

### 改革と施策
- 組織改革:
  - 徴税強化に向け「独立歳入庁（IAPR）」を創設し、歳入行政を政治から分離。2017年1月1日に開庁。
  - 税関の機動部隊、新中央機関下での上陸・海上監視を設置中。大企業・中小企業・富裕層向けの特別ユニット設置。
- 現場施策:
  - 観光客向け広報キャンペーン「アポディクシ・プリーズ（領収書ください）」を実施。
  - POS端末普及を促進し、領収書発行とカード決済の徹底を推進。
  - 不正に領収書を出さないレストラン等への監査・調査や閉店措置を示唆。
  - 1,000ユーロが当たる宝くじを実施し、カード利用を促すインセンティブを導入。
  - 監視ドローンを使用した立ち入り監査・調査を実施（サントリーニ島での例）。
  - 税務職員の銀行口座など第三者情報へのアクセス改善と紛争解決制度の迅速化。
- 運用実績:
  - この夏、調査官らは50,500件の立ち入り監査・調査を展開する計画。

### 結果・統計
- POS端末と電子決済の拡大:
  - カードリンク社によれば、端末数は2018年12月までの2年間で2倍以上に増え約70万台に到達。
  - 取引額は190億ユーロから315億ユーロに増加。
  - 欧州委員会の報告では、2018年に電子決済の総額は24%増加して310億ユーロに達したとされる。
  - 付加価値税は歳入の3分の1を占めるに至った。
  - IOBEの調査に基づけば、2017年の付加価値税収増加分のうち少なくとも半分は電子決済の貢献。
- マクロ財政への影響:
  - 2010年には対GDP比11.2%の財政赤字であったが、昨年は同1.1%の黒字を計上。
- 余地の指摘・推計:
  - IOBEによれば、2017年の民間消費に占めるカード利用はEU平均を14.8ポイント下回る。EU平均に達すれば、年間の付加価値税収は21%、つまり今よりも33億ユーロ増えると見積もられている。
- 稼働状況の懸念:
  - カードリンク社の代表は、2017年と2018年に新たに設置された端末のうち4分の1が稼働していないと述べている。

### 制約とリスク
- 行動様式の差異:
  - 若者・都市居住者と比べ、高齢者・地方居住者は現金を好む傾向が強い。
  - 自営業者は現金で支払う客に割引を提案するなどの慣行が残りやすい（診察室や弁護士事務所など人目のない場で行われやすい）。
- 労働構造上の問題:
  - ユーロスタットによれば、ギリシャでは自営業者が労働人口のほぼ30%を占め、これはEU平均の2倍に相当。
  - その結果、税負担は主に課税しやすいサラリーマンや年金受給者に偏る傾向。
- 政治的・制度的リスク:
  - 資本規制や現金引き出し制限の緩和が進むと、電子決済の伸びが鈍化し税務コンプライアンスに悪影響を及ぼす懸念。

### 態度変化とメッセージ
- 政策主張:
  - ピツィリスは市民一人ひとりの行動変容（現金払いと引き換えの割引を拒むなど）が成功の鍵であると強調。
  - 「そのような持ちかけは我々や子どもたちの未来、そして年金に害を及ぼす」「最後には全員にツケが回ってくる」というメッセージを発信。
- 政治動向:
  - 7月の選挙でキリアコス・ミツォタキス新首相が勝利。首相は固定資産税と法人税の減税を発表し、電子決済・電子請求・電子帳簿保存の義務化が課税ベース拡大につながるとの見解を示す。

*出典: マリア・ペトラキス*

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