## 既存のメカニズムを徐々に変えていく試みは失敗した―根本的な仕切り直しが求められる

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### パンデミックの現状と影響
- 新型コロナウイルスはパンデミック時代の到来を告げる前触れであり、デルタ株が最後の変異株となるとは限らない。  
- 世界各地でワクチン未接種層が多く残存しているため、さらなる変異による新たな感染波のリスクが高い。  
- 公式データでの死者数は500万人超だが、信頼できる非公式推定ではその数倍になる可能性がある。  
- IMFは、2025年までに世界GDPが大幅な累積損失を計上し、発展途上国が特に大きな影響を受けると予測している。  
- 教育や貧困撲滅、住民の包摂的発展が大きく後退している。

### 支援から戦略的な投資へ（主要提言と資金必要量）
- パンデミック対策は「援助」ではなく、すべての国に有益な国際公共財への戦略的投資と位置づける必要がある。  
- G20のハイレベル独立パネル（HLIP）は、国際公共財に毎年最低でも150億ドルの追加的国際投資が必要と試算している。  
- 多くの発展途上国では、今後5年にわたりGDPの1%に相当する追加支出が求められる。  
- 富裕国は、余剰ワクチン寄付とともに、ワクチン接種・検査キット・医療用品供給のための230億ドルの不足を補填する無償資金を提供すべきである。  
- 新しい多国間資金機構への拠出は、全ての国で予め合意された拠出額に基づき行われるべきで、拠出額は多くの国にとってGDPのわずか0.02%、年間政府予算の0.1%未満となる。

### 世界の供給能力（開発・製造・供給エコシステム）
- ワクチンや必需品供給の加速には、世界各地に分散された開発・製造・供給のエコシステムが必要である。  
- 平常時に稼働し、パンデミック初期に迅速対応できる大規模な供給能力への投資は民間単独では進まないため、大規模な官民投資イニシアティブが必要。  
- 米国のBARDA、欧州のHERA、アフリカ・ワクチンアライアンスなどの地域機関とWHOや世界的保健機関が緊密に連携し、民間と協働するネットワークの構築が提唱される。  
- パンデミック下でもサプライチェーンの開放を維持し、輸出制限や貿易のボトルネックに迅速に対処するための明確な世界的規則が必要。

### 多国間資金調達とガバナンスの再構築
- 現行の世界的健康安全保障システムは細分化しすぎ、二国間援助に過度に依存し、資金が危険なほど不足しているため、早急な修復が必要。  
- WHOの財政基盤を強化し、WHOの改革と強化を世界的パンデミック安全保障の中心に据えるべきである。WHOは感染監視と各国の中核能力不足の特定で主導的役割を果たす。  
- 新しい多国間資金調達メカニズムは現場で実施する機関ではなく、既存機関やネットワークに資金を提供し、システム全体の資金配分の優先順位付けと見直しを行うインテグレーターとして機能すべきである。  
- HLIPは、世界の健康安全保障のための資金調達に関し年間100億ドル以上の拠出を目指す多国間資金調達メカニズムを提案している。新機構は世界銀行内に設置される金融仲介基金の形が現実的と考えられている。  
- 新しい資金拠出方式はIDAに対する定期的な新規資金提供と同様に、すべての国による合意拠出額に基づくべきである。  
- ガバナンス面では、保健大臣と財務大臣が参加する包摂的なG20プラスの理事会を設置し、WHO、世界銀行、IMF、WTOをメンバーに含めることが提案される。理事会はWHOがホストする常設の独立事務局により支援されるべきである。  
- 出資者は、国際金融機関が無償資金や資金補充を機動的に行い、パンデミック下でより早く簡素な条件で資金を拠出できるようにする責務を負う。  
- 多国間開発銀行については、トリプルA格付けを維持しつつレバレッジを高めるための新しい自己資本の枠組みを出資者が支援すべきであり、これはG20賢人グループが過去に勧告している。

### 行動の緊急性と実務上のタイムライン
- 多国間主義の見直しは急務であり、行動を起こすための時間は限られている。最富裕国がパンデミックの最悪期を脱すると勢いが弱まるという過去の教訓がある。  
- 発展途上地域の国際制度への不信感を払拭するためにも迅速な行動が必要である。  
- 2021年10月31日にG20首脳らにより立ち上げられた「財務・保健合同タスクフォース」は、新たな多国間資金調達メカニズムと理事会設立に向けた第一歩として、見解の相違を解消し2022年初頭までにコンセンサスを目指すべきである。

*出典: okonjo-tharman-summers (PDF)*

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