## ロヒニ・パンデ（イエール大学）

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### 背景と転機
- 生い立ち：インドの特権階級に生まれる。オクスフォード留学の経験をきっかけに公平性への関心を深める。
- 重要な年次・経歴：
  - 1990年：インド政府が下位カーストのために政府職員採用枠を設ける発表があり、当時の学生運動と対比される経験を持つ。
  - オクスフォード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学ぶ。
  - 13年間：ハーバード大学ケネディスクールでシニアプロフェッサーを務める（在職期間）。
  - 2018年：キャロライン・ショー・ベル賞を授与される。
  - 2019年：イエール大学ヘンリー・J・ハインツ2世経済学教授兼経済成長センターのディレクターに就任。
- 人物像：現在49歳。アメリカ経済学会によれば「同世代の開発経済学者のなかで最も影響力のある人物の1人」。

### 政治経済学（代表性と再分配）
- 博士論文テーマ：政治におけるマイノリティの代表性を促進するインドの取り組み（「政治的留保」制度）。
- 主な発見：
  - 「政治的留保」によって、州レベルで社会的に不利な立場に置かれていた集団への再分配が増加した。
  - 政治的代表性と政策への影響力が直接結びついていることを示した。
- 主張の要点：
  - 貧困削減の鍵は直接援助より「有効な民主制度の確立」にあり、社会的弱者が再分配を推進する政治家を選出できることが重要。
  - 民主主義の機能化には「数年おきに誰もが投票できる制度」だけでは不十分で、国民への情報伝達と民主制度を不正から守ることが最重要。

### 金融制度と開発（通説への挑戦）
- 2005年の農村部銀行に関する論文（共著：ロビン・バージェス）での発見：
  - 当時の通説（公的資金に支えられた農村銀行は収益性が低く、開発支援として好ましくない）に異を唱えた。
  - 農村部の銀行は必ずしも収益を目的とせず、貧困世帯にサービスを提供し、貧困削減を目的としており、インドでは本来の目標を達成していた。
- マイクロファイナンス研究：
  - 返済を頻繁に求めるべきだという通説に異を唱え、返済期間をより柔軟にすることによる利点（取引コスト低下、借り手の金銭的ストレス緩和、事業投資増加）を示した。

### ジェンダー政治学と女性の労働参加
- 制度変化の実験（共著：エステル・デュフロ、ペティア・トパロバ等）：
  - 1993年の憲法改正により、地方政府の議席について3分の1を女性に割り当てる規定が導入され、地方リーダーにおける女性の割合は1992年の5%から2005年の40%へ上昇。
  - 無作為に選んだ495の村落で意識調査を実施（調査対象：約7000世帯の成人男性1人、成人女性1人、11～15歳の青少年全員をインタビュー）。
- 主な発見：
  - 女性リーダーが増えるほど、人々は女性リーダーを有能と認識するようになった。
  - 女性リーダーの存在は、両親の娘に対する期待や少女たちの志を高めた（長期的な考え方の変化）。
  - 労働市場における若い女性の機会変化を示す証拠は、この調査では見つからなかった。
  - 「1億人近いインドの女性が、仕事がオファーされたら受けると言っている」ことは、就業を望む女性が多いことを示唆。
- 政策的示唆：
  - 女性の就業を阻害する社会規範を覆す方法として、女性に稼いだお金を管理させることが有効な一手。
  - 銀行口座開設に加え「金融教育」が必要である。研究（共著：シモーヌ・シェイナー）では、基本的な金融スキル・トレーニングを実施した上で個人口座を開設させると、政府のワークフェアのプログラムや民間の労働市場への参加率が高まると報告。
  - ピアネットワークの重要性を強調：コミュニティの中で学ぶ相手や依拠できる人がいることが、就労に対する認識変化を促す可能性。

### 汚職研究と気候変動政策への応用
- 汚職研究（共著：ベンジャミン・オルケン）：
  - 「貧しい国は汚職を許容する傾向が高い」という通説に異を唱え、「豊かな国でも貧しい国でも汚職をしようとする人は同じように存在し、違いは制度にある」と主張。
  - 透明性向上と統制メカニズムの強化を訴える。
- 気候問題への取り組み：
  - 汚職研究から派生して、汚染物質の排出者と規制当局の利益相反を解決し、情報の質を高める政策設計を追求。
  - 提言の一つ：排出者に監査人を選ばせる慣行をやめ、無作為に監査人を割り当て、対価を一定の固定額とすることで汚職を減少させる。
  - 代償的リスクも指摘（無作為割当によって得られない定性的で貴重な情報がある可能性）。
- 排出削減の試算と政策実装：
  - 継続的モニタリングの方法を刷新し、工場の汚染物質の排出量を完璧に把握できるようになれば、排出削減の総量は30%増加する見込み。
  - 2019年：グジャラート州で世界初の粒子状物質排出量取引システム開設を後押し（ハーバード大学のエビデンス・フォー・ポリシーデザインを通じて）。

### 教育・制度設計・メンター活動
- メンターとしての姿勢：
  - 若手研究者を含む全員を著者として記載するなど、広い包摂性を重視。
  - 女性が居心地悪くならない学術環境をつくるため、ステレオタイプの打破、多様な視点の受容、求職者審査方法の標準化、女性ロールモデルの可視化など制度設計を提言・実践。
  - 連続講義では必ず講師に女性を1名以上含めるよう働きかけ、ジェンダーバランスが不十分なカンファレンスにはボイコットで圧力をかけた事例もある。
  - 経済学部の正面玄関に掲げられた白人男性教授の肖像画を取り外すよう大学側に働きかけた学生たちへの支援経験あり。
- 新たな組織：
  - 「インクルージョン・エコノミクス」を設立（イエール大学拠点、ロヒニ・パンデとチャリティ・トロイヤー・ムーアがリーダー）。データドリブンな手法で「どうすれば貧困層が影響力を高め、成長から応分の恩恵を享受できるか」を模索。
- パンデの総括的懸念と問い：
  - 「格差拡大と、民主制度を筆頭とする制度の弱体化の悪循環が生じており、今後それは地球環境によって成長が制約されるなかで悪化するでしょう」
  - 中心的問題：「どのように制度を改革すれば、この悪循環を逆転させ、制度の改善と格差縮小の好循環を生み出せるか」。

*出典：F&D（2021年6月号）記事（ロヒニ・パンデ紹介）*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2021/june/jp/pie.pdf_
