## prasad-jpn

## Source details

**Canonical URL:** [prasad-jpn](https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2022/june/ja/prasad-jpn.pdf)

## Other formats

- [Markdown version](/-/media/files/publications/fandd/article/2022/june/ja/prasad-jpn.pdf.md)
- [Structured JSON version](/-/media/files/publications/fandd/article/2022/june/ja/prasad-jpn.pdf.json)

---

### ドルの優位性の現状
- ドルは準備通貨、決済手段、債務や契約の表示通貨としてグローバル金融において最も重要な役割を果たしている。
- 世界の中央銀行は外貨準備の約60%近くをドル建て資産に投資している。
- 石油を含むコモディティ契約のほぼすべてで価格設定と決済がドル建てで行われている。
- 国際金融取引の大半はドルで表示され決済されている。
- ドル優位性の帰結として、米国は制裁を通じてグローバル金融へのアクセスを制限する力を有し、米国の財政・金融政策が世界経済に影響を及ぼす。

### 起こりつつある変化
- 米国の経済的相対的重要性は低下：市場為替レートベースでの世界GDPに占める米国の割合は2000年の30%から現在では約25%に縮小している。
- 世界のGDPおよび貿易に占める経済力の中心は、中国を筆頭とする新興市場国へ移行している。
- 新技術（暗号通貨や決済技術）はクロスボーダー決済の時間とコストを低減し、ほぼ即時の支払い・決済を可能にしている。
- 中央銀行も中央銀行デジタル通貨（CBDC）や新決済インフラで協力・実験を進めており、中国・香港・タイ・アラブ首長国連邦などが協力事例として挙げられる。
- 決済の迅速化・摩擦低減により為替レートボラティリティ由来のリスクが低下し、輸出入業者のヘッジ需要が減少する可能性がある。

### デジタル通貨と人民元の役割
- デジタル人民元（CBDC）の世界的利用が進めば人民元の重要性は高まる可能性があるが、デジタル人民元単独で主要通貨間の勢力均衡を変えることはない。
- 中国の人民元クロスボーダー決済システム（CIPS）が人民元の国際決済通貨としての役割を強化する可能性がある。
- 人民元は重要性を高めつつあるが、国際的に信頼される準備通貨として必要な重要な特性（資本移動の自由化、通貨の完全な市場化、外国人投資家のアクセス拡大、独立した中央銀行や法の支配など）を依然として欠いている。
- 指標としては、国際決済取引の約3%が人民元であり、世界の外貨準備の約3%が人民元で保有されている。

### 新技術の「功罪相半ば」の影響
- ポジティブ面：
  - 新興市場・発展途上国の企業や世帯の国際金融市場へのアクセスが改善される。
  - 国際決済の摩擦低減により、企業の世界的資本プールへのアクセスと世帯の国際的ポートフォリオ多様化が容易になり得る。
- ネガティブ面：
  - 国境を越える資金移動経路の増加は、新興国の中央銀行政策や投資家の変動に対する脆弱性を高める。
  - 資本規制の有効性が低下し、通貨急落時に暗号通貨が資本逃避手段となるなど金融安定上のリスクが増加する可能性がある。
  - 結果として新興市場は外貨準備を拡大することで自国を守ろうとするが、制裁等で外貨準備が利用できなくなるリスクも示された。

### 代替準備資産の限界と安全資産需要
- 金は市場流動性が不十分であり、大量売却が短期で実行可能な実用的代替とはならない可能性が高い。
- ビットコインなどの暗号通貨は価値の不安定さが問題である。
- 人民元建て準備の有用性も、人民元が完全に兌換可能でないため限界がある。
- 当面は、流動的かつ大量入手可能で信頼できる金融システムを裏付けとする「安全な資産」への需要が強く、供給は限られているためドルが引き続き優位な供給者であり続ける。

### 小規模発展途上国への影響（「無実の第三者」）
- 中央銀行や通貨の信頼性が乏しい国では、ステーブルコインや主要国が発行するCBDCが自国通貨に取って代わる可能性がある。
- ステーブルコインは通常米ドルに裏付けられており、経済混乱期には現地通貨より好まれる場合がある。
- デジタル技術は通貨競争を激化させるが、逆に一部通貨の集中化と影響力増大をもたらし得るため、変化はドルの優位性を弱めるより強化する可能性が高い。

### ドルの罠と結論
- 外国人投資家は約8兆ドルの米国債を保有している。
- 世界に対する米国の金融債務は全体で53兆ドルに上る。
- 米国投資家は約35兆ドルの対外資産を保有しており、これらはほぼすべて外貨建てである。
- ドルが急落すれば、米国は対外純債務国であるにもかかわらずドル安の恩恵（棚ぼた利益）を受け、世界は大きな損失を被る可能性がある。このため、たとえ批判的であっても多くはドル価値の急落を恐れ、「ドルの罠」にとどまる見込みが高い。
- 総括：支配的な準備通貨としてのドルの役割は存続する可能性が高い。新技術と地政学的動向によってもドルは現状から引きずり下ろされるより、その立場が固められる可能性が大きい。人民元や他通貨の相対的重要性は見直されるだろうが、深刻な脅威となるには中国側の制度的・市場志向改革が不可欠である。

*出典: prasad-jpn*

---


_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2022/june/ja/prasad-jpn.pdf_
