## 価格安定、持続可能な債務

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**Canonical URL:** [価格安定、持続可能な債務](https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2022/march/ja/reis-jp.pdf)

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### 公的債務の現状と懸念
- 21世紀に公的債務は過去最高水準に達した。先進国と新興市場国のほとんどが同様の経験をしている。
- 公的債務は2000年以降継続的に増加し、2008年の金融危機後に急増、さらに2020年のパンデミック初期に大幅に増加した。
- 米国の公的債務はGDPの130%にあたる30兆ドルであり、1791年に記録が始まって以来の最高額である。
- 多数の国で、過去に戦争や自然災害、ソブリン債務を乗り切るために行った借り入れと比べても、現在の借入規模は前例がない水準にある。
- 長期にわたる低インフレと低金利は、利払い負担を相対的に抑え、債務の累積を可能にしてきたが、2021–22年の急激なインフレ上昇がこの「黄金時代」を脅かしている。

### 公的債務の「特殊性」
- 政府が公的債務を持続させる主な伝統的経路は将来の一次黒字（増税や支出削減）であるが、21世紀以降ほぼ全ての先進国で黒字縮小か赤字継続が見られる。
- 近年は別の維持メカニズムが働いた：政府は投資家から、投資家が将来の価値を割り引く際に用いる率（民間の機会費用）よりも低い利率で借り入れることができた。
- この利率差は政府の「債務収入」を意味し、政府が民間資本に投資することで得られる利益に相当するか、貸し手の機会費用の差が借り手である政府の利益となる。
- 債務の「特殊性」は、安全性や流動性など公債が提供する優位性に依存する。先進国（特に米国）は新興市場よりも低い金利で借りられ、評判と制度を通じて債務収入を最大化してきた。
- 各国の金利は世界的均衡利率「Rスター」に結びついており、過去20年以上Rスターは低下し続けている（人口高齢化、生産性低下、格差と金融リスク拡大による家計貯蓄増・企業投資減が要因）。

### 5つの持続性施策（中央銀行・金融政策が債務収入に寄与してきた方法）
- 第一：インフレを用いて政府が支払うべき額の実価を下げる誘惑（公債の貨幣化）。過去20年は中央銀行の独立性によりこれが排除され、公債はインフレリスクから守られてきたが、非常事態後に財務省が中央銀行の役割を引き継ぐ例がある。
- 第二：「不注意資本」（inattention capital）：中央銀行が長年インフレ率を約2%に維持したため、家計・企業は価格変動に注意を払わない習慣がついた。だが2021–22年のインフレ上昇はこの不注意にショックを与え、将来インフレ上昇の期待が高まれば国債金利が上昇する恐れがある。
- 第三：高インフレ時に債権者がインフレ変動リスクを補うための追加補填を求める点。価格安定はインフレリスクを排除し、政府の債務収入を最大化してきた。インフレ率と国債金利の変動は財務省の利払いを変動させ、バッファーがなければ増税や支出削減へつながる可能性がある。
- 第四：マクロプルーデンス政策により国債需要が上昇した点。金融機関に安全で流動性の高い資産（国債）を保有させたことで国債が担保として重要になり需要が高まった。これにより将来の大規模救済の可能性が低下し、債務の持続に寄与したが、財政危機が主要リスクになればマクロプルーデンスは金融抑圧と紙一重になり得るリスクがある。
- 第五：量的緩和により中央銀行が民間から長期国債を引き取り、オーバーナイト物と交換してきたこと。長期金利と短期金利の差が小さい中で中央銀行は国債から利益を得てきたが、インフレに対応して短期金利を大幅に引き上げれば中央銀行は損失を出す可能性がある。損失の処理は通貨発行（高インフレ誘発）や財務省による資本補填（政府赤字拡大）を通じて行われ得る。量的緩和の結果、民間が保有する公債の満期は短くなっている。

### 価格安定の重要性（議論と結論）
- 価格の安定は、公的債務をインフレリスクから守り、インフレ期待を安定させ、インフレ関連のリスクプレミアムを排除することで債務収入を最大化する。
- 一見すると、高い公的債務水準下でインフレは債務軽減に役立つように見えるが、その利益は「予想されていないインフレ」の場合に限られる。
- 債権者がインフレを予想し始めると、前記の5つのメカニズムにより、金融政策は価格安定を優先しなければならなくなる。予想外のインフレに一時的に依存する持続は大きなリスクがあり信頼できない。
- したがって、政府が高い公的債務を持続的に回避的に維持できる条件は、中央銀行の独立性の確保とインフレ目標達成に向けた政府と中央銀行の強力なコミットメントである。
- 予想外のインフレは長続きしないが、今日の高水準の公的債務を持続させることは今後長期にわたる責務である。

*出典: リカルド・レイス — ファイナンス＆ディベロップメント 2022年3月*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2022/march/ja/reis-jp.pdf_
