## 交差する道筋

## Source details

**Canonical URL:** [交差する道筋](https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2023/june/japanese/freund.pdf)

## Other formats

- [Markdown version](/-/media/files/publications/fandd/article/2023/june/japanese/freund.pdf.md)
- [Structured JSON version](/-/media/files/publications/fandd/article/2023/june/japanese/freund.pdf.json)

---

### 技術と貿易の相互作用
- 技術革新は「仕事量を減らしてくれる一方で、仕事を奪われる恐怖も深まる」として、成長と同時にリスクを伴う。
- 国際貿易は、技術革新よりも利益が見えにくく、貿易で打撃を受けた国内労働者は自分たちの損失を国外労働者の利益に直接結びつける。
- 技術革新と国際貿易の組み合わせは、イノベーション、技術導入、経済成長を加速する一方、国内および国家間での二極分化を招く。
- 地政学は技術覇権争いを通じて技術拡散の経路を変えうる。国際通商は革新的技術の普及の重要なパイプ役であるが、トレード・シークレットを国外にさらすリスクがある。
- 政治的選択は、保護貿易への圧力と、社会的セーフティネット拡充という選択肢の間で左右される。著者は「素早く行動し従来のあり方を破壊せよ」というイノベーターの目標と、既存組織を保護して投資家に予測可能性を維持する政策当局者の役割との緊張を指摘する。

### 技術・貿易・経済開発のメカニズムと影響
- 新製品（電気自動車など）、新製法（自動化や3Dプリント技術など）、新たな輸送方式（コンテナリゼーション、インターネット経由の即時データ伝送など）は貿易と経済開発に大きな影響を与える。
- 新技術の導入により、旧来の製品製造者が退出する一方で、新製品の需要拡大により貿易全体が増加する傾向がある。
- 自動化による規模の経済効果は通常、輸入部品の需要を増加させる。例として、自動車生産では先進国のロボット化進展と同時に、低所得国からの部品や装置の輸入が増加している。
- 電気通信の技術革新（インターネット）は、企業が遠隔の新たなサプライヤーやビジネスパートナーを見つけることを可能にし、デジタルサービスにおける貿易の新分野を開拓した。
- 貿易はより大きな市場と激しい競争を生み、フロンティア企業が利益を拡大して研究開発投資を増やすことで革新を誘発する。
- 全体的な結論として、技術と貿易は生産性向上と貿易拡大を通じて経済開発に対して「前向きな」影響をもたらす一方、勝者と敗者が生じ、特定産業の凋落や市場から締め出された国の停滞という負の側面も伴う。

### 貿易制限・国家介入の影響
- 歴史的には、1970年代および1980年代に日本の技術進歩（自動車や半導体）が米国に輸入規制と輸出促進という貿易管理を余儀なくさせた例がある。
- 最近は、希少原料、製品の生産設備、ハイテク製品自体への輸出規制が、外国の技術進歩を遅延させる強力な手段となっている。こうした介入は貿易と技術伝達を滞らせ、世界的な経済成長と技術革新を意図的に抑制する。
- ハイテク製品の輸出減少は、利益成長率の低下とハイテク産業の研究開発投資の減少を招く。
- 新たな貿易制限は、環境関連商品やグリーンイノベーションに対してとくに不利。世界規模で技術が拡散し製品価格が急速に低下すれば、再生可能エネルギーへの転換は加速するとの指摘がある。

### 政策的対応と推奨
- 貿易や技術進歩によって置き去りにされた人々を支援するためには、社会的セーフティネットの拡充が必要である。
- 著者が提示する主要な政策処方：
  - 貿易と技術革新を促進し、その収益を改革で打撃を受けた人や組織の支援に回すこと。
  - 失業保険と再訓練プログラムは、自由で開放的な貿易を実現するために必要不可欠である。
- 安全保障上のリスクに対処しつつ貿易と技術を活用することが今後の大きな課題である。パンデミック、自然災害、気候変動への対応において、技術革新とそれを共有する国際貿易・協力は最重要の手段であるが、安全保障上のリスクを伴う。

### 地政学的分断と実例
- 新型コロナウイルスのワクチンが記録的速さで開発・提供されたのは国際協力と連携の成果である。
- 半導体は主に米国で設計され、ほとんどがアジアで生産されている。電気自動車のバッテリー製造には、コバルト、リチウム、ニッケルといった鉱物がアフリカや南米を主要原産地として不可欠である。
- 米国と中国の間の関税や輸出規制は、世界経済の主要けん引役である両国の成長を鈍化させ、世界の技術革新を妨げている。
- 行き過ぎた保護政策のリスク：最先端チップや製造設備への輸出規制により、設計優位を失い安全保障上のリスクが逆に増大する可能性がある。

### 推奨される政策姿勢と警告
- 主要な経済学の教義は依然として有効であり、良好な投資環境、堅固なインフラ、利用可能な財源、事業の参入と拡大を奨励できる国は技術革新の最前線に立ち続ける。
- 開放的な貿易と予測可能な政策によって、資源は最も生産性の高い用途に配分される。中国から一部生産拠点が移転する中で、こうした政策を堅持する国が恩恵を受ける可能性がある。
- 過度の国家介入や保護貿易主義、産業政策へ傾くことの最大の危険は、それが国から国へ広がりやすく、関税の報復連鎖や補助金競争を招くこと。制御不能な保護貿易と補助金の世界は、国際的な収入向上や差し迫った課題の解決を大きく後退させる。
- 過去30年にわたる中国の著しい経済成長は民間産業を活性化する改革によって促進された点を挙げ、予測可能性、ルールに基づいたシステム、貿易の開放性、資本へのアクセスを保持することが重要であるとする。

*キャロライン・フロイント（カリフォルニア大学サンディエゴ校グローバル政策・戦略学部長）*

---


_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fandd/article/2023/june/japanese/freund.pdf_
