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### 気候変動の脅威と対応の必要性
- 地球温暖化は海面上昇や沿岸洪水、より頻発する極端な気象事象、食糧供給の途絶などを通じて、世界中の人々の生活水準を脅かしている。
- 二酸化炭素（CO2）排出がこの憂慮すべき傾向の主要因であり、財政政策の果たす役割は大きい。
- パリ協定における各国の約束は、産業革命前からの気温上昇を摂氏2度以下にとどめるという科学者が安全とみなすレベルを達成するには不十分である。
- 政策実行が遅れるほど大気中に蓄積されるCO2は増加し、気温安定化にかかるコストは増大する。

### 気候変動を緩和する財政政策—炭素税の位置づけ
- 本号は、化石燃料からのCO2排出を削減する緩和戦略の中で炭素税が最も強力かつ効率的であると主張する。
- 炭素税は石油精製所、炭鉱、加工工場等の化石燃料供給に対して、炭素の含有量に応じて課される税である。
- 炭素税は企業・個人がエネルギー消費を減らし、よりクリーンな代替エネルギーに切り替える「最小コストの方法」を見出すインセンティブを与える。

### 想定シナリオと主要統計
- 即時導入され2030年にはCO2排出量1トンあたり75ドルとなるよう急ピッチで引き上げられるグローバル炭素税を想定:
  - 各世帯の電気代は今後10年間に累計・平均で45%上昇する。
  - 各世帯のガソリン代は今後10年間に累計・平均で15%上昇する。
  - G20参加国・地域が得られる歳入は2030年に平均でGDPの1.5%となる。
  - G20参加国・地域で1トンあたり75ドルの炭素税を導入するだけで、早逝する人の数が2030年に72万5,000人減ると見積もられている。
- 世界の炭素排出量価格の世界平均は現在1トンあたり2ドルであり、目標達成に必要なレベルには遠い。
- 再生可能エネルギー部門の雇用は2017年に既に1,100万に達している。
- 最も排出量の多い3か国（中国、米国、インド）が参加すれば、3か国間の取決めだけで世界全体の排出量の半分以上を対象にできる可能性がある。

### 歳入の再分配と経済効率
- 炭素税で得られる歳入は次のいずれか、または組合せで再分配可能:
  - 低所得世帯支援
  - 炭坑地域など不釣り合いに大きな悪影響を受ける労働者やコミュニティへのサポート
  - 他の税の減税
  - クリーンエネルギーのインフラやSDGsに向けた投資
  - 財政赤字削減
  - 全人口への均等な配当の支払い
- 例示: カーボンプライシングを全人口への均等な配当と組み合わせると、低所得層に有利な所得再分配になるが、経済的効率は向上しない。
- 中間的アプローチとして、最も貧しい40%の世帯および脆弱な労働者やコミュニティに補償を行い、歳入の残り4分の3を生産的投資や所得減税に充てることが想定される。

### 排出削減手段の代替とその効果
- 炭素税が実行可能でない場合、幅広い経済活動に適用されるなら排出権取引制度も同等の効果を発揮する。
  - 排出権取引制度では排出権が競売または割当の後で売買される。
- 炭素税や排出権取引制度が必要な規模で利用できない場合でも、フィーベート（製品や活動に料金を課したり払戻金を与えたりする仕組み）や排出率・エネルギー効率の基準などの規制により、炭素税を用いた場合のCO2削減機会の3分の2を作り出すことが可能とされる。
- フィーベートや規制はエネルギー消費活動を妨げるものではなく、より環境にやさしいエネルギーへの切り替えを促すが、必要削減を完全に達成するためにはこれらをより積極的に使う必要があり、既存の生産プロセスにより大きな混乱をもたらす可能性がある。
- 最適でないツールを用いる気候緩和は経済的代償を伴うが、地球温暖化の壊滅的影響と比べれば小さなコストである。

### 国際協力、投資シフト、政策安定性
- 排出量が最も多い国々の間で炭素価格下限を取り決めることで、パリ協定プロセスを早期に強化できる可能性がある。
  - この取決めは透明性の高い共通尺度に基づく目標を設定し、エネルギーコスト上昇による国際競争力喪失の不安を和らげる。
  - 低所得国や新興市場国には下限を低めに設定したり、他国との排出量取引を許可したりする柔軟性を持たせることができる。
  - 異なる国内政策（排出権取引制度、フィーベート、規制等）も検証手続きに合意すれば受け入れられる。
- 気温安定化目標達成はエネルギー投資の総額を大幅に増やすことを必ずしも意味しないが、既存の投資を低炭素エネルギー源へシフトすることが至急必要である。
  - 今構築されるインフラが今後数十年の排出量レベルを左右するためである。
- 追加政策として研究開発のインセンティブ、一時的な財政的インセンティブ、グリーン債券市場の整備などが求められる。
- 長期的投資を検討する企業は将来の税や規制に関する政策に確信を持てる必要があり、政策当局は国際社会に向けた約束を含め、可能な限り長期にわたって緩和政策を固定すべきである。

### 財務大臣等に向けた政策勧告（要点）
- 炭素税、または炭素税に準ずる政策に着手すること。
- 補完的な税制措置や財政出動を通じて緩和措置の受け入れやすさを高めること。
- クリーンテクノロジーへの投資に十分な予算を確保すること。
- 各種戦略を国際的に調和させること。

*出典: Fiscal Monitor（要旨）*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fiscal-monitor/2019/october/japanese/execsum.pdf_
