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### 第1章：新型コロナウイルスのパンデミックに対処するための財政政策 — 概観と主要所見
- 新型コロナウイルスのパンデミックとロックダウンに伴う財政措置の総額は、2020年9月11日現在で11.7兆ドル、対世界GDP比で12%近くに上っている。
- 財政措置の内訳：
  - 約半分：追加支出あるいは一時的な減税を含む歳入の逸失。
  - 残り半分：公的部門による融資や保証、資本注入などの流動性支援。
- 効果：人命の保護、脆弱な人々と企業の支援、経済活動への影響緩和に寄与。
- 財政的影響：
  - 2020年に財政赤字は対GDP比で平均9%拡大する見込み。
  - 世界の公的債務は同100%に迫り、過去最高に達すると予測。
  - ベースライン（景気の順調な回復と金利が低く安定的に推移）なら、2021年には世界の公的債務比率は中国と米国を除き概して頭打ちになる見込み。
- 分配上の差異と脆弱性：
  - 先進国と一部の新興市場国では中央銀行による大規模な流動性供給と資産買い入れにより財政拡大が容易に。
  - 多くの新興市場国や低所得途上国（半数以上が過剰債務リスク高いか過剰債務に陥っている）では資金調達上の制約が重大な足かせ。
  - 公的支援は資金ニーズに追いついていない。
- 貧困影響予測：
  - 1人あたり所得の落ち込みを踏まえ、世界で1億～1億1,000万人が極度の貧困に陥ると見込まれ、数十年の貧困削減傾向が反転する可能性。
  - 貧困層を直接支援し景気後退を緩和する追加的社会扶助は、一部の国における支援の限界や能力上の制約に鑑み影響は小さく、貧困層の増加を8,000～9,000万人に抑えられるにすぎない。

### 第1章：政策の効果、トレードオフ、リスク
- 支援手段の短期的効果と長期的トレードオフ：
  - 対象を絞った現金給付：貧困層の生活必需品購入に直接貢献。
  - 失業給付：仕事を失った人々の必需的消費を下支え。
  - 賃金補助：雇用関係維持に資するが、労働市場の再配分を遅らせる可能性。
  - 一時的な納税猶予や減税：流動性を支える一方、恒久化すると政府歳入を犠牲にするリスク。
  - 資本注入：戦略的企業の倒産防止に必要な場合が多いが、産業間再配分を遅らせる可能性。
  - 直接融資・保証付き融資：現時点では利用は多くないが、行政制約、コンディショナリティ、過剰な民間債務を伴う。
- 財政リスクの源泉：
  - パンデミック動向、景気回復の形状、危機の爪痕と資源再配分の度合い、一次産品価格と国際金融環境の見通し、暗黙の保証と明示的保証に伴う偶発債務などの不確実性。
- ガバナンスと透明性の重要性：
  - すべての財政措置において、規模・例外的性質・展開スピードを踏まえた十分な透明性、良い統治（グッド・ガバナンス）、原価計算の確保が極めて重要。

### パンデミックの各フェーズにおける財政政策
- 最優先事項：効果的かつ安価なワクチンや治療法の開発および普遍的アクセスの確保。
- 感染拡大期（広範ロックダウン時）：
  - 人命保護と生活維持のために財政政策を調整し全力で支援。
- ロックダウン緩和期（より選択的再開）：
  - ライフライン支援を早過ぎて引き上げないこと。
  - 社会的保護制度の能力向上と脆弱者への対象を絞った給付の維持。
- 保健リスク低下・持続的回復が見通せる段階：
  - 支援の重点を従業員と企業の関係保護から、労働者の再就職支援、存続可能だが依然脆弱な企業の事業再開支援、パンデミック後の構造転換の下支えへ移行。
- 回復期の政策選択肢は国ごとに異なる：
  - 財政余地がある国かつ危機の爪痕が大きい国：一時的な景気刺激策（公共投資含む）を実施すべき。
  - 財政余地が限られ資金調達が困難な国：累進課税強化や高収益企業への適切な課税を確保しつつ、公共投資と低所得世帯向け給付を保護し、成長に配慮した公平な調整を目指す。

### 長期課題と重点分野
- 貧困と格差対策、将来の感染症流行やその他ショックへの強靭性構築を重視。
- 全ての人が食料等の基本的な財、医療や教育等の基本的サービスにアクセスできることを確保する政策が必要。
- 温室効果ガス排出削減は引き続き長期の中心課題：炭素価格の引上げと低炭素技術への投資促進を求める。

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### 第2章：復興のための公共投資 — 役割、優先分野、実行性
- 文脈：各国政府は当初、保健緊急事態対応と脆弱世帯・企業へのライフライン供給に専念してきたが、今後は安全な経済再開、雇用創出・景気浮揚、強靭で包摂的かつグリーンな経済への転換を支えるための公共投資が必要。
- 優先分野：
  - 医療システムの整備（財源と態勢を強化した質の高い医療）。
  - デジタルインフラの拡充（社会的距離確保、教育・就労機会の格差縮小）。
  - 気候変動と環境保護への対応。
- 公共投資の現状：
  - 公共投資の対GDP比率は新型コロナ危機発生前から低下中で、インフラ成長はニーズに追いついていなかった。
- 実行可能性と条件：
  - 先進国と一部新興市場国：金利が実効下限制約に近く、質の高い公共投資拡大は雇用と景気に強力な影響を与え、民間投資を誘発し、借入コストを上昇させず民間部門の貯蓄超過を吸収できる。
  - 多くの低所得国と一部新興市場国（特に外貨建て借入を行う国）：投資は資金調達環境により大きく制約される。これらの国は人命保護と両立しうる範囲で公共投資を確保し、効率性を高める必要。
  - 世界的な対応の必要性：SDGs達成の遅れを回避するための国際的支援の重要性が増している。
- 迅速な公共投資実行の4ステップ：
  1. 今すぐにメンテナンスに投資する。
  2. 準備や実施が遅れている有望案件の見直しを行い再開する。
  3. 進行中の案件を加速させ今後2年以内に完了する。
  4. 危機後の優先事項に沿う新規案件の計画を直ちに開始する。
- 公共投資管理とガバナンス：
  - 遅延やコスト超過、期待外れ案件は頻発し、投資拡大期に増え得る。
  - ある国で公共投資水準が高まると個別案件のコストが10%上昇する可能性がある。
  - 融資アクセスが容易な国では、質の高い公共投資の借入は効果的戦略となるが、資金調達制約のある国ではハードルがより高い。

### 経済効果の経験的推定
- データ：国別データセットと企業40万社のサンプルに基づく経験的推定。
- 発見：
  - 高い不確実性が見られる時期には、公共投資はGDP成長と雇用に強力な影響を及ぼし得る。
  - 先進国と新興市場国では、財政乗数が2年後に2を上回ってピークに達する。
  - 公共投資を対GDP比1%拡大した場合の雇用効果（先進国・新興市場国の試算）：
    - 直接創出される雇用：700万件。
    - 間接的なマクロ経済効果を含めた合計：2,000万から3,300万件の雇用が創出されると推定。
- 民間投資誘発効果：
  - 通信や運輸（保健危機解決に重要）、建設や製造業（景気回復に重要）で特に大きい。
  - ただし、民間企業の高いレバレッジと流動性制約に対処する補完的政策が必要。

### 公共投資の性質と気候適応
- 医療、社会住宅、デジタル化、環境保護への新たな投資は、より強靭で包摂的な経済基盤を築く。
- 気候変動適応投資の収益率は100%を上回ることが多く、適応のための公的援助は公的資金の有効活用となる。
- 低所得国の適応ニーズに対する公的援助の増額必要性：
  - 現在配分されている100億ドルから2倍以上に増額して約250億ドルとする必要があるだろう。

*国際通貨基金『財政モニター　復興のための政策』 要旨（2020年10月）*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/fiscal-monitor/2020/october/japanese/execsum.pdf_
