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### 金融安定性の現状と主要所見
- 金融安定性は着実に改善している。2016年10月版のGFSR公表時から改善が継続。
- 世界経済見通し（WEO）に基づき、経済活動は活発化し、全般的に緩和基調の金融環境に支えられている。
- 長期金利の上昇により銀行や保険会社の収益が改善。
- 多くの資産価格の上昇は先行き楽観論の高まりを示す。米国株式市場は3月に記録的高値を付けた。
- 同時にリスク・プレミアムとボラティリティは低下している。

### 下振れリスク：政策・政治の不確実性
- 政治的、政策的な不確実性が世界的に高まっており、金融安定性を脅かす新たなリスクとなりつつある。
- 米国での税制改革と規制緩和が期待に反する場合、リスク・プレミアムやボラティリティが高まり金融システムの不安定化を招く恐れ。
- 先進国の保護主義化は世界経済と貿易成長を低下させ、資本移動を抑制し市場センチメントを損なうおそれ。
- 欧州で政治的緊張が高まれば、銀行システムの構造改革遅延と高止まりする債務残高が金融安定性への疑念を再燃させる可能性。
- 現時点で市場はこれらの下方リスクをあまり織り込んでおらず、政策への失望感からリスク・プレミアムが急騰する可能性がある。

### 景気拡大を支える米国企業の体力
- 税制改革と規制緩和が企業のリスクテイク拡大を促すには企業の健全な財務状況が前提。
- 多くの非金融法人企業は投資拡大のためのバランス・シート上の余力を有し、法人税引き下げによるキャッシュフロー改善が投資に繋がる可能性あり。
- 一方で、改革が過大な金融リスクテイクを促し一部の業種では既に高いレバレッジがさらに上昇する恐れ。
- リスク・プレミアムが世界的に急騰するシナリオでは、借入返済能力が特に低い企業の債務残高は4兆ドルに達すると推定され、これは企業債務の四分の一を占める。

### 新興国の脆弱性と国際金融市場のリスク
- 新興国は企業のレバレッジ引き下げと対外的な脆弱性是正を通じ体力を強化してきたが、金融安定性リスクは依然高い。
- 市場センチメントの急変や内向きの保護主義政策拡大で資本流出や成長低下を招き、新興国経済を困難に陥れる恐れあり。
- 世界との金融・貿易の結び付きが強い国ほど、国際金融市場のタイト化と保護貿易の悪影響を受けやすい。
- 企業部門が脆弱な場合、状況悪化は財務上問題のある企業を増加させ、そうした企業の有する債務は1300億ないし2300億ドル増加すると見込まれる。
- 与信拡大の長期化に伴い一部銀行で資産内容の劣化と不良債権引当て不足の問題が生じており、対外金融環境の急タイト化が大きなリスクをもたらす。

### 中国の金融システムの脆弱性
- 中国では与信の急拡大が続き、銀行部門の総資産がGDPの三倍を超えている。
- ノンバンク金融機関による融資も拡大しており、多くの金融機関がホールセール市場での資金調達に過度に依存。
- 大きな資産負債のミスマッチに加え高い流動性リスクと信用リスクを抱えている。
- 短期金融市場の混乱が示すように、中国の金融市場は相互に絡み合い複雑化・肥大化しており脆弱性が続いている。

### 欧州の銀行システム：構造的問題の存在
- 欧州銀行部門は改善が見られるが、銀行の低収益性は構造的要因に根差しており、循環的回復だけでは解消が困難。
- 国内業務に特化した銀行は自国経済の弱さが足かせとなり、2016年でも四分の三近くの銀行で資本利益率は8パーセント未満という低水準。
- 過剰な銀行部門の存在（例：経済規模に対し過大な弱小銀行、特化した多数の銀行）はコスト上昇と営業効率低下を招き、過大な整理が必要な国もある。
- 巨大銀行の収益性低下は欧州全体の競争力低下につながり、低利益・民間資本調達困難・多額の不良債権が相俟って景気回復を阻害しシステミックリスクを再発させる恐れ。

### 政策対応と推奨措置
- 各国は持続的かつ包摂的なより高い成長を目指す政策を追求すべきであり、短期的政治要請に基づく内向き政策は避ける必要がある。
- 米国ではレバレッジ拡大と信用劣化に細心の注意を払い、金融面のリスクテイクが過剰になる兆候に対して規制当局は迅速に予防的対応を取るべきである。
  - 景気刺激策が借入金による投資拡大と企業の脆弱性拡大につながる場合、監督上あるいはマクロプルーデンス政策上の措置を講じるべき。
  - 税制改革によって債務による資金調達のインセンティブが抑制されればレバレッジ拡大リスクは抑えられる可能性がある。
- 欧州では銀行統合、店舗網の縮小、IT投資による中期的効率性改善といった銀行自身の努力が重要。
  - 監督当局は銀行のビジネスモデル検査を重視し、資産評価が十分でない銀行を対象に資産査定に焦点を当てた検査を行うことが一案。
  - 再生見込みがない銀行を整理することで銀行システムにおける過剰に対処すべき。
  - 不良債権の処理と債権回収の迅速化の仕組み構築に注力すべき。
- 新興国では対外ショック耐性を高めるため国内脆弱性に対応すべき。
  - 銀行監督強化、銀行ガバナンス改善、マクロプルーデンス施策の準備を進めるべき。
  - 純外貨ポジションの大きい国や外貨流動性ギャップが大きい国は注意深くモニターすべき。
  - 企業部門と銀行システムの健全化のため脆弱性発見・縮減とリストラのための仕組み充実を図るべき。
  - 中国当局は金融システムのレバレッジ引き下げの必要性を認識し対応を進める一方、小規模銀行の資産急拡大、市場性資金依存度の増加、影の銀行部門の商品が銀行間市場に及ぼす影響を注視すべき。
- 規制緩和を検討する際は注意が必要。国際的に合意したルールの一方的廃止は市場分断化と規制緩和競争を招く恐れがある。
  - 合意された一連の規制改革を完成させることが脆弱性対処と不確実性除去に不可欠。

### 報告書のテーマ別章の要旨
- 第2章：長期にわたる低成長と低金利が銀行・保険・年金のビジネスモデルと金融商品に与える影響を検討。
  - 低金利・低成長シナリオではイールドカーブの平坦化が銀行収益を圧迫し、生命保険会社や確定給付型年金経営へ長期的悪影響。
  - 預金依存度が高く収益源多様化が進んでいない小規模銀行は特に影響が大きく、銀行が（かなり大幅な）マイナスの預金金利を設定できなければ収益は一層悪化する可能性。
  - 人口老齢化・長寿化・生産性停滞に伴う長期低金利は金融仲介の根本的変革を促し得る。先進国銀行は手数料収入に基づくサービスへ傾斜する可能性、確定拠出型年金への移行加速、指数連動型パッシブ投資商品需要の増加等を想定。
  - 規制面では短期的痛み緩和のための緩和要求に屈せず、長期的安定性確保へのインセンティブを提供する健全性規制の枠組み構築に注力すべき。
- 第3章：国際的金融統合が進む中で各国当局が国内金融環境をコントロールできるかを検討。
  - 金融環境指数の分析結果は、グローバルな金融環境が個々の国の国内金融環境の変動の20％ないし40％を説明することを示した。
  - グローバル要因の重要性は国ごとに大きく異なり、この二十年間で必ずしも大幅に上昇していない。
  - 各国は依然として金融政策等を通じて金融環境をコントロールする能力を保持しているが、外的ショックの波及は速く、迅速な対応が難しい面もある。
  - 新興国はグローバル環境への影響度が大きく、国際的な金融環境のタイト化に備える必要性が高い。
  - 国内金融市場の規模拡大、国内投資家ベースの拡大、株式・債券市場の厚みと流動性向上を通じて外的ショックの波及を抑制できる。

*出典: sumj (PDF chapter/section) — 要旨*

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