## 商業不動産　新型コロナ危機中と危機後の金融不安定化リスク

## Source details

**Canonical URL:** [商業不動産　新型コロナ危機中と危機後の金融不安定化リスク](https://www.imf.org/-/media/files/publications/gfsr/2021/april/japanese/ch3execsum.pdf)

## Other formats

- [Markdown version](/-/media/files/publications/gfsr/2021/april/japanese/ch3execsum.pdf.md)
- [Structured JSON version](/-/media/files/publications/gfsr/2021/april/japanese/ch3execsum.pdf.json)

---

### 危機の影響と現状評価
- 新型コロナ危機は商業不動産部門に大きな打撃を与えた。パンデミックの蔓延防止策の発動が経済活動に大きく影響し、2020年には不動産取引が世界的に急減し、取引価格も大きく低下した。  
- コロナ後においても一部の経済活動は引き続きバーチャルに行われるか、若しくは大都市以外に移動する可能性があり、その結果、小売り、オフィス、およびホテルのセグメントでは低迷が一部永続する可能性がある。  
- 商業不動産部門は規模が大きく、借入依存度が高い。これらの融資には、銀行、ノンバンク共に大きく関与しており、一部の国では外国投資家への依存も大きいため、上記のような動きによって金融安定性に大きな悪影響が及ぶ可能性がある。  
- 商業不動産市場における価格の不均衡は、パンデミックの期間を通じて拡大しており、将来の大きな価格調整を引き起こすことがあり得るため、先行きのGDP成長率の下方リスクが高まっている。

### 主要所見（第3章のポイント）
- 新型コロナ危機は商業不動産部門に甚大な打撃を与えた。とりわけいくつかのセグメントでは需要の構造変化によって見通しの不確実性が増しており、監督当局としても注意を高める必要がある。  
- 危機発生の時点では特別大きな価格の不均衡があったという証拠はないものの、いくつかの国では、その後、ファンダメンタルズの悪化にかかわらず、それに見合った価格の下落が起きておらず、価格が過大評価となっている兆候が見られる。  
- 商業不動産価格が均衡から乖離することで、とりわけその他の脆弱性と相互作用を起こすことによって、時として急激な価格調整を引き起こし、将来的な成長低下リスクを増大させうる。そのような価格調整は、金融機能の安定性を脅かし、企業による投資を妨げ、経済回復を阻害するおそれがある。  
- 短期的には非金融企業部門への信用供与を維持し、総需要を喚起するための政策的支援が継続されることで、商業不動産部門の回復が支えられるであろう。  
- 過大な価格評価が続く場合には、当局は必要に応じ、商業不動産部門の脆弱性に対処するために、目標を絞ったマクロプルーデンス政策を迅速に発動すべきである。一定の状況の下では、過大な国際的資本流入に伴う潜在的リスクを抑えるため、資本フロー管理政策が検討されても良い。

### リスク伝達メカニズムと影響
- 商業不動産価格に下落ショックが生じると、この市場で活動する借り手の信用度が低下するとともに貸し手の健全性にも悪影響が及び、非金融企業部門全般の投資活動を低下させる。  
- 緩和的な金融環境と非金融企業部門への信用供与の維持、総需要の喚起という現行の政策支援は、現時点では商業不動産部門の回復を促すうえで正当化される。  
- ただし、緩和的な金融環境は脆弱性の拡大を助長し、価格の不均衡を持続させる可能性がある。価格の不均衡が継続すると、将来の急激な調整リスクが高まる。

### 政策対応と推奨措置
- 目標を絞ったマクロプルーデンス政策（例えば融資における担保掛け目や元利返済金の制限）を早期に発動して脆弱性に対処すべきである。  
- マクロプルーデンス政策は、商業不動産部門における資金供給の重要な担い手であるノンバンク部門も対象に含めるよう、適用範囲を幅広いものとするための努力をすべきである。  
- 商業不動産部門への海外からの資本流入が金融安定性へのリスクを高めている場合には、資本フロー管理政策も一定の状況の下では検討の対象となりうる。  
- 商業不動産への貸出に対応する資本バッファーが十分であることを判断するために、ストレステストの活用を検討すべきである。

*国際通貨基金 | 2021年4月*

---


_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/gfsr/2021/april/japanese/ch3execsum.pdf_
