## execsum

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### 総括:現状評価
- 国際金融安定性のリスクは抑えられているが、各国の金融・財政支援継続と世界経済の好転が背景。
- 先進国では金融環境の緩和がさらに進展。ただし、夏以降、市場の楽観は幾分陰りを見せる。
- 新興国に対する投資家の懸念が高まっている。9月末には名目利回りが上昇し国によってはこれまでの低下を打ち消す事態に。
- 大規模な緩和策が脆弱性の顕在化を防いでいる面はあるが、セクターによっては脆弱性が高い状態が続く。
- ノンバンク部門でのリスクテイク拡大と脆弱性の高まりが確認され、適切な対応が取られない場合は中期的な経済成長や国際金融システムの安定を脅かす恐れ。

### 2021年4月版以降の進展
- 先進国: 総体として金融環境の緩和がさらに進んだ（金融政策緩和継続期待とリスク資産価格上昇を反映）。
- 新興市場国: 一部で金融政策引締めがリスク資産価格上昇を相殺し、全体として大きな変動は見られない。
- 企業部門: 全体としてバランスシート改善。対象を絞った財政支援と異例の金融政策支援で企業倒産の急増は回避。いくつかの国では利益がパンデミック前の水準を凌駕。
- 家計: 金利低下、所得及び利払い補填措置、返済猶予措置の恩恵で金融状況は改善。債務返済比率の指標は多くの国で改善。
- 新興・フロンティア市場: ポートフォリオ資金の流入は回復。ただし、現地通貨建債券市場への資金流入は第一四半期に落ち込んだ以降回復せず。外貨建て債券発行は大きく回復。
- 国際的な銀行部門: 資本状況は堅固で重要な役割を果たしている。例外的に弱い少数の銀行を除き健全。
- 持続可能な投資ファンドの資金流入は2020年初めから急増。運用資産残高は2020年末で3.6兆ドル、うち気候ファンドの残高は1300億ドル。

### 金融脆弱性の現状とリスク
- 長期債利回りは夏に低下したが、9月末に上昇へ転じた（物価上昇圧力が当初想定以上に持続する懸念が要因）。
- 投資家の間でインフレリスクへの懸念が高まり。エネルギー・一次産品価格上昇、サプライ・チェーン混乱、労働力・素材不足の長期化が賃金上昇につながる可能性に注目。
- 資産価格の高まりは一部市場で行きすぎの兆候。株価は総体として上昇を続け、ファンダメンタルズからの上方乖離が多くの市場で続く。信用スプレッドはパンデミック前の水準に低下。住宅価格は多くの国で急激に上昇。
- 新興・フロンティア市場国の資金調達ニーズは高水準。国内要因で現地通貨建て国債利回りが上昇。9月末の米国債金利上昇が追加圧力となる恐れ。
- 実質金利は総じて大幅なマイナス。今後数年内に実質金利が大幅に上昇するリスクあり（先進国の金融政策スタンスの急な変更が原因となる可能性）。このリスクはフロンティア市場国で特に懸念。
- セクター別の脆弱性: 運輸、サービスなどパンデミックで大きな打撃を受けた業種や小規模企業で倒産リスクが高水準。中国では低格付け企業と財政状況の弱い省の与信環境が厳しい。
- ノンバンク金融機関の脆弱性は依然存在。2020年3月のdash for cashで顕在化した脆弱性は未解消。名目ベースの目標収益率達成を狙う中でリスク拡大。生命保険会社は資産負債のデュレーション・ミスマッチを抱え、信用力の低い債券投資を拡大。
- 銀行部門: 融資の審査基準は多くの国で慎重。企業の信用状況悪化が融資伸びの低下をもたらす可能性。多くの新興市場国にとって国際的な銀行与信の減速は下方リスク拡大の要因。

### 暗号資産とデジタル化の課題
- 暗号資産エコシステムは急拡大。取引所は越境業務に伴う運用上・取引健全性のリスクを抱える。
- ステーブルコインの情報開示は総じて不十分であり、資産の裏打ちに疑念が生じれば取り付け発生の恐れ。
- 新興国では暗号資産の普及がドル化を進行させ、為替規制や資本移動管理の有効性を損なう恐れ。暗号資産取引拡大は資本移動の不安定化を招く可能性。
- 対応策として新興国・途上国はマクロ政策強化と中央銀行によるデジタル通貨発行の検討を優先すべき。各国はG20のクロスボーダー送金ロードマップに従い国際送金の改善に協力すべき。

### 政策提言
- 経済回復維持のための支援は不可欠。各国の回復状況に応じた国別対応が必要。
- 中央銀行は金融環境の突然のタイト化を防ぐため将来の金融政策スタンスに関する明確なガイダンスを提供すべき。
- 物価上昇圧力が予想より持続的である場合、インフレ期待の制御を保つため断固とした措置をとるべき。
- 財政政策は脆弱な企業・個人の支援を継続。政策余力に限りがあるため支援対象は限定し国ごとの状況・ニーズに合わせるべき。
- マクロプルーデンス政策を選択的に発動し、一部の脆弱性に対応。政策の効果発現には時間がかかるため早期対応を推奨。
- ノンバンク金融仲介機関を対象とする政策枠がない場合は緊急に整備。金融システム全体を守るためノンバンク以外の強化も検討。
- 投資ファンドの脆弱性への対応は急務。健全性監督の強化と流動性リスクへの事前的強化が必要。規制改革は金融安定理事会を通じ国際協調で実施することが不可欠。
- 新興・フロンティア市場国はSDRの一般的配分の実施を活用しつつ対外準備増強と構造改革を推進してショック耐性を高めるべき。
- 新興国の当局はデジタル化によるドル化進展への対応を進め、中央銀行の独立性強化、健全な財政維持、効果的な法律・規制整備により外貨利用の誘因を除去すべき。
- 暗号資産関連サービス提供者に対する適切な枠組み構築は各国規制当局の協調が必要。資本移動規制のあり方をデジタル化を踏まえて再検討。
- 気候関連情報のアーキテクチャー（データ、開示、持続可能な金融の分類）強化に努め、グリーン経済への転換を支援するファンドへの資金流入促進策（例：気候ファンドへの財政的優遇措置など）を検討。
- 投資ファンドに対するシナリオ分析とストレステストを実施し、経済の転換に伴う金融不安定化リスクを抑制。

*https://www.imf.org/en/Publications/GFSR/Issues/2021/10/12/global-financial-stability-report-october-2021*

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