## 第2章　国際金融安定性報告書：新興市場国におけるソブリンと銀行の連関：リスクを伴う関係

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### 概要と背景
- 新型コロナウイルスのパンデミックを通して、新興市場国の銀行部門が保有する自国ソブリン債の額が急速に増加した。
- その額は平均すると総資産の2割と、規制資本の2倍に相当する。
- ロシアのウクライナ侵攻により国際的な金融環境がタイト化し地政学的な緊張が高まる中、新興市場国の経済成長見通しは先進国に比べ弱めとなっている。
- 多くの新興国で公的債務は歴史的な高水準にあり、信用格付け見通しも悪化している。

### 分析の枠組みと主要経路
- 分析対象：世界の新興市場54か国のデータを用いて検証。
- 検証した主要な3つの経路：
  - エクスポージャー経路：銀行部門が自国国債を保有することに伴う政府へのエクスポ−ジャー（エクスポージャー経路）。
  - セーフティーネット経路：政府の銀行に対する明示的あるいは暗黙の保証。
  - マクロ経済経路：実体経済を通じた両者の間接的な連関。
- いずれかの部門（政府または銀行）が大きなショックを受けた場合、これらの経路を通じた相互作用により負のフィードバック効果が生じうる。

### 主な所見（ファインディングス）
- ソブリンリスクの高まりは銀行のバランスシートの悪化と貸出意欲の低下をもたらす。
- この傾向は次の場合により顕著となる：
  - 銀行部門の自己資本が相対的に劣後する国。
  - 財政状況がより脆弱な国。
- 財政状況の深刻化により、銀行部門を支援する政府の能力が低下したとの見方が広まると、投資家の信認が低下し銀行の経営状況も悪化しうる。
- 政府保証に支えられている銀行が、よりリスクの高い行動を取る可能性がある。
- 財政状況の深刻化は非金融部門の企業にもリスクを及ぼす：
  - 国債格付けの低下は当該国の企業の投資や資金調達に悪影響を与える。
  - 企業格付けが国債格付けに連動するカントリーシーリングが適用される企業について影響が特に顕著。
  - こうした企業が多数を占める国では銀行の貸し出しポートフォリオの信用力低下につながりうる。

### 政策上の含意と推奨（政策勧告）
- 政策担当者は自国への負のショックに対応する際、複雑な政策上のトレードオフに直面する。
- 財政余力が乏しく借入に制約が生じている国に対して：
  - 財政支出の効率性を高めかつ対象を絞ることで経済の回復を支える。
  - 財政の強靭性を確立するため、財政政策を信認度が高く持続可能な中期的財政計画のもとに位置付ける必要がある。
- 銀行の損失吸収能力を維持するため、必要に応じ株主配分を制限すべきである。
- 銀行に対するストレステストを実施する際には、政府と銀行部門の連関の各種経路を反映する形でシナリオを策定すべきである。
- 経済回復が軌道に乗り、パンデミック対応のための金融部門への支援が終結した暁には、銀行による国債の過剰保有の誘因を減らすことを検討すべきである。例として、一定量以上の国債保有に対する追加的な資本賦課を求めることが考えられる。
- より一般的な対策として、ソブリンリスクの銀行部門への集中の可能性を抑制するために、国内機関投資家層の分散を図り、資本市場を発展・深化させることが重要である。
- 国際的な対応として、ソブリンと銀行の連関リスクが先進国でも過去に見られたことを踏まえ、バーゼル銀行監督委員会においてリスクを意識した監督規制手法を反映する国際標準の策定を再開することを検討してもよい。
- 銀行による政府へのエクスポージャーについて、市場規律が働きやすいよう重大なものについてデータを開示すべきである。

*国際通貨基金 | 2022年4月*

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