## 第3章　国際金融安定性報告書　フィンテックの急拡大：脆弱性と金融安定性維持の課題

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### 概要
- フィンテック（金融業務における技術革新）はコストや摩擦を低減し、効率性と競争を促し、金融サービスへのアクセスを拡げる可能性を有する。
- 規制が不十分な中でフィンテック企業がリスクの高い事業分野での活動を急拡大させる結果、システミックリスクが生じ、金融安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。

### ケーススタディ（中核的な銀行業務に参入したフィンテック企業）
- 3つのケーススタディを実施。
- 第1のケーススタディ：デジタル銀行（「ネオバンク」）
  - 以下の脆弱性が確認された：
    - リテール融資の組成において適切な貸し倒れ引き当てを積まず、信用リスクのプライシングが不十分で過大なリスクを取っていること。
    - 証券投資ポートフォリオにおいて過大なリスクを取っていること。
    - 流動性リスクの管理が不十分なこと。
  - フィンテック企業は自ら高いリスクを負うだけでなく、伝統的な銀行への圧力となる。
- 第2のケーススタディ：米国住宅ローン市場
  - フィンテック企業が競合する伝統的な銀行の収益性を低下させる圧力を加えていることを示した。
- 第3のケーススタディ：分散型金融（DeFi）
  - DeFiは仮想資産をベースとした金融仲介の一形態で、ここ2年間で急激に拡大している。
  - DeFiは効率性の向上と投資機会の拡大が期待される一方、次のリスクの源泉となっている：
    - 市場リスク
    - 流動性リスク
    - サイバーリスク
  - DeFiは市場の規模としてはまださほど大きくないが、規制の枠外にあり、法的な不透明性も相俟って問題がある。
  - DeFiと伝統的な金融仲介機関の関連が強まっていることが明らかになった。

### 政策上の示唆および推奨
- フィンテック企業と既存金融機関双方を対象とした各々の部門の規模に相応する政策が必要。
- ネオバンクに対しては抱えているリスクに応じた以下の強化が望ましい：
  - 資本に関する規制
  - 流動性に関する規制
  - オペレーショナルリスクに関するより強い規制
- 伝統的金融機関に対しては、技術的に劣後した金融機関が既存のビジネスモデルを長期的に維持することが難しいと想定されるため、プルーデンス監督は健全性に重点を置くことが必要。
- DeFiに関しては、統御する中心的な主体がないことが効果的な規制監督の障害となっているため、次を重視すべき：
  - ステーブルコインの発行体や仮想資産の交換所など、仮想資産のエコシステムでDeFiを支える主体を重点的に規制すること。
  - 業界の行動規範や自主規制機関による監視などを通じ、DeFiのプラットフォームのガバナンスの仕組みを向上させることを当局が慫慂すること。
  - 自主規制機関は規制監督制度構築に向けた効果的な道筋となりうる。

*国際通貨基金 | 2022年4月 2*

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