## 第2章　新興国と途上国における民間の気候ファイナンスの拡大　課題と機会

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### 概要と問題意識
- 世界の温室効果ガスの3分の2を排出する新興市場国および発展途上国の多くは、膨大な気候関連災害の影響を受けやすい。
- これらの国々は、排出削減と気候変動の物理的な影響への適応のために多額の気候ファイナンスの調達が必要である。
- コロナ禍を経て政府予算が逼迫しているため、新興国・途上国の資金調達環境はタイト化している。
- 気候関連政策（カーボンプライシングを含む）と民間の気候ファイナンスは「車の両輪」であり、適切な政策導入が民間投資を促進し政策目標の達成に寄与する。

### 主な課題（民間気候ファイナンス拡大の障壁）
- 低炭素のインフラおよびテクノロジー関連プロジェクトで投資対象として適格なものが少ない。
- 実効性のあるカーボンプライシングが導入されていない。
- 気候関連の情報基盤（タクソノミー、ディスクロージャー、データ）が十分整備されていない。
- ファイナンスの需要と供給元のマッチングが複雑である。
- 以上により、サステナブル資産に対する需要は旺盛であるにもかかわらず、新興国・途上国の資産は投資リスクが高過ぎると見なされ、敬遠されている。

### ESG投資の状況
- ESG（環境、社会、ガバナンス）投資は急速に拡大しているが、気候問題への貢献は明らかでない。
- 新興国・途上国ではESGスコアが全般的に低く、ESG資金の配分も少ないため、これらの国々がESG投資の恩恵を十分に受けられていない。

### 革新的な資金調達手法と有効性
- 新興国の環境債ファンドなどの革新的な資金調達法は、上記の課題を乗り越え、投資家層を広げることに寄与する可能性がある。
- サステナビリティー・リンク債などの成果連動の債務証券は、重要な契約条項が適切に設定されるなら、新興国の発行体にとって魅力的となり得る。

### 国際開発金融機関・開発金融組織の役割
- 国際開発金融機関や開発関連の各金融組織は以下の方法で民間の気候ファイナンス拡大に貢献できる：
  - 低所得国での気候関連プロジェクトを組成する。
  - 民間投資を活用するための新たな金融ツールを考案・実現する。
  - 投資家層を拡大するためのリスク吸収メカニズムを提供する。
- これらの機関が出資比率を高め、リスク志向の向上および追加資金が組み合わさることで、気候ファイナンスを拡大できる。

### IMFの役割と強靭性・持続可能性トラスト（RST）
- IMFは気候関連の情報基盤の強化と新興国・途上国におけるカーボンプライシングの導入を含む気候変動関連施策の策定と実施を支援できる。
- 条件を満たす融資対象の新興国・途上国に対して、RST融資を通じて好条件の長期融資を提供し（公的および）民間資金の動員を促進することで、気候変動に伴う長期的・構造的な課題への対処を支援できる。
- RSTを通じて規制環境を改善し、気候変動に対処するためのインフラの強靱化を図ることで、投資環境の向上も可能である。

*出典: ch2execsum*

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