## 国際金融安定性報告書 要旨

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### 世界経済の現状とリスク見通し
- 世界経済は「数十年ぶりの高インフレ」と直面しており、先進国は政策正常化のペースを加速中。
- 世界金融環境は2022年4月版のGFSR以降、ほとんどの地域で著しく引き締まっている。
- 下振れリスクの顕在化により、世界経済見通しは2022年4月版GFSR以降「大幅に悪化」している。
- 予想GDP成長率の分布では、悲観的な見通しのレンジが過去40年間の成長率実績の下位五分の一の中に収まっている。

### 金融市場の動揺と流動性
- 2022年以降、金利やリスク資産の価格が極めて不安定に推移。6月を通じてリスク資産は急激に売られた。
- 米国債のビッド・アスク・スプレッドは大幅に拡大し、市場の厚みは急激に低下、流動性プレミアムは拡大。
- 暗号資産市場でのボラティリティ上昇により、一部のハイリスク分野で崩壊・閉鎖した暗号資産ファンドが存在。
- 投資家のインフレ見通しは分裂し、ユーロ圏ではインフレ期待が両極化している。
- リスクプレミアムが急速かつ無秩序に見直された場合、既存の脆弱性と流動性低迷の相互作用でリスクのリプライシングが増幅する可能性。

### 欧州・英国の市場動向
- 欧州では天然ガス不足とユーロ圏の分断リスク再燃によりストレスが高まったが、ECBの伝達保護措置（TPI）発表で南欧国債利回りとドイツ国債利回りのスプレッドは縮小。
- 英国では、債務で賄う減税や高騰するエネルギー価格への財政対策を受けて投資家懸念が高まり、英ポンド急落とソブリン債価格大幅下落が発生。イングランド銀行は「長期国債を一時的かつ的を絞った形で購入することを9月28日に発表」。

### 新興市場とフロンティア市場の脆弱性
- 新興国市場は、高い対外借入コスト、根強い高インフレ、不安定な一次産品市場、先進国の政策引き締め圧力など複数のリスクに直面。
- フロンティア市場は特に深刻な圧力に直面し、政府債務の利払い増加が流動性圧力を高めている。
- 非居住者のポートフォリオフローは「今年上半期に大規模な流出が見られた後、安定化の兆しも見られるが、依然弱含み」。
- 外貨建てソブリン債の発行は急激に縮小。
- 多くのフロンティア市場の発行体は市場アクセスが改善されない場合、代替の資金調達源の開拓か債務の返済期限延長・再編を模索する必要がある。

### 企業・住宅市場および不動産部門
- 世界の企業部門は圧力下にあり、信用スプレッドは4月以降さまざまな部門で大幅に拡大。
- 大企業はコスト上昇で利益率が縮小。中小企業は主要先進国で既に倒産が増加し始めている。
- レバレッジドファイナンス市場依存企業は融資条件悪化と貸出基準厳格化に直面。
- 住宅市場は、借入コスト上昇と貸出基準の厳格化、過去の価格上昇による資産価値の過大評価の組み合わせで悪影響を受ける可能性があり、最悪の場合「実質住宅価格の低下が大幅になる可能性」。

### 中国の不動産問題と銀行部門への波及
- ロックダウン中の住宅販売急落により不動産開発業者の流動性が逼迫。不動産部門の低迷が広範な支払能力懸念を招いている。
- 不動産開発業者の破綻は銀行部門に波及し、資本バッファーが低く不動産関連資産が集中する脆弱な小規模銀行や国内のシステム上重要な銀行が影響を受ける可能性。

### 銀行部門の強靭性とストレスシナリオ
- 世界の銀行部門は資本比率が高く十分な流動性バッファーを有していることで強靭性は高い。
- IMFの大手グローバル銀行のストレステスト結果では、金融環境が急激かつ大幅に引き締まる結果、高インフレの中で2023年に世界経済が景気後退に陥るシナリオでは、新興国市場の銀行の最大29％が自己資本要件を達せなくなる。
- 資本不足を解消し資本バッファーを再構築するために必要な資金は「2,000億ドルを超える」。

### 気候ファイナンスの課題
- 新興市場国と発展途上国は温室効果ガス削減と物理的変化への適応のために今後数年間で多額の気候ファイナンスを必要とする。
- サステナブルファイナンスは急速に拡大したが、新興市場国と発展途上国は依然不利。課題には「気候関連支援政策の欠如」や「気候に関する情報アーキテクチャが依然弱いこと」が含まれる。
- 民間投資を惹きつけ、リスク吸収能力を強化するために新たな資金調達ツールと国際開発金融機関の関与が重要。
- IMFは、金融安定性リスク評価の実施、新たに創設した強靭性・持続可能性トラスト（RST）を通じた融資、データギャップの解消と情報開示の提唱を通じて加盟国支援を行う可能性。

### オープンエンド型投資ファンドの脆弱性
- 日次で償還ができ流動性の低い資産を保有するオープンエンド型投資ファンドは、償還殺到と資産の投げ売りのリスクを高め、資産価格の脆弱性の主要因となり得る。
- こうした脆弱性は国境を超えて波及し、国内金融環境全体のタイト化とマクロ金融の安定性に対する潜在的リスクを生む可能性。

### 政策提言（要点）
- 中央銀行は、インフレ期待の不安定化を回避しながら断固として行動し、物価安定の回復を優先。政策反応関数の明確化、義務付けられた目標への揺るぎないコミットメント、政策正常化の必要性についての明確なコミュニケーションが不可欠。
- IMFの統合的な政策枠組み（IPF）下で、新興市場国は必要に応じて「ターゲットを絞った外国為替介入や、資本フロー対策、および/または為替レート調整を円滑にするためのその他の対策」を組み合わせることを検討可能。
- 債務を抱える発展途上国およびフロンティア市場の政府は、債権者との早期接触、多国間協力、国際社会からの支援を通じて債務脆弱性対策を強化し、中期財政再建計画の策定を推奨。
- 政策当局は、国固有の状況を考慮しつつ、脆弱性が集中する分野に対して選択的にマクロプルーデンス政策を適切に運用すべき。
- 市場の流動性リスク軽減のため、監督当局は取引インフラの頑健性監視と市場透明性の促進、取引データ入手改善を実施。
- ノンバンクに関しては、相手方金融機関は日中取引とレバレッジエクスポージャーを注意深く監視し、流動性リスク管理対策を強化、透明性とデータ可用性を高める必要。
- 気候ファイナンス拡大のため、株式による資金調達比率の向上と国際開発金融機関による気候ファイナンスのための資金増強を促進。
- オープンエンド型投資ファンド関連の脆弱性軽減には、スイングプライシング等の価格ベースの流動性管理ツール導入への指針提示、償還頻度のポートフォリオ流動性レベルに基づく調整、監視強化、追加開示の要求、流動性供給策の検討が必要。

*出典: 国際通貨基金 | 2022年10月 — 国際金融安定性報告書 要旨（日本語訳）*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/gfsr/2022/october/japanese/execsum.pdf_
