## 国際金融安定性報告書 要旨

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### 概観と最近の出来事
- 世界の金融システムのレジリエンスは、2022年10月版公表以降に幾度となく試され、金融安定性リスクが急速に高まっている。  
- 米国でのシリコンバレー銀行とシグニチャー銀行の破綻、欧州のクレディ・スイスに対する市場の信頼喪失が、金融政策の引き締めと金融環境のタイト化が蓄積された脆弱性と交錯すると危機を招きうることを示した。  
- 政策当局は介入により市場不安を緩和したが、市場センチメントはいまだ不安定であり、多くの金融機関や市場がストレスにさらされている。

### 金融システムの脆弱性と影響
- 低金利期に増大した流動性、デュレーション、信用リスクへのエクスポージャーとレバレッジ拡大が、現在の金融安定性リスクを高めている。  
- 米国では、金利感応度の高い資産に含み損がある銀行で預金基盤が集中している場合に株価が売り込まれた。  
- 欧州では、収益性や資本調達能力に長期的懸念がある銀行の株価下落が顕著であった。  
- IMFスタッフの試算では、欧州と日本、新興市場国の平均的な銀行について、満期保有目的ポートフォリオの含み損が顕在化しても自己資本規制比率への影響はそれほど大きくないが、一部銀行では重大な影響が生じる可能性がある。  
- 最近の銀行株価下落により、米国の銀行の貸出能力は、他条件不変で試算すると今後一年で1％近く低下し、これは実質GDPを44ベーシスポイント低下させる。  
- 新興市場国では、預金調達は安定しているものの、預金保険のカバー率が低く、銀行は一般に先進国より信用力の低い資産を保有しているため脆弱性が残存する。

### 資産市場と部門別リスク
- 家計: パンデミック中に貯蓄が増加したが、債務返済コスト上昇で貯蓄は減り、債務不履行リスクが高まっている。住宅市場では、平均住宅価格が2022年後半に新興市場国で60％下落し、先進国では価格上昇が鈍化。  
- 商業用不動産(CRE): ファンダメンタルズ悪化と資金調達コスト上昇により懸念が高まる。米国では総資産が2,500億ドル未満の銀行がCREに対する銀行貸出の約4分の3を占めるため、資産質悪化が銀行の収益性と貸出意欲へ大きな影響を及ぼす。世界のCRE取引量は前年比17％減少し、REITの価格調整は20％に達することもあった。  
- 企業: 企業はパンデミック中に現金バッファーを積み上げたためデフォルト率は低いが、利益減少と資金調達環境のタイト化で緩衝が侵食されつつある。小規模企業や新興市場国の企業は特に影響を受けやすい。  
- 中国: 経済再開後も住宅市場が低迷。地方融資平台（LGFV）の債務は中国のGDPの約50％と推定され、LGFVの債務不安が広がれば一部銀行が重大な損失を被る可能性がある。  
- ソブリン債: 世界中で持続可能性指標が悪化。現在、12か国の国債はディストレストレベルのスプレッドで取引され、さらに20か国が700ベーシスポイントを超えるスプレッドで取引されている。フロンティア市場では債券発行が2021年中にほぼ消滅。低所得国は69か国中37か国が債務の持続性に問題があるかリスクが高い状態にある。

### NBFI（ノンバンク金融仲介）と相互連関性
- NBFIは過去10年間に流動性の低い資産への投資とレバレッジ拡大を行っており、相互連関性の高さがストレス伝播を助長する。  
- ケーススタディは、NBFIのストレスがレバレッジ上昇・流動性低迷・相互連関性の高い環境で出現し、新興市場国や発展途上国に波及する可能性を示す。  
- 中央銀行による流動性供給が金融安定目的で行われる場合、金融政策のコミュニケーションが困難となる点で脆弱性が増加しうる。

### 地政学的緊張と分断化リスク
- 主要国間の地政学的緊張の高まりは世界経済と国際金融の分断化を進め、国境を越えた資本配分を阻害して金融安定性リスクを高める可能性がある。  
- 分断化は資本フローの突然の反転や銀行の資金調達コスト上昇を通じてマクロファイナンス上の安定性を脅かし、新興市場国や自己資本比率の低い銀行で顕著となり得る。  
- 分断化は国際的なリスク分散投資を減少させ、特に対外バッファーが小さい国でボラティリティを増幅する。

### 政策提言
- 中央銀行は、金融政策の目的（インフレ抑制）と金融安定性の目標を切り離すため、金融安定リスクに対処するツールを活用すべきである。  
- 金融安定性リスクが広範に大きくなる場合、高インフレと金利上昇のもとで中央銀行はインフレ抑制と金融安定性維持の間にトレードオフが生じることを認識し、政策目的と反応関数について明確なコミュニケーションを行うことが極めて重要である。  
- 監督当局は、銀行のコーポレート・ガバナンスと内部リスク管理が各行のリスクプロファイルに見合った水準であることを確認すべきであり、取締役会によるリスクモニタリングや資本・流動性ストレステストの能力と内容が十分であることを確保する必要がある。  
- NBFIに対しては、データギャップの解消、リスク管理強化の動機付け、適切な規制設定、監督強化を徹底すること。  
- 全銀行に対して、システム的とはみなされない小規模機関を含めた適切な最低自己資本と流動性の要件を設けること。金利リスクに備えた資本保有を健全性規制で課すこと。資産分類と引当金、金利・流動性リスクへのエクスポージャーに特に注意を払うこと。  
- 中央銀行の流動性支援は支払い能力ではなく流動性の問題に対処することを目的とし、支払い能力の問題は財政当局または破綻処理機関が扱うべきである。流動性供給はシステミックな流動性リスクがある場合のみに限定し、モラルハザードを最小限にするため市場にリスクを残し、介入に明確な終了日を設けること。  
- 破綻処理改革をさらに進め、公的資金救済を避けつつシステム上重要な銀行の破綻処理を容易にする措置の整備を進めること。債権者負担の強化と債権者階層への損失配分の実行可能性について国際的な教訓を得る必要がある。  
- IMFの統合的な政策枠組み（IPF）に基づき、外国為替介入は条件を満たす場合に適切であり得る。差し迫った危機では資本流出防止措置が選択肢になるが、包括的な政策パッケージの一部として採用され、危機が和らげば直ちに解除されるべきである。  
- 発展途上国・フロンティア市場国の債務国政府は、債務脆弱性のリスク抑制のため債権者との早期対話、多国間協力、国際支援、中期財政再建計画の策定を強化すること。債務危機が差し迫る国については二国間・民間債権者がG20共通枠組みを用いた先制的な再編を調整すべきである。  
- ストレス時にノンバンク金融機関が中央銀行の流動性へ直接アクセスする場合は適切な利用制限を設けること。第一の防衛線として強固な監視・規制・監督を実施し、流動性支援はモラルハザード回避の観点から慎重に設計すること。  
- 政策当局は地政学的緊張による金融安定性リスクの評価・管理・緩和に注力し、金融機関は十分な資本・流動性バッファーを確保すること。国際的な金融セーフティネットの強化と多国間の取り組みの強化が求められる。

*出典: 国際通貨基金 国際金融安定性報告書 要旨（2023年4月）*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/gfsr/2023/april/japanese/execsum.pdf_
