## プライベートクレジットの増加とそのリスク

## Source details

**Canonical URL:** [プライベートクレジットの増加とそのリスク](https://www.imf.org/-/media/files/publications/gfsr/2024/april/japanese/ch2execsum-updated.pdf)

## Other formats

- [Markdown version](/-/media/files/publications/gfsr/2024/april/japanese/ch2execsum-updated.pdf.md)
- [Structured JSON version](/-/media/files/publications/gfsr/2024/april/japanese/ch2execsum-updated.pdf.json)

---

### 概要
- 中堅・中小企業（ミドルマーケット）に長期資金を提供するプライベートクレジットが急速に増加している。
- プライベートクレジットは強いリレーションシップと顧客毎にカスタマイズされた融資条件が借り手にとっての魅力となっている。
- 銀行の貸出意欲の低下を受け、プライベートクレジットがこの分野の中核になっている。
- 資金調達が銀行やシンジケートローンや社債など比較的透明性の高い市場から、透明性の低いプライベートマーケットに移行していることが潜在的なリスクを生じさせている。
- このリスクは直ちに問題となるものではないが、プライベートクレジットの市場は重要な脆弱性を内包している。

### リスク要因
- 景気後退局面での想定外の損失の可能性
  - プライベートクレジットは、比較的小規模でレバレッジの高い企業に対し、通常、変動金利で貸し付ける。
  - 対象企業は景気後退局面で借入れコストが増加し、企業業績が悪化する恐れがある。
- 流動性リスクの拡大
  - 個人投資家向けファンドの増加に伴い、流動性が低めのファンドが増えることで、解約に伴う先行者利益が拡大し得る。
  - 個人投資家は投資リスクや流動性の低い資産の償還に課される制限を十分に理解していないことがあり、行為規範に関する懸念を高めかねない。
- 重層的なレバレッジと相互連関
  - プライベート・クレジット・ファンド自身はさほどレバレッジを取っていないと見られるが、借り手から最終投資家に至るまでレバレッジを効かせている参加者が存在する複雑なネットワークを形成している。
  - 報告義務の対象になっていない参加者も存在し、損失が拡大する可能性がある。
  - ファンドがキャピタルコールに伴い巨額の追加拠出を要求されるケースでは、ファンドにレバレッジ資金を提供している機関への波及もありうる。
- バリュエーションの不確実性と信頼喪失
  - 借入企業の透明性が低く、このセクターが現在の規模や広がりを得てから大規模な景気後退を経験していないため、外部の者にとって迅速に評価を行うことが困難である。
  - ファンド運用者にとっては損失の認識を先送りし、期間中に新規のファンドを募集し、過去の運用実績を反映した成功報酬を確定させることへのインセンティブが生じる。

### 影響の受け手と評価の困難さ
- プライベートクレジット市場へのエクスポージャーが大きい企業を通じて金融安定性へのリスクが生じる可能性がある。
  - プライベートエクイティ企業傘下の保険会社や一部の年金基金などが該当する。
  - プライベートエクイティ傘下の保険会社保有の総資産は近年大幅に拡大しており、他の保険会社に比べ流動性の低い資産へのエクスポージャーが非常に大きい。
- データ制約により、この資産クラスとしての全体的な金融安定性リスクの評価は難しい。
- 透明性が改善しないまま、緩いプルデンシャル監督下で急拡大し続ければ、業界の脆弱性がシステム上重要な意味を持つようになる恐れがある。

### 政策提言・監督上の対応
- 当局は監督規制を通じ、より強くこのセクターに干渉することを検討すべきである。
  - 対象はプライベート・クレジット・ファンド、ファンドに投資する機関投資家、レバレッジ資金の提供者を広く含むべきである。
  - 各国および各金融分野の規制監督当局はデータギャップに対処し、リスク評価を金融セクター間でより統一できるよう協力を強化すべきである。
- 当局はデータギャップの解消を優先するべきである。
  - 規制監督当局がレバレッジ、相互連関、投資家の特定分野への集中を含む各種リスクをより総合的に評価できるようにすること。
  - プライベート・クレジット・ファンドとその投資家、レバレッジ資金の提供者に対する報告義務を強化し、より充実したモニタリングとリスク管理を可能にすること。
- 当局はモニタリングを重視し、ファンドの流動性リスクと行為規範リスクに対処すべきである。
  - これは、より高い償還リスクを抱えるファンド、特に個人投資家向けファンドで重要である。
  - 証券規制当局は金融安定理事会（FSB）と証券監督者国際機構（IOSCO）の商品設計と流動性管理に関する勧告を実践すべきである。

*出典: https://www.imf.org/-/media/files/publications/gfsr/2024/april/japanese/ch2execsum-updated.pdf*

---


_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/gfsr/2024/april/japanese/ch2execsum-updated.pdf_
