## 第2章　世界経済の不確実性が高い中でのマクロ金融の安定性

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### 背景と主要経路
- 新型コロナのパンデミック以降、インフレショックや地政学的緊張の高まり、新技術の急速な出現、気候関連リスクの増大などにより、グローバルなマクロ経済は「不確実性が高い」という特徴を有する。
- マクロ経済の不確実性は、マクロ金融の安定性に対して以下の3つの主要経路を通じて悪影響を及ぼす恐れがある。
  - 「金融市場経路」：負のショックが起きる中で、金融市場の下方テールリスクが高まる可能性。
  - 「実体経済経路」：民間部門が消費や投資の決定を遅らせ、経済活動の減速により金融機関の信用リスクが高まり、マクロ金融上の負のフィードバックループを引き起こす可能性。
  - 「信用経路」：新規の借り手の信用力に関する貸し手と借り手の間の情報ギャップが悪化し、既存ローンポートフォリオのリスクが高まることで、国内信用の可用性が悪化する可能性。

### 実証的な発見（サンプルと効果）
- 分析サンプルは、先進国と新興市場国を合わせた計43か国。
- 主な発見：
  - マクロ経済の不確実性の高まりは、GDP成長率の下方テールリスクを悪化させる可能性がある。
  - この悪化は、とりわけ民間と公共部門が過剰なレバレッジを有している脆弱性が高い国で顕著である。
  - 金融環境の緩和は、短期的にはGDP成長率を押し上げる一方で、中期的にはGDP成長率の下方テールリスクを高める脆弱性の蓄積を助長するという異時点間のトレードオフを生じさせる。
  - マクロ経済の不確実性が高いと、特に金融市場のボラティリティが低い場合（「マクロ経済と市場のずれ」）に、上記のトレードオフが悪化する。
  - 金融市場のテールリスクと銀行貸出は、経済の不確実性がGDP成長率の下方テールリスクを増幅させる際の重要な経路である。
  - マクロ経済の不確実性は、世界的な金融・経済の相互連関により、国境を越えて波及する可能性がある。

### 政策含意と推奨行動
- 国内のマクロ経済の不確実性と、それがマクロ金融の安定性に及ぼす悪影響を軽減するための政策手段：
  - 信頼性の高い政策枠組みを構築すること。
  - コミュニケーション戦略を改善すること。
  - 特にマクロ経済の不確実性が高い場合には、緩和的な金融環境のもとで適切なマクロプルーデンス政策を実施すること。
  - 公的債務の対GDP比の積み上がりを抑えることにより、マクロ金融の脆弱性に対する頑健性を構築すること。
  - 適切な外貨準備バッファーと為替レートの柔軟性は、他国でのマクロ経済の不確実性の高まりによる自国経済の下振れリスクを緩和し得る。
  - 地政学的な不確実性の高まりによるマクロ金融の安定性に対するリスクを定量化、管理、軽減するためにリソースを割くべきである。

*出典: ch2sum*

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