## 第2章  地政学的リスク：資産価格と金融安定性への影響

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### 概要
- 世界の地政学的リスクは高止まりしており、マクロ金融の安定性に及ぼす潜在的影響に関して懸念が生じている。
- 本章は、地政学的リスクイベントが金融資産の価格に与える影響を評価し、金融安定を維持するためにとり得る政策措置について議論している。

### 主な所見
- 地政学的リスクイベントが資産価格に与える影響は総じて限定的である。
- ただし、重大なイベント、とりわけ軍事紛争は、株価の大幅な下落につながり、ソブリンリスク・プレミアムを上昇させる可能性がある。
- 財政余地や外貨準備バッファーが限定的な新興市場国への影響は特に大きい。

### 伝播経路と影響
- 地政学的リスクは、以下の経路を通じて他国に波及する可能性がある：
  - 貿易や金融の連関
  - 世界的な一次産品価格の変動
- 例：ある国の主要な貿易相手国が国際的な軍事紛争に関わっている場合には、その国の企業の株価が大幅に下がる。

### 市場の織り込みとボラティリティ
- 投資家は株式・オプション市場に地政学的リスクを一定程度織り込む傾向がある。
- しかし、地政学的リスクが顕在化すれば金融市場のボラティリティを誘発しかねない。

### 金融安定性への影響（銀行・ノンバンク）
- 特に新興市場国において、地政学的リスクイベントは銀行やノンバンク金融機関の安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。
- 観察された行動：
  - 銀行株は、母国または主要な取引相手国が国際的な軍事紛争に関わっている場合に下落する傾向があり、これが与信活動の落ち込みにつながる。
  - 紛争に関わっている国に対するエクスポージャーがある投資ファンドは、収益の低下と資金流出に直面する傾向がある。

### 政策提言
- 金融機関とその監督機関は、地政学的リスクの特定・定量化・管理を行うため、ストレステストやシナリオ分析などを通じて十分なリソースを配分すべきである。
- 新興市場国と発展途上国は、負の地政学的ショックを緩和するために以下を継続すべきである：
  - 金融市場の発展・深化
  - 十分な財政政策余地および外貨準備の維持

*Source: ch2sum*

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