## 第2章　世界の為替市場におけるリスクと頑健性

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### 概要
- 外国為替(FX)市場は、ノンバンク金融機関の参入拡大や、為替リスクのヘッジと資金調達を目的としたデリバティブの利用増加を背景に、世界で最も大きく最も流動性の高い金融市場となっている。
- 市場の成長により市場流動性が高まりリスクは分散された可能性がある一方で、市場の複雑化と相互連関性の増加により、ストレスイベントに対する脆弱性は高まっている。
- 本章は、主要通貨のFX現物取引とスワップ取引に関するクロスカントリーな独自データセットを用い、マクロ金融の不確実性の高まりがFX市場の機能度および金融システムの安定性に及ぼす影響を分析している。

### 主な発見
- 不確実性が高い時期には、安全資産への逃避やヘッジ需要が誘発される傾向がある。
- こうした時期には特に新興国通貨で次の影響が観察される。
  - 外貨調達コストの上昇
  - ビッド・アスク・スプレッドの拡大
  - ファンダメンタルズを超えた為替リターンのボラティリティの増大
- これらの圧力は、以下の構造的脆弱性によって増幅される。
  - 金融機関のバランスシートにおける大幅な通貨のミスマッチ
  - 少数のディーラーへの依存
  - 取引活動におけるノンバンク金融機関の参入拡大

### FX市場のストレスの波及とマクロ金融への含意
- FX市場のストレスは他の金融市場に急速に波及し得る。
- 影響のメカニズムとしては以下が挙げられる。
  - 資金調達コストとヘッジコストの上昇が株式や債券のリスクプレミアムに波及する可能性
  - 金融機関の仲介能力の阻害
  - 金融環境のタイト化に伴うマクロ金融の安定性に係るリスクの拡大
- こうした影響は、通貨のミスマッチが大きい国や財政リスクが高い国など、マクロ金融の脆弱性が高い国で特に大きい。

### 決済リスクおよびオペレーショナルリスクの露出
- FX市場はマクロ経済の負のショックに影響されやすいだけでなく、以下の業務執行上の混乱に対するエクスポージャーも高い。
  - サイバーインシデント
  - 決済リスク（当事者の一方が売渡通貨を支払ったものの、取引相手から買入通貨を受け取ることができない可能性）
- 決済リスクは特に新興国市場や発展途上国で高いと分析される。その理由として、多くの国が多通貨同時決済(PvP)メカニズムなどのリスク緩和の枠組みに沿っていない点が挙げられる。

### 政策と対応（頑健性強化策）
- 政策当局はサーベイランスを強化し、FX市場のストレスから生じるシステミックリスクを監視する必要がある。
- 強化された流動性ストレステストとシナリオ分析は、FX市場の混乱が金融システム全体にどのように波及するかを評価する上で有用である。
- モニタリングのために優先されるべきデータ整備項目：
  - ノンバンク金融機関のポジションに関する重大なデータギャップの解消
  - 決済エクスポージャーに関する重大なデータギャップの解消
- 金融機関に求められる措置：
  - 十分な資本・流動性バッファーの維持
  - 強固な危機管理の枠組みによる補完
- 業務執行面での頑健性強化：
  - サイバーセキュリティと緊急時対応計画の改善により、主要な参加者とインフラが混乱時に迅速に回復できるようにすること
- 決済リスク緩和措置：
  - PvPの広範な採用は重要なセーフガード
- 市場構造・インフラの改善：
  - 取引プラットフォームと決済・清算プラットフォームの設計や頑健性を強化することで、取引コストを削減し、ボラティリティを抑え、カウンターパーティリスクと決済リスクの両方を抑制できる。

*出典: 第2章 世界の為替市場におけるリスクと頑健性（出典PDF: ch2sum）*

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