## 第2章 ヘッジファンドと金融安定性

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### 概要・主要所見
- ヘッジファンド部門は国際金融市場で重要性が増している。
- 保有資産は約13兆ドルで、2013年の水準の3倍超に達している。
- グロスの想定元本エクスポージャーは約40兆ドルである。
- 2万5,000以上のヘッジファンドに関する高粒度データから、少数のファンドマネジャーが運用資産の大部分を占める「集中度の高い部門」であることが示されている。
- ポートフォリオの類似性の高まり、群集行動、取引の集中といったリスクが増大している。

### ヘッジファンドの構造と脆弱性
- 投資戦略や借入に対する制約がほとんどなく、市場を跨いでエクスポージャーを迅速に調整できる。
- レバレッジは少数の戦略に集中している。
- レバレッジ供与は主に最大手のディーラー銀行（プライム・ブローカー）から提供されている。
- 最終投資家はファンドのパフォーマンスに非常に敏感であり、一斉の資金引き揚げの可能性が高い。
- レバレッジ、ポジションの集中、投資家による償還の連動が結びつくと、一斉のレバレッジ解消と資産売却を引き起こす可能性がある。

### 市場機能とストレス時の影響
- 平時（市場が落ち着いている局面）では、ヘッジファンドは価格変動に応じて取引を行い、流動性と価格発見を下支えする傾向がある。
- 市場ストレス下では、小規模なファンドを中心に安定化の役割が弱まる。
- ストレス局面では、より脆弱なファンドが保有する株式はより大幅に下落し、ボラティリティも一段と高まる。
- 高いレバレッジが、ポジションの集中や投資家による資金引き揚げの連動と組み合わさっている場合に影響が特に顕著。
- ヘッジファンドへの負のショックがプライム・ブローカーである大手ディーラー銀行に波及すれば、ストレスはヘッジファンド部門以外にも拡大する可能性がある。波及効果はリスクとレバレッジがより高い顧客を抱える銀行でより顕著となる。
- 世界的なリスクショックは、ヘッジファンドの存在感が大きく流動性が低い市場において株価への影響をより広範に増幅させる可能性がある。
- 外国為替市場では、ポジションが集中しレバレッジの高いキャリートレードが負のショックを受けて急速に巻き戻されると、市場ボラティリティが増幅し、他の資産クラスへ波及する可能性がある。

### 政策対応と推奨
- 監視強化の必要性
  - レバレッジやデリバティブのエクスポージャー、証券金融取引、プライム・ブローカーとの関係、投資家の償還の仕組みなどのデータギャップを解消することが優先事項である。
  - 国境を越えた報告と情報共有の仕組みを強化することが不可欠である。
- システム全体の分析
  - システム全体のストレステストやシナリオ分析は、脆弱性や増幅経路が顕在化する前に特定する上で有用である。
- 活動ベースの措置（脆弱性が多くのファンドの一斉レバレッジ解消から生じる場合）
  - 担保管理の強化など、活動ベースの措置が適切となりうる。
- 主体ベースの措置（リスクが特定の企業やエクスポージャーに集中している場合）
  - リスクベースのレバレッジ上限や大口エクスポージャーの制限といった主体ベースの措置が必要となりうる。
- プライム・ブローカーに関する監督
  - 監督当局はプライム・ブローカーによる強固なカウンターパーティー・リスク管理の維持を徹底する必要がある。
- 中央銀行の役割
  - 中央銀行は、中核的な金融市場における深刻な機能不全に対処するために、信頼性があり、対象が絞られ、即時に運用可能なバックストップ措置を維持しなければならない。
- 国際協調
  - 一貫性のある実施を推進し各国・地域間で規制のアービトラージを抑制するために、国際協調が必要である。

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