## 第3章　広がるトークン化：効率化の可能性と新たな脆弱性

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### 概要
- 金融資産・負債をプログラム可能な分散型台帳上で表現するトークン化は、発行、取引、清算、決済、資産管理、報告を共有インフラ上に移行することで、金融市場を大きく変える可能性がある（Global Financial Stability Report, October 2026）。
- トークン化は複数の仲介業者が個別の台帳を照合する必要性を減らし、業務上の摩擦を軽減し、透明性を高め、自動化を促進し、新たな市場設計を実現する可能性がある（Global Financial Stability Report, October 2026）。

### 市場規模と分布
- トークン化された現実世界資産（レポ取引を除く）の市場規模は約650億ドルに達している（Global Financial Stability Report, October 2026）。
- トークン化されたレポ取引の取引額は約3,000～3,500億ドルに達している（Global Financial Stability Report, October 2026）。
- トークン化市場は従来の資本市場に比べて依然として規模が小さい（Global Financial Stability Report, October 2026）。
- 発行は少数の地域に集中している一方、取引はさまざまなプラットフォームやネットワーク、決済の仕組みの間で非常に細分化されている（Global Financial Stability Report, October 2026）。

### 主な普及阻害要因（制約）
- 法的確実性、規制の明確性、相互運用性、安全かつ健全で拡張可能な決済の4つが主要な制約である（Global Financial Stability Report, October 2026）。
- 市場参加者が必要とする明確性：
  - 所有権と決済のファイナリティ（完了性）
  - カストディ（保管）と破綻時の取扱い
  - 国境を越えた執行可能性
- 規制当局の対応：
  - 「同一業務、同一リスク、同一規制」の原則を適用する必要性
  - 分散型台帳、スマート契約、カストディ、記録管理、決済に既存のルールが対応できない場合は枠組みを見直す必要性
- 相互運用性に関する課題：
  - 流動性が互いに隔絶されたネットワーク内に滞留するのを防ぐために不可欠
  - ブリッジやその他のネットワーク間仕組みはサイバー脆弱性や業務上の脆弱性をもたらす可能性がある
- 決済資産の重要性：
  - 安全で広く受け入れられた決済資産がなければ、期待される効率性の向上は実現できない恐れがある

### トークン化株式の初期実証分析
- 取引時間帯と需要：
  - 取引活動の半分以上が米国の通常の取引時間外に発生していることは、時間帯を問わない取引への実際の需要を示唆している。
- 端株需要：
  - 取引の約80%は1株未満であり、端株取引への需要を示している。
- 価格情報：
  - トークン化株式の価格は従来の市場にとって有用な情報を含んでいる可能性がある。従来型資産の価格は、市場が開くと間もなく、夜間に生じたトークン化資産の価格変動の大半を織り込んでいる。
- 流動性と変動性：
  - 分散型取引所の場合、従来型の取引所に比べて依然として流動性がはるかに低く、変動も約1.5倍大きい。
  - 価格は総じて従来市場の価格に近い水準で推移しているが、取引量の少ない取引所では乖離がより大きくなっている。

### 金融安定性への影響とリスク伝播
- 現時点ではトークン化市場の規模が小さいためシステミックリスクは限定的である（Global Financial Stability Report, October 2026）。
- トークン化は脆弱性の蓄積やショック伝播の仕組みを変える可能性がある：
  - 分散型ネットワークに関連した業務、ガバナンス、インフラのリスクが重要性を増す。
  - 決済の迅速化や担保移動性の向上、証拠金管理の自動化、継続的な取引、プラットフォーム間のコンポーザビリティは、流動性の急激な流出や投げ売り、市場間の相互連関、ショックの波及を引き起こす可能性がある。
  - レバレッジ、景気循環を増幅するレバレッジ解消といった従来の金融安定性リスクを増大させる可能性がある。

### 政策提言（優先事項）
- 技術中立的アプローチを採用しつつ、金融安定性を維持し不要な制約を取り除くべきである。
- 具体的な優先事項：
  - 法的確実性や規制の明確性を整備する。
  - 相互運用性基準を確立する。
  - 安全な決済の仕組みを構築する。
  - 業務面およびインフラ面での依存関係の監視を強化する。
  - アトミック決済が流動性に及ぼす影響の評価を行う。
  - トークン化市場と従来市場の関係を監視する。
- 規制当局は既存ルールが対応できない分野について枠組みを見直すべきである。

### 新興市場国への示唆
- トークン化は資本市場の整備を補完しうるが、以下の根本的な改革に取って代わることはできない：
  - 厚みのある投資家層
  - ベンチマークとなる価格設定
  - 流通市場の流動性
  - 強固な法的・監督枠組み

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/gfsr/2026/october/japanese/ch3sum.pdf_
