## apd-reo-japanese-1018

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### 概要（要旨）
- 過去50年間でアジアは貿易と海外直接投資（FDI）、高い貯蓄率、人的資本・物的資本への大規模投資、堅実なマクロ経済により成長を牽引。  
- アジアは世界経済成長の60%以上を生み出しており、2018年には5.6%の成長、2019年には5.4%の成長を予測。  
- 直近の下振れリスク：金融市場のボラティリティ上昇、貿易摩擦の激化、中国での勢いの弱まり。  
- 長期的課題（列挙）：
  - 貿易の低迷・保護主義の拡大（自給自足志向のリスク）。  
  - 人口の高齢化（「豊かになる前に老いる」リスク。国別差：日本、韓国、タイなどで人口ボーナス消失）。  
  - 生産性の伸び悩み（R&D投資低下、貿易・FDIの停滞、企業レベルでの不適切なリソース配分）。  
  - デジタル化の進展（生産性向上の原動力となる一方、破壊的影響や労働市場・金融安定へのリスク）。  
- 本報告書および4つのバックグラウンドペーパーに基づく主要政策勧告を提示。

### マクロ政策・短期対応（主な勧告）
- マクロ政策は総じて慎重な運営を継続：
  - 物価上昇率が低く、下振れリスクが高まる状況では、財政政策はバッファー構築を重視。大半の国は緩和的な金融政策を維持してよい。為替は柔軟性を維持すべき。  
  - 物価上昇が高い国や資本フローが不安定な国では金融政策の引き締めを維持する必要。  
- 貿易と投資の自由化を推進。サービスセクター中心の自由化で外需縮小を相殺可能。  
- 生産性強化：ゾンビ企業の淘汰、参入・撤退の促進、過剰債務対応、イノベーションと貿易開放性の促進。  
- デジタル経済の機会活用：教育、インフラ、規制環境改善によりデジタル化の利点を強化。金融安定と労働市場調整政策が重要。

### 景気局面と短期見通し・リスク
- 世界見通し：2018–19年で世界経済は3.7%の成長が予測（2018年4月のWEO予測から0.2%ポイント下方修正）。  
- アジアの短期見通し（数値は出典の通り）：
  - 2018年：5.6%（4月予測から変更なし）。  
  - 2019年：5.4%（4月予測から0.2%ポイントの下方修正）。  
  - 中国：2018年6.6%（据え置き）、2019年は6.4%から6.2%へ下方修正。  
  - 日本：2018年の成長見通しを1.2%から1.1%へ下方修正。  
  - インド：2018-19年度7.3%、2019-20年度7.4%（それぞれ前回予測から0.1%ポイントと0.4%ポイントの下方修正）。  
- 物価見通し：アジア全体で2018年2.7%、2019年2.9%へ上昇する見込みだが、多くの国は物価目標を下回る見込み。  
- リスク（短期・中期とも下振れ優勢）：
  - 貿易摩擦の激化（米中関税措置など）：サプライチェーン混乱、投資・貿易の縮小。  
  - 世界的金融環境のタイト化：急速な利上げやリスク選好後退が資本流出・借入コスト上昇を通じアジアへ波及。  
  - 国内要因：各国固有の脆弱性（中国のレバレッジ問題、韓国の民間レバレッジ、オーストラリア・香港の不動産高騰、インドの改革遅れなど）。  
- 対策（耐性強化）：為替の柔軟性維持、金融政策は物価目標に基づき独立運営、マイクロ／マクロプルーデンス強化、財政はバッファー構築と長期成長促進、構造改革で潜在成長力と包摂性向上。

### 貿易の役割と将来（発見とシナリオ）
- 貿易開放性は1990年代後半〜2000年に急増したが、世界金融危機以降は頭打ちまたは低下。グローバルバリューチェーンの成熟が一因。  
- モデルシミュレーション（IMF 2018b）主要点：
  - 最近実施・計画の関税措置だけでも中国の総生産に対する影響は最初の2年間で最高1.6%に達しうる。アジア地域全体ではGDPが最大0.9%減少する恐れ。  
  - 追加関税・深刻化シナリオでは影響拡大。企業の信頼低下や金融市場への悪影響が加わると更に大きな落ち込みが生じ得る。  
- 貿易自由化シナリオ（IMF 2018bの3種類）：
  - シナリオ1（中国が財関税廃止、サービスの非関税障壁削減）：アジア貿易拡大、生産性・GDP上昇。  
  - シナリオ2（アジア諸国間で相互にシナリオ1を実行）：より大きな貢献。  
  - シナリオ3（アジア全域が世界に対して自由化、FDI規制も緩和）：アジアのGDPは平均で12%近く高まる可能性があり、中にはGDPが20%近く増加しうる国もある。  
- 政策的含意：多国間自由化が望ましいが、域内でのプルリ合意も有益。サービス貿易と投資制度の自由化を優先。自由化実施には時間と国内調整が必要で、労働市場政策・社会セーフティネット・インフラ投資が不可欠。

### 生産性向上：企業ダイナミズムとゾンビ企業
- データ：2003–2015年の企業レベル（Orbis）データ分析（中国、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ）。  
- 主な発見：
  - 企業ダイナミズムの低下（新興企業の割合減少）。  
  - 「ゾンビ」企業（定義：設立後10年以上でICRが3年連続1未満）の割合は増加中（ただしイタリア・スペインほどではない）。  
  - 新興企業は生産性伸びが大きい一方、ゾンビ企業は生産性伸びが鈍く、他企業に利用され得たリソースを吸収する傾向。  
  - 企業生産性向上は「無形資本深化（R&D等）」「輸出部門所属」「外資系」と結びつく。  
  - 世界金融危機の影響は一時的ではなく長期化し、特に高レバレッジ企業で投資の低迷が続いた。  
- 政策的示唆（3分野）：
  - 企業ダイナミズム促進：破産処理制度改善、財政難企業延命スキーム廃止、モノの市場の競争障壁除去、労働市場の柔軟性向上。  
  - 過剰債務対策とレバレッジ抑制：賢明な債務解消・企業再建計画、制度枠組整備と税制支援、マイクロ・マクロのプルーデンス規制導入。資本構成を債務から株式へシフトする税制（例：ACE）によりレバレッジ低下と資本投資拡大を期待。  
  - イノベーションと貿易開放性推進：R&Dインセンティブ拡大、知的財産権制度強化、研究助成コンペ導入、国際貿易・外国投資に対する開放性維持・強化。

### デジタル革命：機会とリスク（導入部）
- デジタル化・自動化（AI、ロボティクス、計算力、暗号技術、ビッグデータ等）は相乗効果で加速し、経済のあらゆる部門に広範な影響。  
- ポテンシャル：汎用技術として生産性を大幅に向上させ、人々の働き方や生活を根本的に変える一方、労働市場の破壊や金融安定へのリスクも内包。  
- アジアの寄与：過去20年のアジアの1人あたり成長率のほぼ3分の1がデジタル革新によって実現（詳細はバックグラウンドペーパー）。  
- 政策焦点：デジタル化の利点を最大化しつつ、雇用・金融安定への負の影響を緩和する教育、インフラ、規制改善と社会的支援。

### タイムラグとデジタル化の段階
- 新たなテクノロジーと補完的イノベーションの蓄積と設備投資が積み上がって初めて恩恵が顕在化するため、効果の顕在化にはタイムラグがある。  
- 同様に、相当な破壊や混乱も時とともに徐々に生じ得る。  
- デジタル化に伴う機会も課題も、おそらくまだ完全には顕在化していない。

### アジアのデジタル化の現状とばらつき
- 地域でばらつきはあるが、アジアはデジタル革命の最先端を走っている（IMF 2018d）。  
- デジタル技術の普及に関してアジアは他地域よりもばらつきが大きいが、どの所得レベルにおいても同水準の他地域の国々よりも先行。  
- 低利用度の国々でも現在急速に利用度が高まっている。

### ロボットと自動化の展開（主要数値）
- 世界の産業ロボットの優に3分の2がアジアで使用。  
- 2010年以降、ロボット使用は加速。中国は市場のおよそ30%を占める単独首位ユーザー。  
- 2016年には中国、日本、韓国がそれぞれ米国を上回る数のロボットを使用。  
- ロボット密度が高く急上昇している国が複数あり、韓国とシンガポールがロボット密度で世界をリード、ドイツと日本が続く。  
- 日本と韓国はロボット生産で先端にあり、日本が52%の市場シェア、韓国が12%の市場シェアを占める。

### 自動化の雇用への影響（IMF 2018dの試算）
- Acemoglu and Restrepo（2017）のアプローチに基づく分析では、ロボットは純ベースで製造業全体の雇用を破壊しているという証拠は出ていない。  
- アジアに限定すると製造業の雇用全体でわずかな悪影響が観察され、電子製品や自動車など自動化の進んだ産業での悪影響が顕著。  
- 教育レベル別では、中程度の学歴の労働者が失業リスクにさらされやすい。  
- 日本では高齢化と労働人口減少の環境下で、ロボット密度の上昇が生産性向上とともに地域の雇用や賃金にプラスの効果をもたらしている。

### eコマースの成長効果と企業への影響（主要数値）
- 中国のeコマース小売取引の世界シェアは約10年で1パーセント未満から40%超へ増加。  
- 小売総売上に占めるeコマースの浸透度：米国は10%、中国は現在15%。  
- eコマース参加企業の実証分析（IMF 2018d）：オンライン商取引に参加すると、全要素生産性が30%超改善し、総売上に占める輸出の割合が約2ユニット増加（50%増に相当）。  
- eコマースは小規模企業にとりわけ大きな利益をもたらす。  
- マッキンゼーの調査（Dobbs and others 2013）：中国のインターネット上での支出の60%は従来型小売からオンラインへ転じたものであり、約40%が新たに増えた消費。

### フィンテックと金融のデジタル化（機会とリスク）
- フィンテックは包摂性と効率を高め、潜在成長力や貧困削減を支援する可能性あり。  
- 例：携帯電話アクセスの拡大により、アジアの貧しい国の何百万もの個人や中小企業が低コストで金融サービスにアクセス可能。  
- 中国における個人消費のモバイル決済は2016年に7,900億ドルに達し、米国における同種決済の11倍の規模。  
- リスク：競争や規制、消費者保護、金融安定性の問題。暗号資産は資金洗浄や脱税、資本規制回避などの不正行為に絡むリスクをもたらす可能性あり。  
- 中国が規制を強める前は、ビットコイン取引量の90%超が対人民元であった。  
- 技術大手（例：アリババ、テンセント、バイドゥ、ゴージェック等）が金融サービスの重要プロバイダーとなり、従来型金融機関に競争圧力をかけている。  
- デジタル化の進展はサイバーリスクも増大させる。

### デジタル化と公共財政（数値・影響）
- デジタル化は税収や歳入の改善に貢献しうるが、税源浸食のリスクは存在。データ共有や源泉徴収の強化で対処可能。  
- 政府のデジタル化は取引申告の改善を通じてVATや関税などの歳入増を促進。  
- アジア諸国が世界最高水準には達しなくとも道半ばまでデジタル化を進めれば、輸入VATからの歳入はGDPの0.6%規模で増加しうる。  
- 世界トップ水準との差が大きいアジアの小国では、その伸びはGDPの約2.5%になると試算（IMF 2018d、図24）。  
- デジタル化は公共財政管理の強化や社会扶助対象の絞り込みなど公共支出の効率改善も可能。

### デジタル時代の政策と優先課題（具体例）
- 基本方針：デジタルイノベーション促進策とリスク対応策のバランス。  
- 具体的政策例：
  - 教育の刷新：柔軟なスキルセットや生涯学習に対応し、最も悪影響を受ける労働者向けの研修を提供。  
  - 労働市場調整：スキルと仕事のミスマッチを減らす。  
  - インフラ整備：物的インフラや規制インフラへの投資で競争やイノベーションを促進。  
  - 所得配分やセーフティネット：労働市場や社会の課題に対応するための措置。  
- 各国の当初状況が異なるため、政策優先順位は国や地域で異なる。地域協力や国際協力が効果的な対応策策定の鍵。  
- IMFはこの領域で重要な役割を果たせる。

### 中長期の成長戦略と政策の重要性（セクション6要旨）
- 課題：貿易依存型成長戦略の限界、人口の高齢化、生産性伸びの鈍化、デジタル化に伴う混乱。  
- 政策方向性：
  - 貿易・投資制度の自由化（特にサービス分野）で域内貿易を増やし、先進国向け輸出機会の縮小を相殺。  
  - 市場参入・退出を容易にし、企業の債務解消を助けることでミクロレベルの生産性低迷に対処。  
  - 教育、インフラ、規制環境の整備でデジタル化の恩恵を最大化し、労働市場調整の影響を緩和。  
  - 国際機関との連動・協調とそのガバナンスを通じた地域・国際レベルでの政策協調を継続。  
- 見通し：正しい政策を継続すれば、アジアは次の10年もそれ以後も最先端を走り続ける見込み。

*国際通貨基金 2018年10月*

### Section 1

### 最前線に立つアジア　今後10年間とその先に向けた成長課題

### 概要（要旨）
- 過去50年間でアジアは目覚ましい成功を収め、貿易と海外直接投資（FDI）、高い貯蓄率、人的資本・物的資本への大規模投資、堅実なマクロ経済が組み合わさって成長を牽引してきた。  
- アジアは世界経済成長の60%以上を生み出しており、2018年には5.6%の成長、2019年には5.4%の成長を達成すると予測されている。  
- 直近の下振れリスク：金融市場のボラティリティ上昇、貿易摩擦の激化、中国での勢いの弱まり。  
- 長期的課題（列挙）：
  - 貿易の低迷・保護主義の拡大（自給自足志向のリスク）。  
  - 人口の高齢化（「豊かになる前に老いる」リスク。国別差：日本、韓国、タイなどで人口ボーナス消失）。  
  - 生産性の伸び悩み（R&D投資低下、貿易・FDIの停滞、企業レベルでの不適切なリソース配分）。  
  - デジタル化の進展（生産性向上の原動力となる一方、破壊的影響や労働市場・金融安定へのリスク）。
- 本報告書および4つのバックグラウンドペーパーに基づく主要政策勧告（要旨は以下）。

### マクロ政策・短期対応（主な勧告）
- マクロ政策は総じて慎重な運営を継続すること。  
  - 物価上昇率が低く、下振れリスクが高まる状況では、財政政策はバッファー構築を重視。大半の国は緩和的な金融政策を維持してよい。為替は柔軟性を維持すべき。  
  - 物価上昇が高い国や資本フローが不安定な国では金融政策の引き締めを維持する必要。  
- 貿易と投資の自由化を推進。サービスセクター中心の自由化で外需縮小を相殺し得る。  
- 生産性強化：ゾンビ企業の淘汰、参入・撤退の促進、過剰債務対応、イノベーションと貿易開放性の促進。  
- デジタル経済の機会活用：教育、インフラ、規制環境改善によりデジタル化の利点を強化。金融安定と労働市場調整政策が重要。

### 景気局面と短期見通し・リスク
- 世界見通し：2018–19年で世界経済は3.7%の成長が予測（2018年4月のWEO予測から0.2%ポイント下方修正）。  
- アジアの短期見通し：
  - 2018年：5.6%（4月予測から変更なし）。  
  - 2019年：5.4%（4月予測から0.2%ポイントの下方修正）。  
  - 中国：2018年6.6%（据え置き）、2019年は6.4%から6.2%へ下方修正。  
  - 日本：2018年の成長見通しを1.2%から1.1%へ下方修正。  
  - インド：2018-19年度7.3%、2019-20年度7.4%（それぞれ前回予測から0.1%ポイントと0.4%ポイントの下方修正）。  
- 物価見通し：アジア全体で2018年2.7%、2019年2.9%へ上昇する見込みだが、多くの国は物価目標を下回る見込み。  
- リスク（短期・中期とも下振れ優勢）：
  - 貿易摩擦の激化（米中関税措置など）：サプライチェーン混乱、投資・貿易の縮小。  
  - 世界的金融環境のタイト化：急速な利上げやリスク選好後退が資本流出・借入コスト上昇を通じアジアへ波及。  
  - 国内要因：各国固有の脆弱性（中国のレバレッジ問題、韓国の民間レバレッジ、オーストラリア・香港の不動産高騰、インドの改革遅れなど）。  
- 対策（耐性強化）：為替の柔軟性維持、金融政策は物価目標に基づき独立運営、マイクロ／マクロプルーデンス強化、財政はバッファー構築と長期成長促進、構造改革で潜在成長力と包摂性向上。

### 貿易の役割と将来（主な発見と示唆）
- 貿易開放性は1990年代後半〜2000年に急増したが、世界金融危機以降は頭打ちまたは低下。グローバルバリューチェーンの成熟が一因。  
- モデルシミュレーションの結果（IMF 2018bに基づく主要点）：
  - 最近実施・計画の関税措置だけでも中国の総生産に対する影響は最初の2年間で最高1.6%に達しうる。アジア地域全体ではGDPが最大0.9%減少する恐れ。  
  - 追加関税・深刻化シナリオにより影響は一層拡大。企業の信頼低下や金融市場への悪影響が加わると、更に大きな落ち込みが生じ得る。  
- 貿易自由化のシナリオ（IMF 2018bの3種類）と影響概略：
  - シナリオ1（中国が財関税廃止、サービスの非関税障壁削減）：アジア貿易拡大、生産性・GDP上昇。  
  - シナリオ2（アジア諸国間で相互にシナリオ1を実行）：より大きな貢献。  
  - シナリオ3（アジア全域が世界に対して自由化、FDI規制も緩和）：アジアのGDPは平均で12%近く高まる可能性があり、中にはGDPが20%近く増加しうる国もある。  
- 政策的含意：多国間自由化が望ましいが、域内でのプルリ合意も有益。サービス貿易と投資制度の自由化を優先すべき。自由化の実施には時間と国内調整が必要で、労働市場政策・社会セーフティネット・インフラ投資が不可欠。

### 生産性向上：企業ダイナミズムとゾンビ企業
- 背景：2003–2015年の企業レベル（Orbis）データ分析（中国、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ）により、世界金融危機以降の生産性伸び悩みは持続的であり、企業レベルの要因が重要であることを示唆。  
- 主な発見：
  - 企業ダイナミズムの低下（新興企業の割合減少）。  
  - 「ゾンビ」企業（定義：設立後10年以上でICRが3年連続1未満）の割合は増加中（ただしイタリア・スペインほどではない）。  
  - 新興企業は生産性伸びが大きい一方、ゾンビ企業は生産性伸びが鈍く、他企業に利用され得たリソースを吸収してしまう傾向。  
  - 企業生産性向上は「無形資本深化（R&D等）」「輸出部門所属」「外資系」などと結びつく。  
  - 世界金融危機の影響は一時的ではなく長期化し、特に高レバレッジ企業で投資の低迷が続いた。  
- 政策的示唆（3分野）：
  - 企業ダイナミズム促進：破産処理制度改善、財政難企業延命スキーム廃止、モノの市場の競争障壁除去、労働市場の柔軟性向上（参入・退出障壁の緩和）。  
  - 過剰債務対策とレバレッジ抑制：賢明な債務解消・企業再建計画、制度枠組の整備と税制支援、マイクロ・マクロ両面のプルーデンス規制導入。資本構成を債務から株式へシフトする税制（例：ACE）によりレバレッジ低下と有形・無形資本投資の拡大を期待。  
  - イノベーションと貿易開放性推進：R&Dインセンティブ拡大、知的財産権制度強化、研究助成コンペ導入、国際貿易・外国投資に対する開放性維持・強化。

### デジタル革命：機会とリスク（導入部の要点）
- デジタル化・自動化（AI、ロボティクス、計算力、暗号技術、ビッグデータ等）の進展は複数技術の相乗効果で加速しており、経済のあらゆる部門に広範な影響を及ぼす。  
- デジタル革命は汎用技術として生産性を大幅に向上させ、人々の働き方や生活を根本的に変える潜在力を持つ一方、労働市場の破壊や金融安定へのリスクも内包する。  
- アジアは既にデジタル化から大きな利益を得ており、過去20年のアジアの1人あたり成長率のほぼ3分の1がデジタル革新によって実現されている（詳細はデジタル経済のバックグラウンドペーパー参照）。  
- 政策の焦点：デジタル化の利点を最大化しつつ、雇用・金融安定への負の影響を緩和する教育、インフラ、規制改善と社会的支援。

*国際通貨基金 2018年10月*

### Section 2

### apd-reo-japanese-1018 - Section 2

### タイムラグとデジタル化の段階
- 新たなテクノロジーと補完的イノベーションの蓄積と設備投資が積み上がって初めて恩恵が目に見えてくるため、効果の顕在化にはタイムラグがある。
- 同様に、相当な破壊や混乱も時とともに徐々に生じる可能性がある。
- デジタル化に伴う機会も課題も、おそらくまだ完全には顕在化していない。

### アジアのデジタル化の現状とばらつき
- 地域全体でばらつきはあるが、アジアはデジタル革命の最先端を走っている（IMF 2018d）。
- デジタル技術の普及に関してアジアは他地域よりもばらつきが大きいが、どの所得レベルにおいても、同水準の他地域の国々よりも先を行く。
- 低利用度の国々でも現在急速に利用度が高まっている。

### ロボットと自動化の展開
- 世界の産業ロボットの優に3分の2がアジアで使用されている。
- 2010年以降、ロボット使用は加速。中国は市場のおよそ30%を占める単独首位ユーザー。
- 2016年には中国、日本、韓国がそれぞれ米国を上回る数のロボットを使用。
- ロボット密度（労働者1,000人当たりの産業用ロボットの数）が高く急上昇している国が複数あり、韓国とシンガポールがロボット密度で世界をリード、ドイツと日本が続く。
- 日本と韓国はロボット生産でも先端にあり、日本が52%の市場シェア、韓国が12%の市場シェアを占める。

### 自動化の雇用への影響（IMF 2018dの試算）
- Acemoglu and Restrepo（2017）のアプローチを用いた分析では、ロボットが足し引きした純ベースで製造業全体の雇用を破壊しているという証拠は出ていない。
- ただし、アジアに限定すると製造業の雇用全体でわずかな悪影響が観察され、電子製品や自動車など自動化が進んでいる産業での悪影響が顕著（図22）。
- 教育レベル別では、中程度の学歴の労働者が失業リスクにさらされやすい（図22）。
- 日本では高齢化と労働人口減少の環境下で、製造業におけるロボット密度の上昇が生産性向上とともに地域の雇用や賃金にプラスの効果をもたらしている。

### eコマースの成長効果と企業への影響
- 中国のeコマース小売取引の世界シェアは、10年ほど前は1パーセント未満から40%を超えるまで増加。
- 小売総売上に占めるeコマースの浸透度：米国は10%、中国は現在15%。
- eコマース参加企業の実証分析（IMF 2018d）では、アジアにおいてオンライン商取引に参加すると、全要素生産性が30%超改善し、総売上に占める輸出の割合が約2ユニット増加（50%増に相当）する関係が示唆されている（図23）。
- eコマースは小規模企業にとりわけ大きな利益をもたらしている。
- マッキンゼーの調査（Dobbs and others 2013）では、中国のインターネット上での支出の60%は従来型小売からオンラインへ転じたものであり、40%近くが新たに増えた消費。

### フィンテックと金融のデジタル化の機会とリスク
- フィンテックは金融面の発展を促進し、包摂性と効率を高め、潜在成長力や貧困削減を支援する可能性がある。
- 例：携帯電話アクセスの拡大を利用して、アジアの貧しい国の何百万もの個人や中小企業が低コストで金融サービスを利用可能に。
- 中国における個人消費のモバイル決済は2016年に7,900億ドルに達し、米国における同種決済の11倍の規模だった。
- 競争や規制、消費者保護、金融の安定性の面でのリスクも存在。暗号資産は資金洗浄や脱税、資本規制回避などの不正行為に絡むリスクをもたらす可能性あり。
- 中国が規制を強める前は、ビットコイン取引量の90%超が対人民元であった。
- 技術大手（例：アリババ、テンセント、バイドゥ、ゴージェック等）が金融サービスの重要プロバイダーとなり、従来型金融機関に競争圧力をかけている。
- デジタル化の進展はサイバーリスクも増大させる。

### デジタル化と公共財政
- デジタル化は税収や歳入の改善に貢献しうるが、税源浸食のリスクは存在。データ共有や源泉徴収の強化で対処可能。
- 政府のデジタル化は取引申告の改善を通じてVATや関税などの歳入増を促進するはず。
- アジア諸国が世界最高水準には達しなくとも道半ばまでデジタル化を進めれば、輸入VATからの歳入はGDPの0.6%規模で増加しうる。
- 世界トップ水準との差が大きいアジアの小国では、その伸びはGDPの約2.5%になると試算されている（IMF 2018d、図24）。
- デジタル化は公共財政管理の強化や社会扶助対象の絞り込みなど公共支出の効率改善も可能にする。

### デジタル時代の政策と優先課題
- デジタル革命の結果は政策次第で変わるため、包括的な政策と新しい考え方が必要。
- 政策の基本は、デジタルイノベーションの促進策とデジタル化に伴うリスク対応策とのバランスをとること。
- 具体的政策例：
  - 教育の刷新：より柔軟なスキルセットや生涯学習に対応し、最も悪影響を受ける労働者向けの研修を提供する。
  - 労働市場調整：スキルと仕事のミスマッチを減らす。
  - インフラ整備：物的インフラや規制インフラへの投資で競争やイノベーションを促進する。
  - 所得配分やセーフティネット：労働市場や社会の課題に対応するための措置。
- 各国の当初状況が異なるため、政策優先順位は国や地域で異なるが、地域協力や国際協力が効果的な対応策策定の鍵。
- IMFはこの領域で重要な役割を果たせる。

### 中長期の成長戦略と政策の重要性（セクション6の要旨）
- アジアはダイナミックだが中長期には深刻な課題に直面：貿易依存型成長戦略の限界、人口の高齢化、生産性伸びの鈍化、デジタル化に伴う混乱。
- 政策対応の方向性：
  - 貿易・投資制度の自由化（特にサービス分野）で域内貿易を増やし、先進国向け輸出機会の縮小を相殺。
  - 市場参入・退出を容易にし、企業の債務解消を助けることでミクロレベルの生産性低迷に対処。
  - 教育、インフラ、規制環境の整備でデジタル化の恩恵を最大化し、労働市場調整の影響を緩和。
  - 国際機関との連動・協調とそのガバナンスを通じた地域・国際レベルでの政策協調を継続。
- 正しい政策を継続すれば、アジアは次の10年もそれ以後も最先端を走り続ける見込みがある。

*出所：本章は（IMF 2018d）に基づく。*

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