## アジア太平洋地域経済見通し — 見通しがばらつく中での着実な成長

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### 要旨と総括
- 急速なディスインフレと強靭な経済成長により、アジア太平洋地域はソフトランディング（軟着陸）の実現に近づきつつある。
- 域内では、ディスインフレの速度、成長の水準と原動力、景気局面に大きなばらつきが生じているため、各国は独自のニーズと環境に応じたきめ細かな政策調整が必要。

### 最近の実績と短期見通し
- 2023年下半期は金融引き締め継続と外需低迷という困難な状況だったが、予想を上回る経済活動を示した。
- 2023年の成長率は5.0%で、10月予測より0.4%ポイント高かった。
  - 想定外の上振れは新興市場国に集中し、その主要因は内需の力強さであった。
- 物価上昇率はアジア新興市場国を中心に現在まで低下し続けている。
  - 背景には、2022年と2023年初に迅速に講じられた金融引き締め、一次産品価格の下落、国際的な工業製品価格上昇の鈍化、コロナ禍後の操業再開による供給能力回復がある。
  - ただし、ディスインフレの程度と進行速度には国・地域間で差異があり、依然として価格圧力が持続する国やデフレリスクに直面する国がある。
- 2024年見通し：アジア太平洋地域の2024年全体の成長率は4.5%と予測される。
  - 2023年の成長の勢いと政策支援を反映し、昨年10月時点と比較して0.3%ポイントの上方改定。
  - 世界経済成長の約60%はアジア太平洋地域の貢献によると見込まれる。
- 2025年見通し：成長率予想は4.3%。
  - 主要因のひとつは、中国の構造的な減速である。

### リスク評価
- 短期的リスクは上振れと下振れの間で概ね均衡している。
- 上振れ要因：
  - インフレ後退に伴う金融緩和の前倒しが、アジアと世界の両方でソフトランディングの可能性を高める。
  - 欧州と米国が予想よりも好調な成長を遂げる場合、アジアの輸出国にとって上振れリスクとなる。
  - 中国で予想よりも大規模な政策支援が行われる場合は上振れリスク。
- 下振れ要因：
  - 地経学的分断と地政学的緊張の深刻化は中期的成長に対する重大な下振れリスク。
  - 中国で不動産部門に想定より深刻な調整が発生することは下振れリスクであり、両シナリオとも近隣国に波及しうる。
  - 日本のマイナス金利政策解除は現在まで円滑に進行しており、当初懸念された突然の価格変動による波及効果は和らいでいる。

### 政策の含意と提言
- 中央銀行の役割：
  - 価格圧力が根強い国でも、デフレリスクに直面する国でも、物価上昇率が目標へ順調に回帰するよう図るべきである。
  - 政策当局者は国内の価格安定性に注力し続け、予想される米連邦準備制度の金利面での行動に自国の政策決定を過度に依存させないこと。
- 財政政策と財政再建：
  - 公的バランスシートにとっては、債務水準と利払い費の増加が重荷となるため、財政再建に改めて注力することが適切である。
  - 高齢化や気候変動に起因する中期的構造課題に対処する際には、さらなる財政余地が必要である。
- 金融安定と監督：
  - 企業や家計のバランスシートは、過去2年間に引き締められた金融政策の影響をまだ反映しきっていない。
  - 監督当局はリスクの蓄積に対し今後も目を光らせるべきである。

*出典: アジア太平洋地域経済見通し（要旨）*

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