## 移り行く世界経済の展望

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### 概要
- 2016年の冴えない結果の後、2017年と2018年には、特に新興国・地域と途上国・地域において、経済が勢いを回復すると予想されている。
- アメリカの次期政権の政策スタンスに関わる不確実性と、それが及ぼすグローバルな影響を考えれば、可能な結果の予想をめぐって大きなバラつきがある。
- IMFスタッフの現時点の想定は、ある程度の短期的財政刺激と非伝統的金融政策からのいくぶん早い脱却を想定している。これらの想定は、アメリカのイールドカーブの傾斜がきつくなったこと、株価上昇、そして11月8日の選挙以来の大幅なドル高と整合している。
- OPEC加盟国と主たる産油国が供給削減で合意したことを踏まえ、石油価格の安定化も予測に織り込まれている。
- リスクは総じて下振れと見られている一方で、短期の成長については上振れのリスクも存在する。

### 2016年後半の展開（要点）
- 2016年第3四半期の世界産出の成長率は、約3パーセント（年率換算）である。
- 先進国・地域：在庫による足かせの減少と製造業産出のある程度の回復により、成長が予想外に強く回復。
- 新興国・地域・途上国（EMDE）：一部で固有の要因により予想外の減速があった。中国は政策刺激の継続で予想よりいくぶん高かった。ラテンアメリカの一部（アルゼンチン、ブラジル）やトルコでは弱かった。ロシアは石油価格安定化で予想よりいくぶん強かった。
- リード指標（製造業購買担当者指数等）は第4四半期においてほとんどの地域で強含みのまま推移。

### 主要一次産品価格とインフレ
- 石油価格は主要産油国が供給削減で合意した結果、ここ数週間で上昇した。
- 中国の堅調なインフラ・不動産投資とアメリカの財政拡張期待が相まって、鉄・非鉄金属価格も強含み。
- 先進国・地域の消費者物価指数は回復してきたが、コアインフレ率はほぼ横ばいで概ねインフレターゲットを下回っている。
- 中国では、4年以上続いたデフレの後に生産者価格インフレがプラスになり、インフレ率が上昇。
- 他のEMDEでは為替や固有要因によりインフレの動きは多様。

### 金融市場の動向
- 8月以降、長期金利は名目・実質ともに上昇。アメリカの10年国債名目利子率は8月以来ほぼ1パーセントポイント上昇し、アメリカ選挙以来60ベーシスポイント上昇（1月3日時点）。
- 長期金利上昇は主としてアメリカのポリシーミックスの転換期待に起因。
- ユーロ圏の長期金利上昇は比較的緩やか（ドイツで約35ベーシスポイント、イタリアで70ベーシスポイント）。
- アメリカ連邦準備銀行は12月に短期金利を引き上げたが、多くの先進国・地域では金融政策スタンスは概ね不変。
- 新興国・地域では金融環境が多様化。自国通貨建て債権の長期利子率が上昇し、全体としては引き締め。政策金利の対応も国によって異なる（メキシコ・トルコ：引上げ、ブラジル・インド・ロシア：引下げ）。

### 為替相場と資本の流れ
- 米ドルの実質実効レートは8月以来6パーセント以上高くなった。
- 先進一次産品輸出国通貨は上昇、ユーロおよび日本円は下落。
- 一部の新興国通貨は数カ月で大幅下落（特にトルコリラとメキシコペソ）。一部一次産品輸出国通貨（特にロシア）は上昇。
- 新興国における非居住者ポートフォリオは、数カ月の堅調な流入の後、アメリカ選挙の後に急激に流出。

### 予測（主要数値）
- 2016年の世界経済成長率：3.1パーセント（2016年10月予測と同じ）。
- 先進国・地域の経済活動は2017-18年に加速。先進国・地域の成長率（合計値）：2017年は3.4パーセント、2018年は3.6パーセント（これは10月予測と変わらない）。
- 先進国・地域の個別見通し：2017年は1.9パーセント、2018年は2.0パーセント（10月予測よりそれぞれ0.1、0.2パーセントポイント高い）。
- アメリカ：財政刺激によって、成長率が2017年には2.3パーセント、2018年には2.5パーセントになることを想定（これは10月予測と比べて、GDPの1/2パーセントポイントの累積増加に当たる）。
- EMDEの成長：2016年推計は4.1パーセント、2017年は4.5パーセント（10月予測より0.1パーセントポイント低い）、2018年は4.8パーセントと予測。

### 特に目立つ国別・地域別の改訂
- 中国：政策による後押しが続くと期待され、成長率が上方修正（10月予測より0.3パーセントポイント高い6.5パーセント）。ただし、財政刺激策への依存が続く場合、急激な信用拡張や企業債務問題対応の遅れにより急激な後退または破壊的な調整のリスクが高まる。
- ナイジェリア：治安改善に伴う石油生産増で予測上方修正。
- インド：当財政年度（2016-17年度）と次年度の成長予想は、それぞれ1パーセントポイント、0.4パーセントポイント下方修正。主因は紙幣回収と両替政策による現金不足と取引混乱による消費への一時的負のショック。
- 新興アジアの一部（インドネシア、タイ）：民間投資や消費・旅行の弱さを受け下方修正。
- ラテンアメリカ（アルゼンチン、ブラジル、メキシコ、ベネズエラ）：2016年後半の弱さや金融引締め、対米関係不確実性、ベネズエラの状況悪化等で下方修正。
- 中東（サウジアラビア等）：OPEC合意に基づく石油減産で2017年の成長は以前予測より弱くなる見込み。
- 多くの国で内乱が大きな足かせ。

### リスク（上振れと下振れの要点）
- 下振れリスク（中期的に特に懸念）：
  - 内向き政策と保護主義への傾斜が強まり、グローバルな貿易・人の移動が制限されれば生産性と所得を損なう。
  - 一部先進国・地域での損なわれたバランスシート、改革の停滞により長期の低成長・低インフレが続く懸念。
  - 大きな企業債務、収益性低下、脆い銀行バランスシート、手薄な政策バッファーを抱える新興国・地域は、厳しいグローバル金融環境、資本逆流、急激な為替下落の影響に脆弱。
  - 地政学的リスク：内戦・紛争、難民・移民問題、テロ、干ばつ、ジカ熱等が見通しを暗くする。
- 上振れリスク：
  - アメリカおよび/または中国における政策刺激が現在の想定より強ければ、成長がより加速し得る。
  - 世界需要回復への確信が強まり投資が増加すれば、上振れにつながる可能性。

### 政策（推奨の枠組み）
- 先進国・地域（産出ギャップがマイナスで賃金上昇圧力が弱い場合）
  - 金融政策は必要に応じて非伝統的手段を維持しつつ緩和的スタンスを続けるべき。
  - 金融政策のみでは需要喚起が不十分であるため、利用可能な政策余地に応じて、弱者を保護する志向で中期成長見込みを高めるような財政支援が不可欠。
  - 財政調整を先送りできない場合は、産出への悪影響を最小にするようペースと内容を設計。
- 先進国・地域（産出ギャップがあまり深刻でない場合）
  - 財政支援はセーフティーネット強化（場合によっては難民受入支援を含む）、高品質インフラ投資、供給サイドを考慮した公正な税制改革を通じて中長期の潜在産出増加に向けたものとすべき。
  - その場合には、しっかりと歯止めのかかったインフレ予想のもとで金融政策の段階的正常化が可能。
- 構造改革との組合せ
  - 緩和的マクロ政策は潜在成長率低下を阻止するような構造改革（労働参加率向上、技能投資、雇用マッチング改善、職種参入自由化、製品・サービス市場の活性化、研究開発を含む事業投資促進）を伴うべき。
- 新興国・地域と途上国・地域
  - 金融の弾力性を高めることで、グローバル金融環境の引き締め、急激な通貨変動、資本逆流に対する脆弱性を低減。
  - 巨額で増加する非金融部門債務、為替ヘッジをしていない対外債務、短期借入依存が高い構造の国では、リスク管理手法の強化とバランスシートのミスマッチ抑制が必要。
- 低所得国の優先課題
  - 緊要な資本ニーズと社会的経費への効率的支出の継続、債務管理強化、国内歳入源開発、経済多様化と生産性向上に向けた構造改革（教育改革を含む）によりバッファーを再構築。
- 一次産品安価の影響が大きい国
  - 為替レートが緩衝機能を果たす国では為替の調整を許容し、インフレ高進に対処するため金融を引き締め、必要な財政健全化を成長に結びつける。
  - ペグ制を採用し緩衝機能が弱い国では上記が特に重要。
- 多国間的取組みの重要性
  - 成長が弱く政策余地が限られる国が多いため、金融安定性リスクの最小化と生活水準維持のために多国間的協調が必要。
  - 市場開放の恩恵から不利益を被る人々を支援し、職業訓練で成長分野への再配置を図る政策を整備する必要。
  - 脱税・税逃れ防止のための多国間・国内取組み、金融機関の資本増強やバランスシート整理、効果的な銀行破綻処理の枠組み、ノンバンク金融仲介機関リスクへの対応等を継続的に進める。
  - より強いグローバルなセーフティーネットがあれば、ファンダメンタルは健全でも外的衝撃に弱い経済を守ることができる。
  - 2015年の「持続可能な開発目標」達成、気候変動対応、世界規模の伝染病防止など重要な長期課題に対して多国間協力が不可欠。

*出典: 2017年1月WEO改訂見通し（PDF 0117j）*

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