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### 総括と現状
- 世界経済の回復基調は2016年半ばに始まった。
- 世界の成長率は今年と来年3.9%に達する見込みで、昨年10月の見通しを上回っている。
- 回復は広範囲かつ力強く、ユーロ圏や日本、中国やアメリカの成長加速が寄与している。
- 一次産品輸出国の経済にもある程度の回復が見られる。
- 2010年以降で、2008年から2009年の金融危機直後の急回復期を除けば、これほど広範かつ同時に景気拡大が進んでいるのは初めてである。

### 見通しの特徴
- 先進国・地域（グループとして）は今年と来年、潜在成長率を超えるペースで成長した後、成長ペースを落とすと予測されている。
- 新興市場国と発展途上国では成長が加速した後、成長率が横ばいになる見込み。
- 一部の新興市場国や発展途上国（ブラジル、メキシコ、ヨーロッパの新興市場国など）は予測を超える成長が見込まれる一方、内戦等で大きく下方修正された国（リビア、ベネズエラ、イエメン等）が成長を押し下げている。
- 貿易と投資の拡大が世界経済の拡大局面を支えている。

### リスク（短期・中期）
- 第1章で提示されるように、今後数四半期では上振れリスクと下振れリスクが均衡しているが、時間と共に下振れリスクが強まる傾向にある。
- 金融政策の引き締めが想定より早く起こる可能性があり、特にアメリカでその可能性が顕著（アメリカでは完全雇用に近づく一方で財政政策がさらに拡張的）。
- 金融引き締めは新興市場国を含め大きな債務を抱える国や企業、世帯をストレスにさらす。
- 貿易制限や報復措置が悪循環を招くリスク。既に貿易戦争になりかねない第一歩が踏み出されているとの指摘。
- 政治的リスク：先進国での世帯所得の伸びが低下し、雇用・所得の二極化の深刻化が国家主義的政策や政治的反動を助長する可能性。

### 危機の後遺症と構造的課題
- 世界的に債務水準が高く、政策当局に対する懐疑心が強まっている。改革と財政バッファー構築の不履行は懐疑心を強め、将来的に望ましくない政治的結果を招くリスクとなる。
- 先進国・地域では少子高齢化と全要素生産性の上昇の鈍化が見込まれ、平均的な世帯の所得が危機前の伸び率に回帰することは困難。
- アメリカと中国ではマクロ経済の不均衡があり、政策支援が必要であるにもかかわらず、支援が次第に弱まる恐れがある。
- 今成長を加速させている国々も、未利用の労働力と資本を活用し尽くすと供給能力の限界に直面する。

### 各章の焦点（本レポート内）
- 第1章：見通しに対するリスクの提示（上振れ・下振れの均衡と時間経過による下振れ傾向）。
- 第2章：先進国・地域における労働参加率の低下（人口増加や年齢構成など構造的な雇用トレンド）。特に若年・壮年層の男性の労働参加率の低下を懸念。教育投資や税制などの政策で緩和可能だが、ベストプラクティスでも労働参加率は低下を続ける見込み。
- 第3章：世界的に製造業の雇用比率が低下（特に先進国で劇的）。テクノロジーとグローバリゼーションが要因で、所得格差拡大や発展途上国の「成長の罠」への懸念あり。サービス業にも生産性向上の可能性があり、政策は経済全体の生産性向上を目指すべきと論じる。具体的にはサービス貿易の障壁除去や人的投資の促進が必要。
- 第4章：国境を越えたイノベーション活動や技術ノウハウの伝播。先端国からの知識流入が所得格差縮小の重要要因であり、貿易と競争が知識の拡散を促進するプロセスとして機能する。政治的に優遇された産業を保護するための貿易制限は生産性成長を阻害する。

### 政策提言（要点）
- 今ある好景気の機会をとらえ、成長を支え持続性を高め、将来の景気後退に備えるための体制整備を行うこと。
- 政府は改革を実行し、財政バッファーを築くこと。これにより中期的な経済成長を加速させ、所得の低い層に恩恵を届け、将来のショックに対する耐性を高める。
- 金融政策と財政政策は慎重かつ未来を見据えた運営が必要。金融安定性を注意深く監視すること。
- 構造改革と税制改正により潜在成長率を高めること（人的投資や成長の果実の広い分配を含む）。
- 多国間協力は不可欠（貿易、グローバルな不均衡の解消、サイバーセキュリティ、気候変動などの課題で）。

*経済顧問　モーリス・オブストフェルド*

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