## weoupdatejpnjuly2019

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### 世界経済の現状と総括的見通し
- 世界の経済成長は低迷を続けている。2019年は3.2%、2020年は3.5%と見込まれる。両年ともに2019年4月のWEO予測から0.1%ポイントの下方修正。  
- 2019年の下振れリスクが中心であり、貿易・技術面での緊張、企業心理の悪化による投資減速、金融市場の脆弱性顕在化、ディスインフレ的圧力の強まりなどが挙げられる。  
- 景気回復の前提条件として、（1）金融市場の心理が総じてプラスを維持すること、（2）ユーロ圏を中心とした一時的要因の解消、（3）アルゼンチンやトルコなどストレス国の安定化、（4）イランやベネズエラなどでさらなる混乱が回避されることを挙げる。世界経済の成長率が2019年比で2020年に高まる分の70%近くは、ストレス国の安定化と回復で説明できる。

### 需要・物価・貿易の動向
- 最終需要は弱含みで、設備投資や耐久消費財需要が先進国・新興国でともに低迷。企業や家計は長期的支出を抑制。  
- 世界貿易（数量）の推移：2018年第4四半期は前年比で2%を割り込み、2019年第1四半期には対前年比で0.5%前後に落ち込む。特にアジアの新興市場国で顕著。  
- 部門別：サービス部門は堅調だが、製造業の減速が継続。企業支出（機械装置）や自動車等の耐久消費財支出が減速。  
- 物価上昇率は低水準：先進各国のコアインフレ率は目標以下または大幅に下回る（例：米国は目標以下、ユーロ圏・日本は目標を大幅に下回る）。新興市場・発展途上国でも多くの国でコアインフレ率は歴史的平均を下回る。  
- 一次産品・原油：石油価格は4月に大幅上昇したが、供給面要因（ベネズエラ、リビアの混乱、米国の対イラン制裁）に左右される。2018年の原油価格平均は$68.38（1バレル当たり）。先物市場に基づく想定価格は、2019年について$65.52、2020年について$63.88。

### 主要地域・国別の見通し（主要数値）
- 世界：2019年3.2%、2020年3.5%（各年とも2019年4月WEOから0.1%ポイント下方修正）。  
- 先進国：2019年1.9%、2020年1.7%。  
  - 米国：2019年2.6%（4月WEOから0.3%ポイント上方修正）、2020年1.9%。  
  - ユーロ圏：2019年1.3%、2020年1.6%（4月予測より0.1%ポイント上方修正）。  
  - 英国：2019年1.3%、2020年1.4%（2019年は4月WEOより0.1%上方修正、EU離脱の影響は依然不透明）。  
  - 日本：2019年0.9%（4月WEOから0.1%ポイントの下方修正）、2020年0.4%（2019年10月の消費税率引き上げによる変動は財政政策で幾分緩和される見通し）。  
- 新興市場国と発展途上国：2019年4.1%、2020年4.7%（4月時点の予測をそれぞれ0.3、0.1%ポイント下回る）。  
  - アジア新興国・発展途上国：2019–2020年ともに6.2%（両年とも4月WEOより0.1%ポイント低い）。中国は2019年6.2%、2020年6.0%（両年とも4月WEOより0.1%ポイント下方修正）。インドは2019年7.0%、2020年7.2%（両年とも0.3%ポイントの下方修正）。  
  - ラテンアメリカ：2019年0.6%（4月WEO比0.8%ポイント下方修正）、2020年2.3%。ブラジル2019年0.8%、2020年2.4%。メキシコ2019年0.9%、2020年1.9%。ベネズエラ2019年は約マイナス35%の見通し。  
  - 中東・北アフリカ・アフガニスタン・パキスタン：2019年1.0%、2020年約3.0%（2019年は4月WEO比0.5%ポイント下方修正、主にイランの下方修正による）。  
  - サブサハラアフリカ：2019年3.4%、2020年3.6%（両年とも4月WEO比0.1%ポイント下方修正）。  
  - 独立国家共同体（CIS）：2019年1.9%、2020年2.4%（2019年0.3%ポイントの下方修正、ロシアの下方修正が反映）。

（注：表の数値は文中の表から抜粋。原文に於ける注記・定義を参照。）

### 下振れリスクとシナリオ要素
- 主な下振れリスク：
  - 米中のさらなる関税対立、米国の自動車関税、英国の合意なきEU離脱等が景況感を悪化させ、設備投資を損ない、世界的サプライチェーンを混乱させ得る。  
  - リスク選好の急激なシフト：貿易摩擦の深刻化、高債務国の財政・債務問題悪化、新興市場のストレス増大が世界的な資本移動や借換え難を引き起こす可能性。  
  - ディスインフレ的圧力の強まり：物価上昇率・期待インフレ率の低下が債務返済困難を招き、投資抑制と金融政策の余地縮小を通じて成長を長期的に押し下げる可能性。  
  - 気候変動、政治的リスク、紛争：人道的コスト、移民圧力、一次産品市場の変動性を高める。  
- シナリオ依存性：2020年に見通しが好転する部分の約70%は、ストレス国の安定化と回復に依存。

### 政策提言と優先課題
- 多国間レベル（緊急課題）：
  - 貿易摩擦・技術面の緊張を緩和し、米国・EU間や北米などでの貿易協定変更に伴う不透明感を早急に解消すること。  
  - 二国間の貿易不均衡是正のために関税を用いるべきではない。ルールに基づく多国間貿易制度（WTO）の強化・近代化（デジタルサービス、補助金、技術移転等を含む）とWTO紛争解決制度の機能回復が必要。  
  - 気候変動の緩和・適応、国際的な課税回避対策、金融制度改革の後退阻止、国際機関の資金確保などで国際協調を強化すること。  
- 国レベル（先進国）：
  - 物価上昇力が弱く、期待インフレ率が低下しているため金融緩和政策が適切。だが金融緩和が金融脆弱性を高める場合は、マクロプルーデンス政策や規制アプローチを強化すること。  
  - 財政政策は、需要の平準化、社会的弱者の保護、構造改革を支える支出による潜在成長率の引き上げ、公共財政の中期的持続可能性の確保の間でバランスを取ること。景気がベースラインより悪化した場合は、より景気刺激的な政策に転じる余地を検討する。  
- 国レベル（新興市場国・発展途上国）：
  - 物価上昇率が低下している場合は中央銀行に緩和余地がある。GDPが潜在GDPを下回り、インフレ期待が安定している国は特に該当。  
  - 政府債務が急増しているため、財政支出は必要なインフラ・社会支出を優先し、恒常的で不明確な補助金よりも債務抑制を重視すること。低所得発展途上国は持続可能な開発目標達成を支援する支出配分が重要。  
  - マクロプルーデンス政策で資本・流動性バッファーを確保し、通貨と満期のミスマッチ最小化、変動為替相場の緩衝機能を維持する取り組みを継続すること。

### ボックス1：貿易摩擦、金融政策、国際金融環境（要旨）
- 直近3か月の主要動向：
  - 投資家は貿易摩擦や景気見通し悪化の影響を懸念。5月の過熱で株式下落、企業信用スプレッド拡大、新興市場ソブリン債スプレッド上昇、資本流入の減少が観測された。  
  - 多くの中央銀行は6月中旬以降にハト派シフトを示唆。米連邦制度準備理事会は政策金利の予想経路を下方にシフト、欧州中央銀行（ECB）は金利を少なくとも2020年半ばまでは据え置く方針（フォワード・ガイダンス延長）。その他の中央銀行もハト派寄りに転じる国（オーストラリア、ブラジル、チリ、中国、インド、フィリピン等）がある。  
  - 市場は中央銀行のより大幅な緩和を織り込み、世界の株価は5月の下落分の多くを取り戻し、市場金利は世界各国で下落。7月中旬時点での長期金利動向（国別例）：米国の10年物は約0.45%ポイント低下して2.10%、ドイツは約0.30%ポイント低下してマイナス0.25%、日本は約0.10%ポイント低下してマイナス0.12%。  
  - 以上の結果、国際金融環境は2019年4月のWEO以降さらに緩和しているが、その緩和は主に米国とユーロ圏で顕著。中国やその他主要新興市場では、全体的に見ると金融環境はほとんど変化していない。

*Source: weoupdatejpnjuly2019*

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