## 総括

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### パンデミックの人命・貧困への影響と景気見通し
- 今年に入ってから、新型コロナウイルスによって「100万人以上の命が失われており、犠牲者の数は増え続けている」。
- 深刻な症状に見舞われた人はもっと多い。
- 「9,000万人近くの人が今年中に極度の貧困に陥ると予測されている」。
- 私たちは、2020年の景気後退が6月の予測に比べて若干緩やかになるものの、依然深刻であると予測している。
  - この修正は、主要先進国における第2四半期のGDP実績値が予測されたほどのマイナスとはならなかったこと、中国における成長回復が予想以上に強力であったこと、第3四半期に景気回復が加速する兆候が見られることに由来する。
- 世界経済の回復は進んでいるが、「道のりは長くてばらつきが大きく、不確実なものとなる可能性が高い」。
  - 感染者が急増している一部の新興市場国・発展途上国では見通しが著しく悪化している。
  - 中国を除く新興市場国・発展途上国では、パンデミック前の予測経路と比べた2020-21年のGDP減少幅が先進国よりも大きくなると予測されている。
- パンデミックが拡大し続ける間は回復は確実でなく、感染再拡大による経済再開の中断や対象を絞った閉鎖措置の再導入が発生している。

### 公衆衛生対応と国際協力
- 検査の数が増え、治療法の改善が見られ、ワクチンの治験がかつてない速さで進められている。
  - 「中には、すでに試験の最終段階に達しているものもある」。
- ワクチンや治療法のイノベーションを「大規模に行われ、それがどの国にとっても利益となるようにすること」が重要である。
  - 治験中のワクチンに関する「事前購入契約」は製造の初期費用負担を支える一助となる。
  - 「どの国においてもワクチンを手頃な価格で流通できるようにするために、強力な多国間の要素」も必要。
- 国際社会は備品やノウハウの共有、国際的な保健機関による資金支援を通じて、医療能力が限られている国への支援を継続する必要がある。

### 各国の政策対応（短期・中期）
- 各国政府は既に様々な財政上の対策を講じている。
  - 所得の減少を緩和し、雇用を奨励し、社会扶助を拡充し、信用を保証し、企業に資本を注入する取り組みを含む。
  - こうした措置によって広範囲におよぶ企業倒産が回避され、雇用の部分的な回復が可能となってきた。
- しかし、雇用と労働参加はパンデミック前の水準を大きく下回っており、「危機が長期化するほどさらに何百万もの雇用がリスクにさらされる」。
  - 雇用を維持するには、各国政府が可能であれば「債務の返済猶予や投資的な支援を通じて、存続可能だが依然脆弱な企業の支援を継続することが重要」である。
  - 回復が確固たるものとなった時点で、政策は「長期的に見て縮小する可能性が高い部門（旅行業）から成長途上の部門（eコマース）への労働者の再配置を促進」する方向へシフトすべきである。
  - 移行過程では「所得移転や再訓練、技能再教育プログラムなどを通じて、労働者を支援する必要」が生じる。

### 財政制約と国際支援
- 先進国は概して、対GDP比でより大きな直接支出と流動性支援を提供できている一方、制約のある国は優先順位付けや対象限定の不十分な助成金の削減によって緊急支出の余地を生み出す必要がある。
- 一部の国は「現在進められている重要な各種イニシアティブを土台として、債権者やドナーから債務再編や贈与、譲許的融資の形での追加的な支援を必要とする」可能性がある。
- IMFは中心的な役割を果たしており、例として低所得国を対象とする「債務返済猶予を呼びかけ、債務に係る国際枠組み改革の必要性を訴え、一部加盟国に前例のないスピードで融資を提供してきている」。

### 中期的影響：成長、貧困、不平等、債務
- 本報告書は、危機発生以来で初めて「中期的な成長予測」を公表している。
  - 2021年に世界の景気は回復が予測されるものの、その後成長は顕著に減速すると見られている。
  - 先進国でも新興市場国でも、GDPはパンデミック前の予測を大幅に下回る可能性が高い。
  - 小国や観光に依存する国、一次産品を基礎とする国は特に困難な状況に置かれている。
- 多くの国で供給能力が長期にわたり損なわれ、GDPの損失が長引くことは生活水準の大幅な後退を意味する。
  - 「ここ20年来で初めて極度の貧困率が上昇するだけでなく、格差も拡大する見込み」。
  - 危機によって女性やインフォーマル労働者、学歴が相対的に低い人が特に大きな影響を受けている。
  - 広範な休校措置による人的資本蓄積の損失も深刻な課題を突きつけている。
- 公的債務水準は大幅に上昇すると見られる一方、潜在GDPの低下は課税ベースの縮小を意味し、債務の返済は一層困難となる。
  - プラス面として「低金利がより長く続く見通しであり、2021年には成長の回復が予測されていることもあって、多くの国で債務返済負担の軽減につながりうる」。
  - 債務が中期的に持続可能な道筋を外れないようにするため、各国政府は「税の累進性を強化し、無駄な支出を削減しつつ企業に応分の税を確実に負担させることが必要となるかもしれない」。

### グリーン回復・公共投資・包摂性
- 短期的な支援政策は、「より強力かつ公平で持続可能な成長の軌道に乗せることを視野に入れて設計する必要がある」。
  - 第3章で指摘するように、政策担当者は「気候変動の緩和とコロナ禍からの回復の下支えを同時に目指せる」。
  - 具体的手段として「大規模なグリーン公共インフラの推進や炭素価格の段階的引き上げ、移行を公正なものとするための低所得世帯向けの補償を含む包括的なパッケージ」が挙げられる。
- セーフティネットの拡大は、短期的に景気を下支えしつつ最も脆弱な層を保護する。
  - これは「多くの先進国でGDPが記録的な落ち込みを見せながらも可処分所得が比較的安定して推移したことに表れている」。
- 「医療や教育（パンデミック下で発生した損失の回復も含む）への投資」は、参加型で包摂的な成長の実現に資する。
  - 2020年10月の「財政モニター」は、不確実性が大きい時期には公共投資を行うべきだと強く主張している。

### 政策イノベーションと今後の課題
- この数か月間での政策上の重要なイノベーションには以下がある。
  - 欧州連合（EU）のパンデミック復興パッケージ基金。
  - 新興市場国の中央銀行による資産買い入れの導入。
  - サブサハラアフリカ諸国のような場所で社会扶助を支給するためのデジタル技術の新たな活用。
- こうした対応は経済の落ち込みの更なる悪化を防ぎ、効果的で適切に設計された政策が人々と経済的厚生を保護することを示している。
- 今後の政策は、危機の次段階に備えつつ「すべての人にとって安全かつ豊かな未来を創造できるよう、世界経済の持続的な改善を模索」する方向で設計されるべきである。

*経済顧問兼調査局長 ギータ・ゴピナート*

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