## 総括 (Foreword)

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### パンデミックの人的・経済的影響
- 新型コロナウィルスの感染拡大が世界的なパンデミックだと宣言されてから 1 年が経つ。多くの命や仕事が失われた 1 年であった。
- 2020 年には極度の貧困に陥った人が 9,500 万人増加し、新たに 8,000 万人が栄養不良になったと考えられる。
- IMF の試算では、世界中で展開された迅速な政策支援がなければ、昨年の大幅な落ち込みは少なくとも 3 倍の規模になっていた可能性がある。

### 回復の見通し（世界・時期・成長率）
- IMF は 2021 年と 2022 年に前回予測よりも力強い世界経済の回復を予測している。
  - 2021 年の成長率は 6.0%。
  - 2022 年の成長率は 4.4%。
- 地域・所得階層間で回復の速度は異なる。
  - 米国では今年中に GDP がコロナ禍前の水準を上回る見込み。
  - 多くの他の先進国ではコロナ禍前水準への回復は 2022 年以降になる見込み。
  - 中国は 2020 年中にすでにコロナ禍前水準に回復。
  - 多くの新興市場国・発展途上国では 2023 年になってもしばらくコロナ禍前水準を回復できない見込み。

### 回復の不均等性と中期的な「後遺症（scarring）」
- 回復速度差はワクチン普及のペース、経済政策支援の規模、観光依存度などの構造的要因と関係している。
- 中国を除く新興市場国と発展途上国では、コロナ禍前の予測と比較して 2020 年から 2022 年までに累積で失われる 1 人あたり GDP は 2019 年の 1 人あたり GDP の 20% に相当すると見込まれる。
- 先進諸国では同じ累積損失は 11% 相当と見込まれる。
- 世界金融危機後とはダメージの分布が異なり、今回は低所得国や新興市場国がより深刻な傷を負っている可能性が高い。

### 国内的格差と労働市場への影響
- 各国内で所得格差は拡大する可能性が高い。
- 若年労働者や比較的低技能労働者がより深刻なダメージを受けている。
- 新興市場国や発展途上国では女性の就業率が男性を下回っており、格差を深刻化させている。
- コロナ禍がデジタル化・自動化を加速させたため、失われた雇用の多くは戻らず、労働者は別部門への移転を余儀なくされることが多く、大幅な減収を伴う可能性がある。

### 政策上の重点（国内）
- パンデミックが続く間は、次を優先すること：
  - ワクチンの生産と流通、治療、医療インフラなどの医療支出。
  - 打撃を受けた家計や企業に対するしっかりと的を絞った財政支援。
- 復興が進むにつれ、的を絞った支援の規模は徐々に縮小し、急な打ち切りを避ける。
- 回復段階で重視すべき事項：
  - 労働者の再訓練や技能再教育、および移行を助ける所得支援。
  - 雇用助成金の拡大で雇用創出のインセンティブを与える。
  - 破産手続きの迅速化・合理化。
  - 失われた学習機会の回復に向けた教育支出の増加など。

### 政策上の重点（中期・構造改革）
- 回復を下支えし潜在 GDP を引き上げるため、政策は「強靭で、包摂的で、環境に配慮した経済」の構築に注力すべき。
- 優先事項の例：
  - グリーンインフラへの投資による気候変動緩和。
  - 社会扶助や社会保険の強化で格差拡大を阻止。
  - 生産能力向上、デジタル化適応のためのイニシアティブ導入。
  - 過剰債務の解消。

### 財政・資金調達上の実務的助言
- 財政余地が限られる国では次が不可欠：
  - 歳入管理の改善。
  - 税の累進性強化。
  - 必要な医療支出、社会支出、インフラ支出への歳出再配分。
- 政策を中期的枠組みに組み込み、債務透明性について厳しい基準を順守することにより借り入れコスト抑制と財政リスク軽減に資する。

### 国際協調の必要性と具体的行動
- 世界中で幅広くワクチン接種を確実に実施することが最優先。
  - 現状、世界人口の 16% の国々が供給量の 50% を事前に購入していると指摘。
  - ワクチン業界は通常年の 3 倍の水準で生産を試みているが、材料供給のボトルネックなどの課題がある。
  - 生産強化、COVAX ファシリティへの資金提供、輸出規制の回避が必要。
- 国際流動性へのアクセス確保が重要。
  - 主要中央銀行は将来の措置について明確なガイダンスを提供し、テーパータントラム（2013 年）のような事象を回避するための準備時間を与えるべき。
- 債務面の支援策例：
  - 債務支払猶予イニシアティブ（DSSI）に基づく債務返済の一時猶予の延長。
  - 秩序ある債務再編のための G20 の新しい共通枠組みの運用化。
  - IMF の特別引出権（SDR）の新規配分や、フレキシブル・クレジットライン（FCL）や短期流動性枠など予防的融資枠の活用が新興市場国・低所得国に有益。

### 金融市場のリスクと波及
- 長期金利の急上昇が見られる最近の動向に留意する必要がある。
  - これは米国経済の成長見通し改善に伴い、米連邦準備理事会の政策正常化ペースに関する市場予想が見直されたことが一因。
  - 金利上昇が秩序あるもので強い成長の反映なら問題は小さいが、先進国で金融政策スタンスが急速にタイト化すると、新興市場国・発展途上国に負の波及効果をもたらす可能性がある。

### 結語（行動の緊急性）
- 世界的に回復の差を拡大させないためには、まず公衆衛生危機を解消することが不可欠である。
- 各国は政策余地を踏まえつつ、持続的ダメージを抑え回復を確実にし、ポストコロナの世界への準備を行うべきである。
- 多国間レベルでの野心的な取り組みが必要であり、IMF はこれまでにコロナ禍で 85 か国に支援を提供している。

*IMF 経済顧問兼調査局長 ギータ・ゴピナート*

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