## 要旨（execsum）

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### 概要と主要な観察
- 新型コロナウイルスの感染再拡大下で世界経済の回復は継続しているが、パンデミックによる断層線はより根深くなっている。
- 短期的な格差が中期的な経済成長に持続的影響を及ぼすと見込まれる。ワクチンへのアクセスと早期の政策支援が格差の主な要因である。
- デルタ株の感染急拡大や新たな変異株の脅威により、パンデミック克服の時期に不確実性が高まっている。
- 雇用の伸び悩み、インフレの進行、食料不安、人的資本の蓄積の後退、気候変動など多面的課題に直面し、政策選択の余地が限られている。

### 成長見通し（予測）
- 世界経済の成長率予測:
  - 2021年: 5.9%
  - 2022年: 4.9%
  - 中期（2022年以降）: 約3.3%
- 2021年の成長率は2021年7月の「世界経済見通し（WEO）」改定見通しから0.1%ポイント引き下げられている。
- 2021年の下方改定は、先進国の供給混乱に伴う成長下方修正と、パンデミック悪化を主要因とする低所得発展途上国の成長率引き下げを反映している。一方で、一次産品輸出国の短期見通し改善が一部相殺している。
- 雇用は概してGDPの回復に後れを取る見通し。

### 地域・グループ別の見通し
- 先進国: 中期的にパンデミック前の中期予測を上回る見通し（主に米国で潜在成長率を高める追加政策支援が実施されるとの予想を反映）。
- 新興市場国・発展途上国: GDPの損失が長引く見通し（ワクチン普及遅延と政策支援の差に起因）。

### インフレ動向と見通し
- 米国や一部の新興市場国・発展途上国で総合インフレ率が急上昇。
- 多くの場合、インフレ進行はパンデミック関連の需要と供給のミスマッチや、一次産品価格が1年前の低いベース水準から上昇したことを反映。
- 第1章と第2章で論じる通り、物価圧力の大部分は2022年に和らぐ見込み。
- 一部の新興市場国・発展途上国では食料価格高騰、原油価格上昇の遅効、為替下落による輸入価格上昇により物価圧力が続く恐れ。
- インフレ見通しには、パンデミック展開、供給の乱れの継続期間、期待の変化などに起因する大きな不確実性が伴う。

### リスク（下振れ・上振れ）
- 成長見通し: 下振れリスクが大きい。最大の懸念は、ワクチン普及前により強力な新型コロナウイルス変異株が出現する可能性。
- インフレ見通し: 上振れリスクが大きくなっている。パンデミックが需要と供給のミスマッチを長引かせ、物価圧力が持続する場合、先進国で想定より早い金融正常化を促す可能性がある。（2021年10月の「国際金融安定性報告書（GFSR）」も参照。）

### 国際的優先課題と提言
- 世界的ワクチン普及の加速（最優先課題）:
  - ワクチン接種の加速は何百万人もの命を救い、新たな変異株出現抑止に寄与し、世界経済回復を早める。
  - IMFの提案: 2021年末までにすべての国で人口の最低40%に、2022年半ばまでには70%にワクチン接種を実施するための具体的かつ費用対効果の高いステップを示している。
  - 2022年半ばまでに70%の接種率目標は、当初提案の2022年半ばの60%から上方修正された。改定目標は世界保健機関による最新の世界予防接種戦略と一致。各国の目標は年齢層や政策展開に基づき調整する必要がある可能性がある。
- 国際的流動性と債務対処:
  - IMFの6500億ドル相当の特別引出権（SDR）一般配分は、強く求められている国際的流動性を提供した。
  - 資金面で制約を抱える国への流動性提供や債務救済が引き続き不可欠。
- 気候変動対策:
  - 温室効果ガス排出抑制の努力を倍増させることが重要。現行措置や削減目標では危険な地球温暖化を食い止めるには不十分。
- 貿易と国際協調:
  - 貿易をめぐる緊張を解消し、2018年から2019年にかけて導入された貿易制限を撤回し、ルールに基づく多国間貿易システムを強化すべき。
- 国際的法人税に関する合意:
  - 底辺への競争に歯止めをかけ、重要公共投資の資金調達のための財政強化にも資する法人税の国際的最低税率について合意を成立させるべき。

### 国レベルの政策アジェンダ（要点）
- 一般方針: 現地の感染流行や経済状況に応じて政策ミックスを調整し、政策枠組みの信頼性を守りつつ持続可能な最大雇用を目指す。
- 財政政策:
  - 優先度はパンデミックの段階による（2021年10月の「財政モニター」参照）。
  - 医療関連支出は引き続き優先。
  - 感染流行が長引き財政余地が限られる国では、ライフラインや給付をより的を絞り、最も深刻な打撃を受けた層向けとし、再配分のための再訓練や支援を提供する必要がある。
  - 医療指標が許せば、回復を確実にし長期の構造的目標に投資する措置に重点を移すべき。
  - 各種取り組みは債務持続可能性を確保する信頼性ある収支指標を用いて中期的枠組みに組み込むべき。
- 金融政策:
  - 中央銀行は一過性のインフレ圧力を見抜き、物価動向の基調が明確になるまで金融引き締めを避けうるが、回復が予想より早まる場合やインフレ期待が高まるリスクが顕在化した場合には迅速に行動する態勢を整えておくべき。
  - 雇用率が低迷する中でインフレが進行し、インフレ期待が不安定化するリスクが具体化した場合には、雇用回復を遅らせる可能性があっても金融政策を引き締めて物価圧力に先んずる必要があるかもしれない。
  - 逆にインフレ圧力が抑えられ、期待インフレ率が中央銀行の目標を下回り、労働市場の低迷が続く場合には、金融緩和策を維持してよい。
  - 未曽有の事態では、金融政策の見通しを透明性をもって明確に伝える重要性が高まっている。
- パンデミック後の経済への備え:
  - 人的資本蓄積の後退を逆転させること。
  - グリーンテクノロジーやデジタル化に関連した新たな成長機会の促進。
  - 格差削減と持続可能な財政の確保。
  - 第3章では、生産性向上に拍車をかけるための基礎研究投資の重要性を考察。

### 補足（ワクチン目標と費用の注記）
- 2022年半ばまでに70%接種率の目標は、パンデミック阻止の衛生・経済上の重要性に基づく。感染性の高い変異体増加により、当初提案の60%より高く改訂された。
- 改訂目標は2021年5月に発表されたIMF職員による当初の提案（500億ドル）で想定されていた下振れリスクシナリオと一致する。このシナリオでは、低所得国および低位中所得国に対して10億回分の追加接種を提供する。
- 改定目標は世界保健機関による最新の世界予防接種戦略と一致する。

*出典: https://www.imf.org/-/media/files/publications/weo/2021/october/japanese/execsum.pdf*

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