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### 回復の断層線と総括的見通し
- 世界経済は2021年に6.0%、2022年に4.9%の成長を遂げると予測されている。  
- 2021年の成長率予測は2021年4月WEOの数値から変わっていないが、先進国の上方修正と新興市場国・発展途上国の下方修正が相互に相殺している。  
- ワクチンへのアクセスが本年後半の経済活動正常化を左右する主要な断層線となっており、ワクチン利用が進む国（ほぼすべての先進国）と、引き続き感染再拡大に直面する国という二分化が進行している。  
- 多国間行動の重要性：公平なワクチン接種の推進、500億ドルの提案（WHO/WTO/世界銀行が承認したIMF職員による提案）、および6,500億ドルの特別引出権（SDR）一般配分が強調されている。

### 見通しを規定する主要要因
- ワクチン：
  - 先進国では人口の40%近くがワクチン接種を完了している。  
  - 新興市場国では接種完了率はその半分以下、低所得国ではごくわずか。  
  - 2021年末までにあらゆる国で人口の40%以上、2022年半ばまでに同60%以上の接種を目標とする。  
- 政策支援：
  - 米国の追加財政支援（「米国雇用計画」と「米国家族計画」を想定）やEUの「次世代のEU基金」などが先進国の見通しを押し上げている。  
  - 多くの新興市場国・発展途上国では財政バッファーの再構築が進む。  
- 金融政策：主要中央銀行は2022年末まで政策金利を変更せず維持する想定。一部の新興市場国は金融支援を縮小し始めている。  
- 一次産品価格：原油は2020年比で60%近く上回る水準まで上昇すると想定。原油以外の一次産品価格は2020年比で30%近く上回る見込み。  
- 民間活動への引き継ぎ：家計の超過貯蓄が多くの国で蓄積されており、再開に伴う取り崩しが民間支出の回復と物価動向を左右する。

### 物価上昇圧力と金融政策の示唆
- 最近の物価上昇は主としてパンデミックに関連した異例の動きと一時的な需給ミスマッチを反映している。  
- 見通しでは、多くの国で2022年には物価上昇率がパンデミック以前のレンジに回復すると予想されるが、一部の新興市場国・発展途上国では食料価格上昇などにより物価上昇率が高い水準で推移する可能性がある。  
- 中央銀行は概して一時的な物価上昇圧力を無視し、基調的な物価ダイナミクスが明らかになるまでは引き締めを回避すべきであり、金融政策見通しに関する明確なコミュニケーションが重要である。

### 下向きリスクと不確実性
- ベースラインに対する下振れリスクが優勢。主なリスク要因：
  - ワクチン普及の遅れによる新たな変異株出現。  
  - 物価上昇圧力の持続化に伴う金融環境の急速なタイト化。  
  - 新興市場国・発展途上国がパンデミック悪化と外部金融環境悪化の二重打撃を受けるリスク。  
  - 社会不安、地政学的緊張、サイバー攻撃、気象関連自然災害の頻度・深刻化。

### シナリオ分析（パンデミックの推移）
- 検討方法：標準的なSIRモデルとIMFのG20モデルを参考にした疫学モデルの組合せに基づく代替シナリオ分析。  

- シナリオ1（新興市場国・発展途上国での新たな波と金融環境のタイト化）：
  - 前提：2021年後半に新興市場国・発展途上国で新たな変異株が波を引き起こす。ワクチン供給は徐々にしか増加しない。物価上昇圧力が持続的で金融政策の正常化が早まる。  
  - 結果（影響）：世界の長期金利上昇とスプレッド拡大に伴う金融環境のタイト化。世界GDPはベースラインを2021年に約0.75%、2022年に1.5%低下。2025年までの累積世界GDP損失は約4.5兆ドル。新興市場国・発展途上国の累積損失は約3.5兆ドル。

- シナリオ2（感染力の強い新変異株が先進国にも波及）：
  - 前提：新たな変異株の感染力がアルファ株より50%高い、ワクチン有効性は同等、ワクチン接種はベースライン通り進むがワクチン忌避で接種率が頭打ちに。先進国でも移動量・活動が減少。  
  - 結果（影響）：世界経済の成長率は2021年と2022年にベースラインを0.8%ポイント以上下回る。新興市場国・発展途上国のGDP成長率は2021年と2022年に約1%ポイント下回る。先進国では約0.75%ポイント下回る。世界GDPは2025年までベースラインを約0.5%下回り、2025年までの累積損失は第1のシナリオに近接し、約4.5兆ドルを若干下回る。損失分布では先進国の累積損失が2.5兆ドル以上を占める。

### 多国間行動の政策的含意（要点）
- 最優先事項は世界全体で公平にワクチン接種を進めること。  
- IMF職員案の目標：2021年末までにあらゆる国で人口の40%以上に、2022年半ばまでに同60%以上にワクチン接種を達成し、十分な診断法と治療法を確保すること。これには無償資金と譲許的融資の事前提供で約500億ドルが必要と試算されている。  
- 供給と分配の不均衡の是正が世界経済の見通し改善と各国間格差縮小に不可欠である。

### ワクチン供給・公平なアクセスと生産能力拡大（Section 2）
- ほぼ半数の国で、1日当たりの接種回数が最近、2021年末までに40%目標を達成する上で必要な回数を下回っている。  
- COVAXに対する追加資金拠出は、低所得国91か国の住民の約30%をカバーするのに十分と考えられている。  
- 発注（COVAX）やAVAT等の地域的手配、二国間取引を組み合わせることで、新興市場国・発展途上国は最終的に60%の接種率目標を達成できる見込みだが、供給の大半は2021年末から2022年にかけてようやく行われる可能性が高い。  
- G7が本年中に約5億回分のワクチンを提供すると約束したが、目標達成には不十分であり、2021年中に合計10億回分のワクチンを分配する必要があり、そのうち少なくとも2億5,000万回分は9月までに実施しなければならない。  
- 追加的な措置・投資の必要性：
  - 余剰ワクチンを抱える国がワクチンを寄付すること。  
  - ワクチン製造業者が低所得国や低中所得国への供給を優先すること。  
  - ワクチンと原材料に関する輸出制限を撤廃すること。  
  - 世界のワクチン生産能力の拡大への投資（原材料から充填・仕上げ設備、拡張された倉庫・流通までのサプライチェーン投資）。  
  - 変異株追跡およびコロナ禍の医療面・経済面での負担を抑制するために、さらに約250億ドルの無償資金が必要。

### 資金支援と特別引出権（SDR）
- 多くの国が高い債務水準と限られた財源の下で危機に直面しており、国際流動性へのアクセスが極めて重要。  
- IMFの提案する6,5000 億ドル相当の特別引出権（SDR）一般配分は既存の準備資産を補う長期的かつ世界的な必要性に対応するものとされる（原文の数値を尊重して記載）。  
- この配分のうち、約2,750億ドルが新興市場国と発展途上国に割り当てられると見られる。  
- SDR配分は資金調達上の制約を抱える国がコロナ禍の影響を緩和するのを助け、トレードオフ管理に寄与する。対外ポジションが強固な国から脆弱な国へSDRを振り向け直すことにより効果が高まる。  
- 財政が持続不可能な場合や資金ニーズが非常に大きい場合には、債権者は債務返済期限延長、利払いと債務返済の猶予、G20共通枠組みの下での明示的な債務削減を行うべき。

### 気候変動緩和とグリーン投資
- 主要共通課題は炭素排出削減による地球温暖化抑制であり、脆弱な国ほど排出割合が小さく、財源は限られている。  
- カーボンプライシングを中心とした多面的戦略が求められるが、設計は柔軟で代替メカニズムを備えるべき。  
- 主要排出国は、各国の発展水準に応じた差異化された国際的最低炭素価格導入のプロセスを主導すべき。  
- カーボンプライシング収入の用途例：
  - エネルギー転換で打撃を受ける人々への補償的移転。  
  - 大気汚染の健康・認知発達への負の影響を相殺する社会支出の拡大。  
- 低炭素化への移行促進には、再生可能エネルギー生成やバッテリー貯蔵、電気自動車充電ステーションの増設、建物改修への補助金、グリーン技術研究支援が必要。  
- 多面的アプローチにより、移行に伴う世界GDPの損失を合理的に抑えつつ必要な排出削減を実現可能。

### 国レベルでの回復を確実にするためのバランス取り
- パンデミックの段階に応じた政策の3段階：急性期の医療支出と的を絞った支援、回復確保のための幅広い財政・金融支援、長期的目標へ投資（生産能力拡大、低炭素化、デジタル化、社会的包摂）。  
- 現在各国は第1段階か第2段階にあるが、雇用回復は未だ不十分。就業率は概してパンデミック以前の水準を下回り、若者・低技能労働者・新興市場国・発展途上国の女性が大きな打撃を受けている。  
- 財政政策（国別の余地に応じた指針）：
  - 医療支出（生産・流通インフラ、医療従事者、公衆衛生キャンペーン）を引き続き優先。  
  - 財政余地が限定的な新興市場国・発展途上国では、対象の絞られていない補助金や経常的支出から医療・社会・インフラ支出へ振り向けることが財源捻出に寄与。  
  - 医療指標次第で広範な経済活動再開が可能となれば、的を絞ったライフラインや各種給付を縮小し、公共投資を含む「未来への投資」を前進させる。  
  - こうしたイニシアティブは事前承認された歳入措置を伴う信頼性のある中期的財政枠組みに組み込む必要がある。  
- 社会面の優先：社会的セーフティネット、教育、労働者訓練、子育てと高齢者ケアへの投資により恩恵の公平性を確保し、より累進的な課税や租税支出の削減で財源を確保。

### 金融政策・金融セクター・外部環境への備え
- 金融政策：
  - 中央銀行は概して一時的な物価上昇圧力を無視し、基調的な物価ダイナミクスが明らかになるまでは引き締めを回避すべき。  
  - 一時的圧力が持続化するリスクがあるため、中央銀行は先制的対応の可能性に備え、金融政策見通しを明確にコミュニケーションすることが重要。  
  - 回復が進み、ワクチン接種が進んでいる場合には、異例の金融政策支援の終了について発信を始めることが可能。  
- 金融セクター政策：
  - 支援策の急な終了で倒産が急増することを避けつつ、支援を長期化させすぎることでゾンビ企業を温存しないバランスが必要。  
  - 信用保証、債務返済猶予、不良債権分類の緩和等は徐々に対象を絞る必要がある。  
  - ノンバンク金融機関の規制枠組みや監督強化、銀行と企業のバランスシートに関するデータ収集の増強が必要。  
  - 倒産処理の枠組み強化、迅速な私的整理の導入も必要。  
- 外部金融環境のタイト化に備える：
  - 米国の金融政策引き締めが新興市場国に波及するリスク（通貨下落、輸入価格上昇、イールドカーブのスティープ化）に備え、特に外貨建て借入者に対して債務返済期限延長等を通じて備えることが賢明。

### 財政の動向と見通し（主要数値）
- 世界の政府債務は、2020年に対世界GDP比100%近くの水準に達し、2021年と2022年も同様の水準にとどまると予測されている。  
- 世界の財政赤字の平均は、今年4月のWEO以降0.5%ポイント減少しており、2021年は対GDP比8.8%と予測される。  
- パンデミック対策として発表されている財政措置は、2021年7月上旬時点で16.5兆ドルと試算されている。  
- 米国の提案する2つの複数年支出策は対2021年GDP比で18%に相当するとされる。  
- 世界全体の2021年の財政赤字は、今年4月のWEOに比べ対GDP比0.4%ポイント減少して対GDP比9.9%になると予測。  
- 先進国の政府債務は2021年末で対GDP比122.5%になると予測。  
- 新興市場国の2021年の財政赤字予測は対GDP比7.1%（4月WEOより0.5%ポイント縮小）。政府債務は2021年に65.1%まで増加すると予測。  
- 低所得途上国の2021年財政赤字は対GDP比5.2%（先進国・新興市場国に比べ低水準）。2021年の公的債務の対GDP比は48.5%と予測。  
- 低所得途上国の約60%が債務返済に支障をきたすリスクが高い、あるいは既に支障をきたしていると評価されている。

*出典: textj - Section 1, https://www.imf.org/-/media/files/publications/weo/2021/update/july/japanese/textj.pdf*

### Section 1

### 世界経済見通し（WEO）改訂見通し — Section 1

### 回復の断層線と総括的見通し
- 世界経済は2021年に6.0%、2022年に4.9%の成長を遂げると予測されている。  
- 2021年の成長率予測は2021年4月WEOの数値から変わっていないが、先進国の上方修正と新興市場国・発展途上国の下方修正が相互に相殺している。  
- ワクチンへのアクセスが本年後半の経済活動正常化を左右する主要な断層線となっており、ワクチン利用が進む国（ほぼすべての先進国）と、引き続き感染再拡大に直面する国という二分化が進行している。  
- 多国間行動の重要性：公平なワクチン接種の推進、500億ドルの提案（WHO/WTO/世界銀行が承認したIMF職員による提案）、および6,500億ドルの特別引出権（SDR）一般配分が強調されている。

### 見通しを規定する主要要因
- ワクチン：
  - 先進国では人口の40%近くがワクチン接種を完了している。  
  - 新興市場国では接種完了率はその半分以下、低所得国ではごくわずか。  
  - 2021年末までにあらゆる国で人口の40%以上、2022年半ばまでに同60%以上の接種を目標とする。  
- 政策支援：
  - 米国の追加財政支援（「米国雇用計画」と「米国家族計画」を想定）やEUの「次世代のEU基金」などが先進国の見通しを押し上げている。  
  - 多くの新興市場国・発展途上国では財政バッファーの再構築が進む。  
- 金融政策：主要中央銀行は2022年末まで政策金利を変更せず維持する想定。一部の新興市場国は金融支援を縮小し始めている。  
- 一次産品価格：原油は2020年比で60%近く上回る水準まで上昇すると想定。原油以外の一次産品価格は2020年比で30%近く上回る見込み。  
- 民間活動への引き継ぎ：家計の超過貯蓄が多くの国で蓄積されており、再開に伴う取り崩しが民間支出の回復と物価動向を左右する。

### 物価上昇圧力と金融政策の示唆
- 最近の物価上昇は主としてパンデミックに関連した異例の動きと一時的な需給ミスマッチを反映している。  
- 見通しでは、多くの国で2022年には物価上昇率がパンデミック以前のレンジに回復すると予想されるが、一部の新興市場国・発展途上国では食料価格上昇などにより物価上昇率が高い水準で推移する可能性がある。  
- 中央銀行は概して一時的な物価上昇圧力を無視し、基調的な物価ダイナミクスが明らかになるまでは引き締めを回避すべきであり、金融政策見通しに関する明確なコミュニケーションが重要である。

### 下向きリスクと不確実性
- ベースラインに対する下振れリスクが優勢。主なリスク要因：
  - ワクチン普及の遅れによる新たな変異株出現。  
  - 物価上昇圧力の持続化に伴う金融環境の急速なタイト化。  
  - 新興市場国・発展途上国がパンデミック悪化と外部金融環境悪化の二重打撃を受けるリスク。  
  - 社会不安、地政学的緊張、サイバー攻撃、気象関連自然災害の頻度・深刻化。

### シナリオ分析（パンデミックの推移）
- 検討方法：標準的なSIRモデルとIMFのG20モデルを参考にした疫学モデルの組合せに基づく代替シナリオ分析。  

- シナリオ1（新興市場国・発展途上国での新たな波と金融環境のタイト化）：
  - 前提：2021年後半に新興市場国・発展途上国で新たな変異株が波を引き起こす。ワクチン供給は徐々にしか増加しない。物価上昇圧力が持続的で金融政策の正常化が早まる。  
  - 結果（影響）：世界の長期金利上昇とスプレッド拡大に伴う金融環境のタイト化。世界GDPはベースラインを2021年に約0.75%、2022年に1.5%低下。2025年までの累積世界GDP損失は約4.5兆ドル。新興市場国・発展途上国の累積損失は約3.5兆ドル。

- シナリオ2（感染力の強い新変異株が先進国にも波及）：
  - 前提：新たな変異株の感染力がアルファ株より50%高い、ワクチン有効性は同等、ワクチン接種はベースライン通り進むがワクチン忌避で接種率が頭打ちに。先進国でも移動量・活動が減少。  
  - 結果（影響）：世界経済の成長率は2021年と2022年にベースラインを0.8%ポイント以上下回る。新興市場国・発展途上国のGDP成長率は2021年と2022年に約1%ポイント下回る。先進国では約0.75%ポイント下回る。世界GDPは2025年までベースラインを約0.5%下回り、2025年までの累積損失は第1のシナリオに近接し、約4.5兆ドルを若干下回る。損失分布では先進国の累積損失が2.5兆ドル以上を占める。

### 多国間行動の政策的含意（要点）
- 最優先事項は世界全体で公平にワクチン接種を進めること。  
- IMF職員案の目標：2021年末までにあらゆる国で人口の40%以上に、2022年半ばまでに同60%以上にワクチン接種を達成し、十分な診断法と治療法を確保すること。これには無償資金と譲許的融資の事前提供で約500億ドルが必要と試算されている。  
- 供給と分配の不均衡の是正が世界経済の見通し改善と各国間格差縮小に不可欠である。

*出典: textj - Section 1, https://www.imf.org/-/media/files/publications/weo/2021/update/july/japanese/textj.pdf*

### Section 2

### textj - Section 2

### ワクチン供給・公平なアクセスと生産能力拡大
- ほぼ半数の国で、1日当たりの接種回数が最近、2021年末までに40%目標を達成する上で必要な回数を下回っている。
- COVAXに対する追加資金拠出は、低所得国91か国の住民の約30%をカバーするのに十分と考えられている。
- 発注（COVAX）やAVAT等の地域的手配、二国間取引を組み合わせることで、新興市場国・発展途上国は最終的に60%の接種率目標を達成できる見込みだが、供給の大半は2021年末から2022年にかけてようやく行われる可能性が高い。
- G7が本年中に約5億回分のワクチンを提供すると約束したが、目標達成には不十分であり、2021年中に合計10億回分のワクチンを分配する必要があり、そのうち少なくとも2億5,000万回分は9月までに実施しなければならない。
- 追加的な措置・投資の必要性：
  - 余剰ワクチンを抱える国がワクチンを寄付すること。
  - ワクチン製造業者が低所得国や低中所得国への供給を優先すること。
  - ワクチンと原材料に関する輸出制限を撤廃すること。
  - 世界のワクチン生産能力の拡大への投資（原材料から充填・仕上げ設備、拡張された倉庫・流通までのサプライチェーン投資）。
  - 変異株追跡およびコロナ禍の医療面・経済面での負担を抑制するために、さらに約250億ドルの無償資金が必要。

### 資金支援と特別引出権（SDR）
- 多くの国が高い債務水準と限られた財源の下で危機に直面しており、国際流動性へのアクセスが極めて重要。
- IMFの提案する6,5000 億ドル相当の特別引出権（SDR）一般配分は既存の準備資産を補う長期的かつ世界的な必要性に対応するものとされる（原文の数値を尊重して記載）。
- この配分のうち、約2,750億ドルが新興市場国と発展途上国に割り当てられると見られる。
- SDR配分は資金調達上の制約を抱える国がコロナ禍の影響を緩和するのを助け、トレードオフ管理に寄与する。対外ポジションが強固な国から脆弱な国へSDRを振り向け直すことにより効果が高まる。
- 財政が持続不可能な場合や資金ニーズが非常に大きい場合には、債権者は債務返済期限延長、利払いと債務返済の猶予、G20共通枠組みの下での明示的な債務削減を行うべき。

### 気候変動緩和とグリーン投資
- 主要共通課題は炭素排出削減による地球温暖化抑制であり、脆弱な国ほど排出割合が小さく、財源は限られている。
- カーボンプライシングを中心とした多面的戦略が求められるが、設計は柔軟で代替メカニズムを備えるべき。
- 主要排出国は、各国の発展水準に応じた差異化された国際的最低炭素価格導入のプロセスを主導すべき。
- カーボンプライシング収入の用途例：
  - エネルギー転換で打撃を受ける人々への補償的移転。
  - 大気汚染の健康・認知発達への負の影響を相殺する社会支出の拡大。
- 低炭素化への移行促進には、再生可能エネルギー生成やバッテリー貯蔵、電気自動車充電ステーションの増設、建物改修への補助金、グリーン技術研究支援が必要。
- 多面的アプローチにより、移行に伴う世界GDPの損失を合理的に抑えつつ必要な排出削減を実現可能。

### 国レベルでの回復を確実にするためのバランス取り
- パンデミックの段階に応じた政策の3段階：急性期の医療支出と的を絞った支援、回復確保のための幅広い財政・金融支援、長期的目標へ投資（生産能力拡大、低炭素化、デジタル化、社会的包摂）。
- 現在各国は第1段階か第2段階にあるが、雇用回復は未だ不十分。就業率は概してパンデミック以前の水準を下回り、若者・低技能労働者・新興市場国・発展途上国の女性が大きな打撃を受けている。
- 財政政策（国別の余地に応じた指針）：
  - 医療支出（生産・流通インフラ、医療従事者、公衆衛生キャンペーン）を引き続き優先。
  - 財政余地が限定的な新興市場国・発展途上国では、対象の絞られていない補助金や経常的支出から医療・社会・インフラ支出へ振り向けることが財源捻出に寄与。
  - 医療指標次第で広範な経済活動再開が可能となれば、的を絞ったライフラインや各種給付を縮小し、公共投資を含む「未来への投資」を前進させる。
  - こうしたイニシアティブは事前承認された歳入措置を伴う信頼性のある中期的財政枠組みに組み込む必要がある。
- 社会面の優先：社会的セーフティネット、教育、労働者訓練、子育てと高齢者ケアへの投資により恩恵の公平性を確保し、より累進的な課税や租税支出の削減で財源を確保。

### 金融政策・金融セクター・外部環境への備え
- 金融政策：
  - 中央銀行は概して一時的な物価上昇圧力を無視し、基調的な物価ダイナミクスが明らかになるまでは引き締めを回避すべき。
  - 一時的圧力が持続化するリスクがあるため、中央銀行は先制的対応の可能性に備え、金融政策見通しを明確にコミュニケーションすることが重要。
  - 回復が進み、ワクチン接種が進んでいる場合には、異例の金融政策支援の終了について発信を始めることが可能。
- 金融セクター政策：
  - 支援策の急な終了で倒産が急増することを避けつつ、支援を長期化させすぎることでゾンビ企業を温存しないバランスが必要。
  - 信用保証、債務返済猶予、不良債権分類の緩和等は徐々に対象を絞る必要がある。
  - ノンバンク金融機関の規制枠組みや監督強化、銀行と企業のバランスシートに関するデータ収集の増強が必要。
  - 倒産処理の枠組み強化、迅速な私的整理の導入も必要。
- 外部金融環境のタイト化に備える：
  - 米国の金融政策引き締めが新興市場国に波及するリスク（通貨下落、輸入価格上昇、イールドカーブのスティープ化）に備え、特に外貨建て借入者に対して債務返済期限延長等を通じて備えることが賢明。

### 財政の動向と見通し（主要数値）
- 世界の政府債務は、2020年に対世界GDP比100%近くの水準に達し、2021年と2022年も同様の水準にとどまると予測されている。
- 世界の財政赤字の平均は、今年4月のWEO以降0.5%ポイント減少しており、2021年は対GDP比8.8%と予測される。
- パンデミック対策として発表されている財政措置は、2021年7月上旬時点で16.5兆ドルと試算されている。
- 米国の提案する2つの複数年支出策は対2021年GDP比で18%に相当するとされる。
- 世界全体の2021年の財政赤字は、今年4月のWEOに比べ対GDP比0.4%ポイント減少して対GDP比9.9%になると予測。
- 先進国の政府債務は2021年末で対GDP比122.5%になると予測。
- 新興市場国の2021年の財政赤字予測は対GDP比7.1%（4月WEOより0.5%ポイント縮小）。政府債務は2021年に65.1%まで増加すると予測。
- 低所得途上国の2021年財政赤字は対GDP比5.2%（先進国・新興市場国に比べ低水準）。2021年の公的債務の対GDP比は48.5%と予測。
- 低所得途上国の約60%が債務返済に支障をきたすリスクが高い、あるいは既に支障をきたしていると評価されている。

*出典: 2021年7月「世界経済見通し（WEO）改訂見通し」, 国際通貨基金 | 2021年7月*

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_Source: https://www.imf.org/-/media/files/publications/weo/2021/update/july/japanese/textj.pdf_
