## 序文

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### 世界経済の見通しと下振れリスク
- IMFは2022年の世界経済成長率予測を改定せず、3.2％とした。
- 2023年は2.7％に鈍化するとし、7月の予測より0.2％ポイント下方改定した。
- 2023年は25％の確率で2％を下回ると見ている。
- 世界経済の3分の1超を占める国が今年か来年に縮小する見込みである。
- 経済見通しは下振れリスクが依然高いと評価されている。

### ロシアのウクライナ侵攻とエネルギー・食料への影響
- ロシアのウクライナ侵攻が引き続き世界経済を大きく揺るがしている。
- 欧州で深刻なエネルギー危機が発生し、生活費が急激に上昇し経済活動が抑制されている。
- 欧州のガス価格は2021年以降4倍超に上昇した。
- ロシアがガス供給を2021年の水準の20％未満に削減したことで、今年の冬以降、エネルギーが不足する可能性が高い。
- 世界市場でも食料価格が上昇（ただし、黒海沿岸諸国からの穀物輸出の合意により最近は和らいだ）。

### インフレ圧力と金融政策のジレンマ
- インフレ圧力の高まりが長期化・広範化しており、金融環境が一様に急速にタイト化している。
- IMFは世界の物価上昇率が2022年末にピークを付けるとみているが、当初予想よりも長い間、高止まりし、2024年までに4.1％へ低下すると予測している。
- 中央銀行は物価の安定回復に注力しており、引き締めペースを急速に速めている。
- 金融引き締めに関するリスク：引き締めが不十分だとインフレ継続とインフレ期待の上放れ、引き締めが過度だと不要な景気後退や金融市場混乱を招く可能性。
- 世界中の中央銀行はインフレ抑制にしっかりと焦点を合わせ、着実に政策を推し進める必要がある。

### 中国の減速と世界への波及
- 中国はゼロコロナ政策に基づく頻繁なロックダウンにより、2022年第2四半期を中心に経済が打撃を受けた。
- 不動産部門が中国の経済活動の約5分の1を占める中で急減速している。
- 中国の経済規模とグローバルサプライチェーンにおける重要性から、世界の貿易と経済活動に重い影響を与えるだろう。

### 新興市場国・発展途上国の脆弱性
- 外部環境は多くの新興市場国や発展途上国にとって既に非常に厳しい。
- 米ドルの急上昇により、こうした国で価格圧力が大幅に高まり生活費危機が悪化している。
- 資本フローは回復しておらず、多くの低所得国や発展途上国は依然として過剰債務に陥っている。
- 多くの低所得国が過剰債務にあるかそれに近い状態であり、ソブリン債危機が相次ぐことを回避するため、G20共通枠組を通じた秩序ある債務再編の進展が急務である。

### 財政政策に関する重要原則
- 第1に、パンデミックの影響が後退している国では、財政バッファーを再構築すべきである。
- 第2に、財政政策はインフレを鎮めるための金融当局の対策を妨げてはならない。そうでなければインフレ期待の上放れや資金調達コストの上昇につながる。
- 第3に、エネルギー危機は一時的なショックではなく、特に欧州では恒久的な地政学的再編として影響が続く。域内の財政当局は計画・協調が必要である。
- 第4に、需要を抑制し供給を促すためには価格シグナルが不可欠であり、価格統制・無差別な補助金・禁輸措置は財政コストや供給歪みを招く。代わりに的を絞った一時的な現金給付で最も脆弱な層を保護すべきである。
- 第5に、財政政策は人的資本、デジタル化、グリーンエネルギー、サプライチェーンの多様化など、生産能力を拡大する分野への投資を通じて経済の回復力を高めるべきである。
- リスクとして、大規模でターゲットが絞られていない、経済を幅広く刺激する財政パッケージが採用される可能性がある点を指摘している。

### ドル高への対応と金融安定化
- ドルは現在、2000年台初頭以来、最も高い水準にある。
- 適切な対応は、物価の安定を維持するために金融政策を調整するとともに、為替相場が調整するのを許容し、金融環境が明らかに悪化したときのために外貨準備を温存することである。
- 健全な政策を導入している適格国は、IMFに予防的融資へのアクセスを求め、流動性バッファーを強化することを早急に検討すべきである。
- また、IMFの統合的な政策枠組み（IPF）に基づき、予防的にマクロプルーデンス措置と資本フロー措置を適宜組み合わせることが推奨される。

### 気候変動とグリーントランジション
- エネルギー・食料の危機と夏の異常な気温は、統制のとれていないクライメート・トランジションの危険性を示している。
- 気候政策は短期的に経済活動とインフレにややマイナスの影響を与える可能性があるが、遅らせるほど将来の打撃が大幅に悪化する。
- タイムリーで信頼できる移行は地球の将来とマクロ経済の安定に資する。
- 気候政策や債務再編など多国間の協調によって地政学的分断圧力を克服し得ることが示されるだろう。

### 総括的勧告
- 政策当局者は着実に政策を推し進める必要がある。
- 物価の安定回復を最優先としつつ、必要に応じて市場の安定を確保すること。
- 財政は脆弱層をターゲットにした一時的支援と中期的な財政枠組みの整備を両立させること。
- 新興市場・発展途上国は防備を固め、IMFの支援やIPFに基づく予防的措置を検討すべきである。

*国際通貨基金　|　2022年10月 — ピエール・オリヴィエ・グランシャ（経済顧問）、序文*

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