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### 世界経済の現状と最近の展開
- 世界経済は依然として「非常にレジリエント」であり、インフレ率が目標水準に回帰していく中、成長率は安定的に推移している。  
- 世界経済成長率は前年比ベースで2022年末に2.3%で底を打ち、その後間もなく総合インフレ率の中央値が9.4%でピークをつけた。  
- 最新の予測では、経済成長率は2024年と2025年に約3.2%で安定し、総合インフレ率の中央値は2024年末の2.8%から2025年末には2.4%へ鈍化する。  
- 多くの指標がソフトランディングを示唆している。市場は各中央銀行が引き締め策からの出口に向かうとの見通しを歓迎した。

### 主なポジティブ要因
- 銀行システムは大方強靭性を保った。主要な新興市場国への資本流入の突然の停止は起きなかった。  
- パンデミックによる経済の後遺症（パンデミック前の予測と比較した生産高の落ち込み予測）は、新興市場国を中心に大半の国・地域で当初予想よりも小さくなる見込みである。  
- 雇用が力強く伸びたことが一因であり、米経済はすでにパンデミック前のトレンドを上回っている。  
- 断固とした金融政策および金融政策枠組みの改善がインフレ期待のアンカーに役立った。  

### 懸念事項とリスク
- インフレの動向は改善したが、闘いは終わっていない。総合インフレ率およびコアインフレ率の最新の中央値が上昇したことは注意が必要である（これが一時的である可能性はある）。  
- インフレの進展はエネルギー価格の下落と財のインフレ率が歴史的平均を下回ったことが主要因であるが、サービスのインフレ率は高止まりしておりディスインフレの道のりを妨げる可能性がある。  
- 新興市場国で高債務に見舞われている国では、インフレ率が後退するにつれて実質金利が上昇し、公的債務比率を低下させる力学に陰りが見えている。  

### 地域別の状況
- 米国：並外れた成長が世界的成長の主たる原動力となっているが、長期的な財政の持続性にそぐわない財政スタンスは短期的・長期的リスクを高める。  
- ユーロ圏：今年成長は加速するものの非常に低い水準からであり、金融引き締め、過去のエネルギーコストの影響、計画済みの財政再建が経済活動の下押し要因である。賃金の大幅な伸びとサービスのインフレ率の高止まりにより、インフレ目標への回帰が遅れる可能性がある。  
- 中国：長引く不動産セクターの不況が打撃であり、与信のブームと崩壊は迅速に解消されない。根本的な原因に対処する力強い措置と改革がなければ国内需要は冷え込んだ状態が続く可能性がある。公的債務動向や地方財政危機への転化も懸念される。  
- その他の主要新興市場国：グローバル・サプライ・チェーンの再編や米中間の貿易緊張の高まりが追い風となるケースもあり、今後の世界の成長を支える役割が大きくなる。  
- 低所得発展途上国：成長見通しは下方改定され、インフレ見通しは上方改定された。パンデミックによる経済の後遺症は上方改定され、最も貧しい国々がパンデミックや生活費危機から抜け出せていないことを示唆している。

### 財政、債務、政策的帰結
- 各国は財政バッファーの再構築へ舵を切る必要がある。信頼できる財政再建は資金調達コストを抑え金融安定を改善する。  
- 財政再建は経済が成長している局面で、かつ信頼性がある場合に成功しやすい。見習うべき例として1993年の米国での財政再建と金融緩和のエピソードが挙げられる。  
- マイナスの供給ショックが頻発する中、社会的セーフティネット、気候変動への適応、デジタルトランスフォーメーション、エネルギーの安全保障、防衛への歳出ニーズが拡大しているため、財政再建を政策の優先事項とすべきである。  

### 中期的成長見通しと構造改革
- 中期的な成長見通しは依然として歴史的な低水準にとどまっている。成長鈍化の主因は全要素生産性の鈍化である。  
- 全要素生産性鈍化のかなりの部分は、セクター内や一国内で資本と労働の配分の誤りが増えていることに起因する。より迅速で効率的な資源配分の促進が成長を押し上げる助けとなる。  
- 人工知能（AI）は中期的に生産性を大幅に向上させる可能性があるが、同時に労働・金融市場で深刻な混乱をもたらすリスクもある。AIのポテンシャルを活かすには、デジタルインフラの改善、人的資本への投資、グローバルな規則の策定での協調が必要である。  
- 地政学的分断と2019年以降の貿易制限・産業政策の急増が世界貿易の効率性を損ない、世界協調と多国間主義への打撃となっている。

### 気候変動とグリーン投資
- 気候変動に強いグリーンな将来を実現するためには、世界的に多額の投資が必要である。排出量削減と経済成長は両立可能である一方、排出量は依然として増えている。  
- 先進国と中国ではグリーン投資が健全なペースで拡大してきた。化石燃料への有害な補助金を削減することで、グリーン投資を増やす財政的余裕が生まれる。  
- 他の新興市場国・発展途上国はグリーン投資を大幅に増やし化石燃料投資を減らす必要がある。これには先進国と中国の技術移転および大規模な資金調達（大部分が民間セクターからだが、一部は譲許的）が必要である。  
- 多国間枠組みと協力なしにはほとんど進展が望めない分野である。

### 政策的提言（要点）
- インフレ目標への回帰を最優先事項とし、サービスインフレの頑強さに注意を払うこと。  
- 財政バッファーの再構築と信頼できる財政再建を進め、資金調達コストと金融安定リスクを低減すること。  
- 資源配分の効率化、デジタルインフラと人的資本への投資、AI導入のための規則整備で生産性向上を促すこと。  
- 低所得発展途上国に対しては、国内・対外直接投資を呼び込む構造改革、国内資金動員の強化、人的資本改善を支援すること。  
- グリーン投資の大幅な拡大と化石燃料補助金の削減を進め、技術移転と大規模な資金調達を促進すること。  
- 多国間枠組みと協力を通じた国際協調を強化すること。

*国際通貨基金 | 2024年4月*

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