## 巨悪に立ち向かう：債務の世界的な情勢

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### 概要
- 2016年10月の財政モニターは、実質的に全世界をカバーした債務規模に関するデータを公表。
- 世界全体で債務は、152兆ドルと世界GDPの225％にのぼり、現時点で過去最大とされる。
- そのうちの3分の2に当たる約100兆ドルが非金融企業や家計の負債（民間債務）。残りが公的債務。

### 地域別・部門別の状況とトレンド
- 先進国・地域
  - レバレッジ解消にはばらつきがあり、民間債務比率は大半の国で上昇を続けている（図2、青）。
  - 同時に、公的債務が増加。部分的には民間部門の不良債権を公的部門が引き受けたことが原因。
- 主要新興市場国・地域（特に中国）
  - 低金利により、非金融法人部門の債務が急激に増加している（図2、赤）。
  - この債務拡大は、財政ポジションの基本的な健全性に関する疑問を喚起。
- 低所得国
  - 金融市場の深化と市場アクセス改善により、民間及び公的債務が上昇。しかし、債務比率は概して低位に留まる。
  - マイクロファイナンス貸付やモバイルバンキングの進展は金融包摂を拡大。債務が持続可能であれば、金融の発展は包摂的成長の一部とみなされる。

### リスクと影響
- 高い債務レベルは世界経済の回復の大きな逆風であり、債務とデフレのスパイラルに陥るリスクを上昇させる。
- 過剰民間債務は金融危機と関連し、金融の景気後退は通常の景気後退よりも深く長期化する。生産喪失と失業の増加が生じ、最終的に公的債務と赤字を拡大させる。
- 財政ポジションが弱いと、金融の景気後退がより悪化する（図3）。特に新興市場及び途上国では、公的支出が危機時に大きく削減される傾向がある。
- 多くの債務を抱えた借手は、最終的に消費と投資を大きく削減し、成長の妨げとなり得る。
- 民間債務が過去最大レベルにある先進国・地域でレバレッジ解消が進まない主因の一つは、名目成長率が低いこと。

### 政策的含意と勧告
- 過度の民間債務を避けること。債務自体は起業家精神、イノベーション、成長に不可欠だが、過剰な民間債務を防ぐ必要がある。
- 規制・監督政策により、民間債務のモニタリングと持続可能性を確保すべき。
- 税制面での歪みを段階的に撤廃することにより、企業の自己資本ではなく債務へのバイアスを是正し、過度のレバレッジ抑制に貢献。
- 成長促進的な財政政策は、過剰民間債務の泥沼にある国の調整を促進し得るが、各国の状況や利用可能な財政資源によって異なる対応が必要。

### 危機対応措置と設計上の原則
- 金融システムが深刻なストレス下にある国では、根底にある問題を早急に解決することが不可欠。
- 政府主導の民間債務削減プログラム（例：返済期限延長に対する債権者への補助あるいは保証）は、適切に設計・目標付けされれば効果的。
- バランスシートの浄化を加速する措置（資産管理会社など）が有効。
- これら措置の設計はコスト最小化とモラルハザード防止のために重要。具体的には：
  - 特定部門あるいは個人に向けられ、条件付けがなされること。
  - 借り手との責任分担を含むこと。
  - 強力な破産や破綻手続きが伴うこと。
- 財政政策単独では不十分であり、一貫した信頼できる枠組みの下で金融・構造政策といった補完的政策に支えられる必要がある。

### 結語
- 現在の高債務と低インフレの組合せは先進国・地域を中心に重大な課題を提示しており、名目成長率の加速が不可欠であると結論づけられている。

*著者: ヴィトル・ガスパル、マリアルス・モレノ・バディア*

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