## 国際金融安定性報告書（GFSR） 2008年10月 要旨（参考仮訳）

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### 世界的状況の総括と政策の必要性
- 世界の金融市場の混乱は拡大している。金融システムの信頼回復には国際的に整合的で果断な政策が必要。
- レバレッジ解消は「必要かつ不可避」であり、秩序ある回復を図らないと実体経済に大きなコストを招く虞がある。
- 9月に主要機関の破綻あるいは破綻に近い事態が顕在化し、世界短期金融市場はカウンターパーティーリスクの高まりによりほぼ機能停止に近い状態となった。
- 2008年4月のGFSRで指摘したレバレッジ解消プロセスは加速し、無秩序化している（株価急落、資金調達コスト上昇、資産価格低落など）。

### 危機対応の5原則（過去の危機から導出）
- (1) 包括的で時宜を得た施策を明確に発信すること。施策例：
  - 資金調達の改善（アベイラビリティー、金利、期間の各面）
  - 存続可能な金融機関への資本注入
  - 公的資金による問題資産の買い支えによる秩序だったレバレッジ解消促進
  - 既存もしくは新たな規制導入時は景気循環を増幅しない配慮と透明性の確保
- (2) 各国が整合的で一貫した政策を実施し、世界金融システムの安定化を図ること。
- (3) 問題を早期に捉え迅速に対応すること。国内外での緊密な連携と果断な措置を採る枠組みが必要。
- (4) 緊急の政府介入は一時的で納税者利益を保護すること。損失は民間にも分担させ、利益は納税者に還元することが条件。
- (5) 中期目標として、より健全で競争力があり効率的な金融システムを目指すこと（秩序だった処理、監督・規制の改善、市場規律の強化、中央清算機構によるカウンターパーティーリスク低減など）。

### レバレッジ解消に関する3分野での必要行動
- 資本、資産、資金調達市場の機能不全の間の悪循環を断ち切るための明確な行動が必要。

- 資本についての推計と対応
  - 世界の主要な銀行は今後数年でおおよそ6750億ドル資本を増強する必要があると推計。
  - 多くの金融機関が民間からの資本調達困難のため、存続可能な機関への政府による資本注入の必要性がありうる。設計上の留意点：納税者にアップサイドを確保しつつ既存/新規株主にインセンティブを提供する仕組みが望ましい。
  - 存続不可能な銀行は政治的困難を伴うが秩序だった処理を行うことで、競争的な銀行システムの確立に資する。

- 資産の評価と処理
  - 民間のバランスシート圧縮に際して公的セクターのバランスシートを活用することで投売り的清算を防げる。
  - 銀行が証券化資産や問題資産を多く抱える場合、政府による買入れや長期資金提供、資産運用会社設立などのメカニズムが考えられる。
  - 時価評価ルールに関して判断の自由度を高めることで投売り的評価圧力を緩和できる可能性があるが、緊密な監督と適切な開示が必要。

- 資金調達についてのリスクと対応
  - 市場性資金調達（特に他国市場からの調達）に依存する金融機関は深刻な借り換えリスクにさらされている。
  - 中央銀行はターム物資金拡大の様々な方策を模索している。流動性供給に加え、資本拡充・資産価格支援策が市場機能回復の基盤となる。
  - 中央清算・決済機構等を通じたカウンターパーティーリスク低減は有益。
  - 極端な状況では次の措置も検討されうる：
    - 個人口座に対する預金保護の通常範囲を超える一時的拡大。拡大や全額保護は一時的・緊急措置であり各国間で連携して行うべき。
    - 一時的に優先及び劣後借入債務を保護することも考えられるが、手数料や適格性テスト等で受益者に負担を求めることが望ましい。

### 第1章：追加的損失、必要なレバレッジ低下・資産縮小・資本増強の推計
- 公的資金が秩序あるレバレッジ解消プロセスを実現するには必要であると結論付けている。
- 最大のリスクは金融システムと実体経済の間の負の循環の強まり。
- 米国が震源であるため詳細分析を行う：
  - 米住宅市場の悪化と景気減速が新たなローン劣化を生んでおり、良質な居住用・商業用不動産、企業金融、消費者金融でも延滞増加。
  - デフォルト率はまだピークに達しておらず、米国の貸付債権と証券化資産の実現損失額は、2008年4月のGFSRに述べた水準を大幅に上回る1兆4,000億ドル前後に膨らむ可能性が高い。
  - 金融機関は資本増強を実施してきたが、今後の増資余地は限られ高コストになる。
  - 銀行セクターのレバレッジ解消は資産売却、新規資産伸び抑制、ビジネスモデルの変更などを通じて進む。
  - ヘッジファンド等の銀行以外の機関もレバレッジ解消が進行。資金調達市場のストレスはMMFの解約増や法人の借換えリスク増幅を招いている。
  - 銀行部門の資本増強過程は、2009年末までに景気回復を支えうる程度に進展しているものと見込まれる（前提としてより高い自己資本比率の段階的導入等）。

- 銀行・民間金融機関に対する重要論点（規制監督当局の支援必要）
  - 秩序あるレバレッジ解消プロセスの維持（可能であれば資産売却より新規資本調達を優先）。
  - リスク管理システムの強化（リスク調整後収益にリンクした長期志向の報酬制度等）。
  - 資産評価手法と報告システムの改善（FSFの新開示ガイドライン実施、再評価間隔短縮、適時開示）。
  - 店頭商品の決済メカニズム改善（特にクレジット・デフォルト・スワップ市場の中央清算機構導入促進）。カウンターパーティー・エキスポージャーにかかる所要資本引上げを検討する規制当局もある。

### 第2章：資金市場の機能不全、LIBOR-OISスプレッド等の分析と提言
- 流動性リスクとソルベンシー・リスクの組合せが短期金利スプレッド拡大と取引減少を招き、資金市場は長期にわたり緊張。
- LIBORは推定約400兆ドルの既存の金融デリバティブ契約の基礎であり、その改善が望まれる。
- 2008年早々から米ドルのLIBOR－OISスプレッドに債務不履行懸念が大きく影響。為替スワップのスプレッドはEuribor－OISとポンドのLIBOR－OISスプレッドを説明し、米ドル流動性圧力が波及していることを示唆。
- 長期トレンド（near-banksの成長、ホールセール資本市場の活用、預金基盤から短期物への資金確保シフト）が政策金利伝播の安定性に影響を与えており、2007年半ばから2008年6月にかけて政策金利に基づく貸付金利の予測信頼性が低下（特に米国）。

- 第2章の提言：
  - 資金市場のインフラ改善（LIBOR算定の対象銀行拡大、銀行以外からの無担保ターム資金サンプル増加、取引量データ公表によるベンチマーク信頼性向上）。
  - 監督当局は信用リスク・流動性リスク双方に注意を払う。中央銀行の緊急流動性拡大だけではインターバンク市場の根強いストレスは緩和されにくい。
  - 短期金融市場に対する限定的な間接支援の慎重設計（市場参加者が自ら取引を始めるよう促し、緊張緩和後に中央銀行が秩序ある撤退を可能にする設計）。
  - 中央銀行間の協調とコミュニケーション促進（為替スワップ市場の重要性、外貨資金ニーズへの協調対応、オペレーション手続きの統一化）。

### 第3章：時価会計の役割と改善の必要性
- 時価評価（FVA）手法が信用サイクルを増幅させた可能性を検証。
- 代表的金融機関5社の実データでショックのバランスシート影響をシミュレーション。時価評価の適用は資産・負債の種類によって景気変動に伴う評価変動を増幅することを裏付けた。
- 時価評価の修正は循環的変動を平準化するが、公正価値からの乖離を生む可能性がある。流動性極端欠如や過度の楽観・悲観では時価評価は長期的ファンダメンタルズを反映しない評価を生む恐れ。
- 結論：時価評価は進めるべき方向だが、一部評価手法の極端な影響を和らげる改善が必要。会計・監督・リスク管理のアプローチを整合させることが重要。

- 第3章の政策提言：
  - 評価に関する情報を追加する（時価評価の幅、モデル化手法、前提条件等の追加情報で利用者の適正なリスク評価を支援）。
  - 資本バッファーと引当金を引き上げる。シミュレーションによれば、深刻な景気後退でも十分な財務基盤を確保するために、良好期において通常設定する所要自己資本の30～40％増しの自己資本を確保しておく必要がある。
  - 的を絞ったリスク開示を行う（利用者ニーズに応じた短頻度・長頻度の報告設計等）。

### 第4章：新興市場の脆弱性と耐性強化策
- 新興市場は当面金融危機の矢面ではないが、波及の脆弱性を抱えている。グローバル要因は国内ファンダメンタルズと同様に新興国株式市場の動きに重要な役割を果たしている。
- 相関尺度の分析は新興国株式市場への波及の度合いが増していることを示唆。株価変動の伝播チャネル拡大が見られるが、マクロ経済と金融の結びつきは小さく、効果は時間差で現れる。
- 政策当局は長期的視点で市場の耐久力を高める努力を続けるべき。

- 新興国の中期的標準政策（市場耐性向上のため）：
  - 投資家の裾野を拡げ多様化する（年金基金、保険会社等の長期投資家の導入）。
  - 価格発見を容易にする（価格公表遅延や価格変動制限を避ける）。
  - インフラ整備を支援する（国際的ベスト・プラクティスに沿った法律・規制・監督ルールの採用）。
  - 証券取引所の円滑な運営を確保する（機能性の高い取引環境と支えるインフラの強化とイノベーション）。

### 総括とIMFの役割
- 多くの政策上の教訓は実行段階に入っているが、まだ多くの政策は策定・評価段階にある。
- IMFは本報告で取り上げた諸項目を含め議論に参加し、二国間サーベイランス、「金融セクター評価プログラム」、技術支援を通じてFSFと協力し進捗をモニターし加盟国を支援していく意向である。

*国際金融安定性報告書（GFSR） 2008年10月 要旨（参考仮訳）*

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