## （参考仮訳） アジア太平洋地域経済見通し 2008年11月 — 要旨

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### 世界的金融危機と短期的見通し
- 深刻化する金融危機を背景に世界経済が大幅な減速局面に突入していることを受け、アジアは急速に成長が鈍化し、脆弱性が増す恐れがある。  
- 世界的な金融ストレスと金融機関によるレバレッジ解消のプロセスは来年以降も続く見通しで、それがアジアの輸出に対する需要減退や資金調達環境の悪化、資本フローの不安定化、株価下落と市場心理の悪化、ローン債権の質の劣化といった多くの経路を通じて、アジアの経済見通しを冷え込ませることになるだろう。  
- 我々の基本シナリオでは、アジアの経済成長は大幅に鈍化し、回復基調に転ずるのは2009年末となると想定している。  
- 世界的な景気減速による輸出の落ち込みから、アジアの成長は内需中心になると予想されるが、内需自体も減速を免れないだろう。  
- 商品価格の下落と潜在成長率を下回る成長を背景に、インフレは低下するとみられる。消費者物価指数、およびやや程度は落ちるがコア・インフレ率も、すでにピークを打った兆しがうかがえる。  
- 見通しに対するリスクは大きく、それも下振れの公算が高い。世界が深刻な景気後退に陥り、そこに予想以上に厳しい信用収縮が重なれば、輸出経路と多くの金融経路を通じてアジアにも甚大な影響が及ぶとみられる。特に、輸出の伸びの急落と厳しさを増す金融情勢に内需がどこまで耐えられるのかはいまだ不透明である。

### 政策対応（金融安定と成長の下支え）
- アジアの政策当局は金融安定の維持と成長の下支えに向け、断固たる措置をとるべく態勢を整える必要がある。  
- 金融システムの保護と秩序ある与信活動の維持に向けた政策がカギになる。国によって適切な政策は異なるが、以下の取り組みは不可欠である：  
  - 危機管理システムと万一の場合に備えた対応策の強化。  
  - 銀行の流動性管理の監視の強化。  
  - 今後見込まれる不良債権増加に対処するためのリスク管理の改善。  
  - 正常な信用の流れを確保するため一時的な信用保証が必要になる場合も想定し、当局は、状況に応じて銀行システムの資本増強を行う態勢をとるべきである。  
- 多くの国では、内需が鈍化し、金融情勢がタイト化し、物価の二次的効果がそれほど大きくないため、金融緩和策が適切と考えられる。  
  - しかし、これらの国の多くではインフレがなお目標水準や適切な水準を上回っていることから、インフレ期待を確実に抑え込んでおくためには、中央銀行による効果的なコミュニケーションが欠かせない。  
  - 金融政策は今後、インフレへの配慮のみならず、秩序ある市場機能に向けて十分な流動性供給の確保が必要となる。  
- 多くの国は追加的な財政刺激策をとる余地があると考えられる。こうした対策は、特に現在の金融環境により金融政策の効果が期待できないようであれば、必要となる可能性がある。既に一部の国は財政刺激策を発表しており、それも相当規模の対策を発表している国もある。

### 中期的課題：商品価格の寄与とインフレの影響（第2章概説）
- 第2章では、アジアのインフレ過程における商品価格の寄与度の上昇と、その金融政策への潜在的影響を検証している。  
- 短期的には、商品価格の急落はアジアにデフレ圧力をもたらす可能性がある。  
- 商品価格は中期的な均衡水準に回帰するものと予想されるが、商品市場の構造的不均衡を背景に価格は不安定で高水準になると見込まれる。  
- 商品価格の乱高下は、激しいインフレ変動をさらに悪化させ、コア・インフレ率と消費者物価指数の溝（プラスにせよマイナスにせよ）を広げ、中央銀行にとって産出量とインフレ変動のトレードオフがさらに悪化する恐れがある。  
- こうした状況では政策枠組みに関し熟慮が必要であり、中央銀行による効果的なコミュニケーションの重要性が高まる。

### 長期的課題：人口高齢化（第3章概説）
- より長期的には人口高齢化の問題がある。多くのアジア諸国は今後50年で急速に高齢化が進むとみられており、すでに始まっている国もある。  
- 第3章で述べるように、高齢化のペースはアジア域内でも世界でも大きく異なり、それが金融市場と資産価格に大きな影響を及ぼすほか、資本は若年層の多い国から高齢者の多い国に流れる傾向があるため、経常収支と資本フローにもかなりの影響を与える可能性がある。  
- この問題は長期的な性格を持つが、各国政府は今の時点で対策に乗り出すことで、高齢化への移行に伴う潜在的コストを抑えることができる。対策の柱は次のとおりである：  
  - 高齢化が進む国では年金、労働政策の改革。  
  - 大規模な資本を必要とする若年層の多い国では、金融仲介機能の強化、生産性の向上。

*出典: areo1108j*

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