IMF に つ い て



特別引出権(SDR)の配分
(ファクトシート)

2002年8月12日

特別引出権(SDR)は既存の準備資産の補完という長期的かつグローバルなニーズを満たすためにIMFによって創設された準備資産です。SDRは加盟国のIMF出資割当額(クォータ)に比例して配分されます。SDR配分はIMFのSDR部門(IMF会計部)に参加している国に対してのみ行われます。現在、184カ国すべての加盟国が参加しています。

SDRの配分方法

SDRは金保有、外貨、IMFにおけるリザーブポジション等、既存の公式準備資産を補強するためにIMFによって創設されました。IMF協定に定められた特定の状況下においてIMFは加盟国に対し各IMF出資割当額に比例したSDRを割り当てることができます。IMFはSDRの配分により無利息かつ利払いなしのコストのかからない資産を加盟国に提供します。IMF協定はSDRの解除も認めていますが、現在までのところ、この条項は適用されていません。また、IMFは自身にSDRを割り当てることはできません。

配分方法には二通りあります。

SDRの一般配分: 一般配分の決定は既存の準備資産を補完するという長期的かつグローバルなニーズの必要性が認められる調査結果に基づいて行わなければなりません。決定はIMF理事会の同意を得た専務理事の提案に基づいて総務会が行い、総議決権の85%以上の賛成を必要とします。また、原則5年を基本期間とし再検討されます。

SDR配分の決定は過去に2回だけ行われています。最初の配分は1970年に行われ、93億SDRが割り当てられました(大まかに三回に分けて年賦で配分)。最近では1981年1月1日に行われており、これによりSDR配分の累積合計額は214億SDRに達しました。IMF理事会は4期、5期、6期、7期の期間中(7期は2001年12月31日に終了)にSDR配分の可能性を検討しましたが、充分な支持(総議決権の85%以上の賛成)を得ることはできませんでした。

SDRの特別配分: 1997年9月、IMFの総務会はIMF協定の第4次改正案を承認し、1回限りの特別配分を認めました。その結果、SDR配分の累積額は428.7億SDRに倍増することとなりました。この特別配分によりIMFの加盟国すべてが公平にSDR制度に参加することができるようになり、また加盟国の5分の1以上がこれまで一度もSDRの配分を受けていなかった状況が改善されます。

改正案は、総議決権の85%を有するIMF加盟国の5分の3(110カ国)の同意で、発効されます。2002年8月12日の時点で、総議決権の73.34%にあたる121カ国が同意しています。したがって、17.16%の議決権を持つ米国が承認すれば、改正案が発効されます。

SDRの再配分に関する提案

SDRがIMF出資割当額に比例して参加国に配分されることにより、配分の大半は準備資産を補完する必要性が最も少ない大国の加盟国に与えられます。結果として、特定の目的のためのSDR配分の再開や保有SDRの再配分に関する提案が過去に幾度も行われています。これらの提案は概して以下の2つのカテゴリーに分けられます。

IMF原資補完の提案

工業国に配分されたSDRをより切実に国際流動資産を必要としている国々に振り当てることを要求する提案です。これらの提案は国際収支に対する条件付資金供与に関るという点において、クオータやIMF借入を実質的に増やすことと同じであると考えられます。主な相違点は、再配分されたSDRについてIMFが仲介するうえでの関与の度合いとそれによるコンディショナリティーと信用リスクの想定への影響にあります。

開発目的への供与の提案

SDR配分を開発資金の引当目的や他の特定の目的のために供与するにはIMF協定の改正が必要です。しかし、各国の自主的な判断により、他の国や組織へSDRを移行することを防ぐものではありません。