世界的な金融引き締めにもかかわらず底堅さを見せる新興市場国
IMF Blog, July 12, 2024
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- 世界的な金融引き締めにもかかわらず底堅さを見せる新興市場国
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- Authors: Cian Allen, Rudolfs Bems
- Published: July 12, 2024
概要と現状認識
- 過去の事例とは異なり、新興市場国の資本フローは、世界的な金融引き締めに直面し、世界の資本フローが減少する中でも、総じて底堅さを維持している。
- 米国では金利が20年ぶりの高さとなり、ドルは世界の他の通貨に対して急上昇している。これにより新興市場国にとって懸念が生じるが、現時点で新興市場国の一般的な金融危機は発生していない。
資本フローの主要な動向(事実と数値)
- 中国を除く新興市場国に対する純資本流入は、昨年、1,100億ドル(GDPの0.6%)に増加し、2018年以降で最高となった。
- 世界的にはグロス(総)資本フローの縮小が進行中であり、純流入の回復の背後に隠れた大きな変化がある。
- 2017~2019年と比較して、2022年から2023年にかけて世界の総資本流入は、対世界GDP比で5.8%から4.4%へ、額にして4.5兆ドルから4.2兆ドルへと減少している。
- 米国は世界の総資本流入の41%を占めており、2017~2019年の23%からシェアをほぼ倍増させている。
- 米国からの総流出のシェアも、世界全体の総資本流出に占める割合が14%から21%に拡大している。
- 中国は例外的で、資本の純流出が見られ、2022年から2023年にかけてはFDIの流入もマイナスとなっている。
背景要因と国別差異
- 多くの新興市場国で見られる底堅さの一因は、財政・通貨・金融政策枠組みの強化と、より効果的な政策・ツールの実施によるファンダメンタルズの改善である。
- だが、世界的なグロスの資本フロー縮小は、総流入額と総流出額の双方の減少として現れているため、純流入だけでは捉えきれない構造変化が進行している。
- 金融センターにおける総フローの大幅な減少や、中国や金融センター向けのグロス資本流出入の減少は、金融の分断の進行や大規模多国籍企業による租税・規制戦略の一部巻き戻しを反映している可能性がある。
リスクと政策的含意
- 今後のリスク要因として、米金利がより長くより高い水準にとどまる見通しがあり、これに対処する必要がある。
- 新興市場国は、最近のマクロ経済枠組みの改善やより効果的な政策、より強力な制度に一層注力する必要がある。
- 各国には、資本フローのボラティリティがもたらすストレスに対処するためのさまざまなツールが存在する。IMFの統合的な政策枠組みは、可能な限り最善のポリシーミックスを調整する上で役立ち、各国が現下のドル高期を乗り切る助けになる。
出典: 世界的な金融引き締めにもかかわらず底堅さを見せる新興市場国(IMF)