IMFの改革を求めコンセンサスが形成されつつある
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- Authors: William Ruto
- Published: June 4, 2024
概要
- 著者: ウィリアム・ルト(ケニア大統領)。掲載: ファイナンス&ディベロップメント、2024年6月。
- 主張: IMFは世界の加盟国のニーズに耳を傾け、新たな課題(開発、気候変動、過剰債務など)に適応するための重大な改革が必要であり、融資ツール、特別引出権(SDR)、過剰債務対応、ガバナンス改革の4分野でコンセンサスが形成されつつある。
IMFの役割と進化
- IMFの歴史的文脈:
- IMFは80年以上にわたり世界のマクロ経済と金融の安定を支える柱として機能。
- ブレトンウッズ会議は44の代表団が出席して発足。
- 現在の加盟国数は190。
- アフリカは54か国で最大の地域グループ。
- 50年前に当初の固定為替・金本位制を支える制度が崩壊し、IMFの役割は変動為替促進へ転換。
- 開発金融機関としての現状ポートフォリオ:
- 現在のポートフォリオは90か国にまたがる1,120億ドル。
- 借入国1か国当たりに換算すると12億ドル強。
- アルゼンチン(320億ドル)を除くと借入国1か国当たり9億ドル。
- ポートフォリオの46%を占める上位3か国(アルゼンチン、エジプト、ウクライナ)を除くと7億ドル弱。
気候・人口動態と地域事例
- 将来の成長原動力:
- グローバルサウスが不可欠。サハラ以南のアフリカの世界の労働人口比率は現在の約13%から2050年までに25%へ倍増すると予想。
- 気候ショックの事例(東アフリカ/アフリカの角):
- 過去半世紀で最悪の4シーズンにわたる干ばつが発生し、回復が始まったばかり。
- 推定950万頭の家畜が失われ、そのうちケニアだけで240万頭が失われた。
- 1997年のエルニーニョ以来最悪の壊滅的洪水が発生。
- 洪水によってケニア、タンザニア、ブルンジで250名を超える死者、数千人が避難、財産・農作物・インフラに深刻な被害。
4つの主要改革分野(発見と提案)
- 全体的観点:
- 最近の議論で4分野にまたがるIMF改革についてコンセンサスが得られたと報告。
- 融資ツール:
- 幅広いコンセンサス: 融資をクォータ制度から切り離す必要。
- 現行の「例外的アクセス方針」は制限的であり、懲罰的なサーチャージを課す。
- 今日の課題(気候変動の災害やパンデミック等)に対応するために金融ツールの再調整が必要。
- 提案: すべての融資ツールをIMFの標準的マクロ経済プログラムに結びつける現状を改め、各融資ツールが独自の適格基準を満たし、特定ニーズに合わせて個別に切り離す。
- 事例: 強靭性・持続可能性制度(RSF)は気候変動の脆弱性が経済的脆弱性の原因であることを認識する革新的制度だが、利用には当該国が既にIMFプログラムを実施していることが条件となっており、経済運営が健全だが気候脆弱な国の利用を制約している。
- 特別引出権(SDR):
- SDRの発行は依然として危機管理の重要手段。
- 最近の割り当てにおける配分の不均衡が改革の必要性を示す:
- 低所得国が2021年の取り決めの下で受け取った割合はわずか2.4%。
- アフリカ大陸全体で受け取ったのはわずか5.2%。
- 対照的に先進国が受け取った割合は64%。
- 富裕国は脆弱国を支援するために1,000億ドルのSDRを振り向けることを約束しているが、配備の遅さが現行手続きの非効率性を浮き彫りにしている。
- これらの資金はIMF能力増強やRSFのシード資金に役立つ可能性。
- 過剰債務:
- 途上国は債務危機を抱え、1990年代半ばの状況を想起させる。
- 世界銀行の国際債務報告書: 過去3年間に10か国で発生した債務不履行は前の20年間の合計を上回った。
- 国債利回りスプレッドがディストレス領域(同等の米国債に対して1,000ベーシスポイント以上)にある新興市場国の数は、2020年以降、2か国から20か国へと10倍に増加。
- 最近の金利高騰が債務返済の課題を深刻化。
- 必要性: 債務負担を和らげ持続可能な開発を支援する包括的債務借り換えプログラム。1980年代の中南米債務危機へのブレイディ・プランと同様のプログラムが想定される。
- ガバナンス改革:
- 国際金融機関での議決権は最近の経済や人口動態の現実を反映していない。
- グローバルサウスは世界GDPの半分と世界人口の80%を占めており、既に多大な貢献を果たしている。
- コーポレート・ガバナンスの原則は、意思決定プロセスにおける公平性の高い代表権と独立性の必要性を示唆。
結論(道のりと期待)
- IMFが今後も妥当な存在であり続けるかは、新たな課題に適応し、加盟国のニーズに耳を傾ける能力にかかっている。
- 今後の道のりには重大な改革が伴うが、協調的で一致団結した取り組みによりIMFを将来何世代にもわたって世界の安定の礎とすることができる。
出典: ウィリアム・ルト, 2024年6月, ファイナンス&ディベロップメント — IMFの改革を求めコンセンサスが形成されつつある