IMFは債務の持続可能性に関する取り組みを主導しなければならない
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- Authors: Mia Amor Mottley
- Published: June 4, 2024
文脈と主要課題
- 債務は気候変動下の発展途上国にとって「複雑化要因」あるいは「多くの問題の原因」として作用している。
- 公的債務の増大と金利高騰に伴う利払いの急増が、医療や教育プログラムなど既に資金不足の分野から公的資金をそぎ落としている。
- 同時に、気候変動への強靭性と持続可能な開発目標(SDGs)達成のために債券による資金調達は不可欠であり、「よりよく」貸し借りする必要性がある。
債務の持続可能性を左右する要因
- 経済成長率は債務動向を左右する最も重要な要因であるという経験的知見。
- 単純なルールとして「将来の名目成長率を上回りそうな金利は持続可能とは考えられない」。
- 公的債務ポートフォリオにそのような利回りが多いほど、将来の債務危機リスクが高まる。
IMF中所得国向け融資枠組みの欠陥(サーチャージ等)
- 2000年代にGRAを通じた中所得国向けIMF融資すべてに上乗せ金利(サーチャージ)が導入された。対象にはSBA、EFF、RFIなどが含まれる。
- サーチャージの仕組み:
- クォータとの187.5%を超えるとGRAの借入に対して2%が課せられるレベル別サーチャージ。
- この基準値を超えるGRAの借入のうち36か月(EFFの場合は51か月)を超えて残高がある部分に対してさらに1%が課せられる「期間別」サーチャージ。
- 導入の目的は、IMFの財源を枯渇させかねない多額の債務の長期化を抑えることであった。
統計的変化と現状の矛盾
- 1999年4月時点で62億ドルだったIMFの予防的な融資残高は、2024年4月時点で約330億ドルになった。
- IMFの融資規模も拡大し、クォータ制度の187.5%を超える借入はもはや大きな問題ではない状況。2024年4月時点で21の中所得国がIMFからこの水準を超える借入を行っている。
- EFFを活用している国の1人当たり平均所得は10年前と比べて4分の1に減少している。
- それにもかかわらず、サーチャージ制度は変更されておらず、世界的な金利上昇の中で脆弱なソブリン債発行国の負担を増大させている。
現行金利水準の具体値(GRA融資)
- 今年6月の時点で、GRAの融資に課される最低オールイン金利は年5.1%に上昇。
- 加盟国はクォータの187.5%を超える部分について7.1%を支払うことになっている。
- GRAの未払い残高が3年以上(EFFの場合は4年で、最終満期まで半分未満)の債務に対しては8.1%が賦課される。
影響と実務上の問題点
- 高いGRA金利は、IMF融資プログラムが「債務の持続可能性を念頭に置いていた」と主張する余地を狭める。
- 多くの中所得国が「IMFに返済するためだけにIMFから借金をする」終わりなきプログラムに縛られている。
- EFFの償還期限構成は問題。構造改革の実行と効果顕在化には時間を要するが、EFFではわずか3~4年で資金が提供され、7年(加重平均ベース)で返済しなければならないため、複合危機や気候危機に対応するには不適合。
政策的提言(著者の主張)
- IMFのサーチャージ体制は抜本的な見直しが必要である。具体的には:
- 金利サイクルを考慮した上限などの導入、あるいは可能なら完全撤廃。
- 償還期限の長期化を含む融資条件の再設計。特に構造改革を支えるための期間設定の見直しが必要。
- 中所得国向け既存融資取り決めの抜本的改革を急ぐべきである。
最近のIMFの取り組みと改革の機会
- IMFはRFIと迅速与信制度(RCF)をコロナ禍後すぐに展開した。
- 記録的なSDRの割り当てとして6,500億ドル相当を実現。
- 強靭性・持続可能性制度(RSF)が導入されており、これは新たなSDRの一部を再配分することで財源を確保し、気候変動に対するレジリエンスと適応のための資金調達を支援することを目的としている。
- 重要な点として、RSFの新しい制度の最終満期は20年で、サーチャージがかからない。
出典: ミア・アモール・モトリー, ファイナンス&ディベロップメント, 2024年6月