中国の不動産部門の課題
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- 中国の不動産部門の課題
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- Authors: KENNETH ROGOFF, YUANCHEN YANG
- Published: December 9, 2024
概要と背景
- 著者の主張:不動産主導の成長からよりバランスの取れた成長への移行は困難であり、大幅な調整が避けられない可能性がある。
- 歴史的比較:1990年代初頭から中国の住宅価格は10倍上昇したが、これは極端に低い水準からの上昇であり、北京中心部の1ベッドルームのマンションは、米ニューヨーク州マンハッタンの同様のマンションの25%の価格水準であったと指摘。
- 既往研究との整合性:不動産バブルとその後の影響については、Reinhart and Rogoff 2009 の分析と一貫する点が多い。
観察された指標と懸念点
- 価格水準と負担:
- 北京、深圳、上海の住宅価格対所得比はロンドンとシンガポールのほぼ2倍、東京とニューヨークの3倍の水準に達していた。
- 家計債務の推移:
- 家計債務の対GDP比は2008年の20%未満から2023年には60%超に増加した。
- 部門規模:
- 住宅用不動産と商業用不動産を含む不動産は、直接需要と間接需要の両方を考慮すると、2021年の中国経済の25%を占めた(輸入含有量を除くと約22%)。
- インフラを含めるとこの割合は31%に上昇する。比較として米国は不動産とインフラを合わせて18%。
- 雇用への依存度:
- 不動産とその関連部門は雇用の約15%を占める。
- 空間的な偏在:
- 中国のGDPの60%を占めるTier3の都市の価格は下落している。Tier1は北京、深セン、広州、上海。Tier2は省都と行政都市。Tier3は小規模で一般的に貧しい都市。
収穫逓減と投資効率の低下
- 2024年11月の論文による都市別分析の結果:
- 既に不動産在庫を大幅に積み上げている都市は、新規の不動産投資から得られる利益が大幅に少ない。
- こうした都市は成長が投資コストを相殺するほどになっておらず、地方政府の債務が高いという問題を抱えている。
- 指標による歪みの確認:
- 未完成の建設プロジェクトと完成したプロジェクトの比率が時間とともに上昇していることは、デフォルトに陥るプロジェクトや買い手の撤退、紛争中の物件が増加していることを示唆する。
マクロ影響の定量的推計
- 2020年の初期論文(産業連関の総計データに基づく)では:
- 中国の不動産部門の規模が20%減少すると、金融危機がなくても、数年にわたって累積的に5〜10%の産出量の減少につながると算出した。
- 最近の約300都市を対象とした研究では:
- 不動産の収穫逓減が中国の成長率の鈍化のおそらく2%を占める可能性があると示唆している。
- これらは地方政府の債務脆弱性や住宅価格のさらなる下落が消費に与える影響などを考慮しておらず、成長への潜在的な影響の下限と解釈すべきである。
リスク要因と移行の困難さ
- 部門再配置の難しさ:
- 不動産部門および建設に関連する労働力規模は大きく、他部門で吸収するのは容易でない。
- 中国の多くの住宅は比較的新しく、老朽化住宅の多くは人口が長期間減少している地域に集中しているため、単純な再建やリノベーションで解決しにくい側面がある。
- 外需拡大の限界:
- 輸出を増やす余地はあるが、米国と欧州の地政学的摩擦とポピュリズムがその移行を困難にする可能性がある。
- 地域差:
- 一部のTier3都市や南部の小さな都市は繁栄している一方で、多くの都市は若者と雇用の流出に悩んでいる。
結論的所見
- 中国は「例外的」ではない:
- 過去5年で示されたデータは、中国が従来の西洋型の金融危機と本質的に異なるという大半の学者の見方を覆しつつあり、他国と同様に不動産部門の持続的な減速が深刻な成長および金融への影響をもたらす可能性が高い。
- 政策示唆について:
- 記事自体は将来の政策を具体的に提言することは避けているが、示されたエビデンスは大規模かつ困難な調整を必要とすることを示している。
出典: 中国の不動産部門の課題, ケネス・ロゴフ, 楊元辰(ヤン・ユアンチェン), 2024年12月